Robert Farley 記者による2023-5-4記事「Did Ukraine Really Try to Kill Putin with a Drone Strike?」。
5-3のクレムリン空襲は、ウクライナの工作隊の仕事だろう。その目的は、露軍の高射砲兵のアセットを、ウクライナ前線から、より、モスクワへシフトさせることだろう。象徴的な爆発が、象徴的な建物の真上で起きてくれたら、その目的は実現に近づく。
※未解明の問題は、特濃のスプーフィング空間であるモスクワ中心市街域で、どうやってUAVをコントロールし得たかということ。「レイヴン」の後期型に使われているような、デジタルのリモコン信号で、しかも、機体を地上から直視できるほどの位置関係での操縦ならば、妨害は受けにくいだろうと想像できる。機体を「手投げ」で発進させた場所は、郊外の廃工場のようなところだろう。まずそこから機載のINSだけを頼りにして市心まで飛ばす。2人の工作員がクレムリン近くの高層ホテルにあらかじめ待機していて、1人が窓から市販品の高性能カメラの望遠ズームで、機体の接近を確認する。そこから、もう1人がリモコン操縦を開始すれば、なんとかなかっただろう。「上院」建物のドームがライトアップされているのが、夜間リモコンを容易にしたかと想像される。狙いは最初から、国旗の爆破だっただろう。
次。
ストラテジーペイジの2023-5-4記事。
米国からの、最新の対宇援助品に「M21」対戦車地雷が含まれている。数千発のオーダーだ。
この地雷は径229ミリの金属製の円盤型。全重8kg弱。長さ61センチの垂直のロッドが1本立っていて、これは1.7kgの力で横に押されれば倒れる。T-72戦車の腹の下のグラウンドクリアランスは49センチ、T-14は測った奴はいないが23センチという話もあって、いずれにせよ、確実に余裕で倒れる。ロッドが、垂直から20度、傾くと、本体の信管を起爆させる。
まず黒色火薬により覆土と本体の上蓋が吹き飛び、直後に、4.9kgのコムポジットH炸薬が爆発する。
金属の雲(自己鍛造弾)が猛速度で垂直に飛び出し、真上にある76ミリ厚の鋼鈑も貫徹される仕組み。
ロッドを倒さずとも、真上から132kgの重さで踏まれると、やはり起爆する。
敵軍の戦車やトラックをとりあえず走れなくしてしまうのが狙いだ。しかしソ連戦車には設計思想の欠陥があり、こいつが真下で爆発すると、内部弾薬が衝撃波で殉爆する危険が高い。
※気球を空中の「支点」にして、昇騰の運動エネルギーに加えてシーソー・カタパルトを使えば、現代版の「Trebuchet」(平衡錘式投石器)の空中版ができるのではないか。それで、大量に米国内にストックがある「航空用重力爆弾」を抛り投げられるようになるのではかろうか。攻勢をかける正面ではこんなものは役に立たないが、1200kmもある対峙線の、主攻方面と無関係な方面で、多彩で執拗な陽攻をし続けることは重要である。
次。
Defense Express の2023-5-4記事「Iran Keeps “Supplying” Ukraine With Weaponry, Now These Are Shells Manufactured In 2023」。
イランが2023年に製造した122ミリ野砲弾を、ウクライナ兵が証拠として押さえた。
しかも「ファースト・バッチ」である。