《かってに勝利宣言をして停戦しちまったらいいじゃないか》という最善の提案をしているのに、クレムリンの主がいっこう聞く耳持たぬものだから、プリゴジンは遂にじぶんでその手本を示す気になった。

 ほんらいモスクワが国単位でするべき演出を、プリゴジンは、バフムト限定、戦線単位で実演してやろうというのだ。そして馬鹿ボスと国民に見本を現示し、流れをつくる気だ。この男、たいした「座長」である。

 次。
 USTの2023-5-19記事「Partnership Brings Autonomous Parachute Systems to Heavy-Lift UAVs」。
    「パラゼロ」社は、ドローンが緊急不時着するためのパラシュートのメーカーである。
 そこと、重量級のハイブリッド輸送ドローンのメーカーである「パラレル・フライト・テクノロジー」社が、協働することになった。

 PFT社は、最大離陸重量122kgの「ファイアフライ」という商品を持っている。ペイロードは45kgで、これには燃料の重さは含まれない。滞空は最長で100分間可能だという。

 パラゼロ社が提供する「セイフエアー」システムは、AIにUAVの平常運用パターンを覚えさせておき、空中で不具合が発生したとAIが判断したら自動的にパラシュートを開傘させて致命的な墜落事故を防ぐ。

 そのさい、オンボード回路から、エンジンへは停止コマンドが送られ、スピーカーからは地上の人に対して音声で警報が叫ばれる。

 次。
 2023-5-18記事「DJI’s New Matrice 350 RTK Redefines the Ultimate Tool for the Commercial Drone Industry」。
    新登場。DJI社製のマルチコプター「メイトリス350RTK」は、滞空55分可能。ペイロードは2.7kgと本格派である。
 通信機能を特に強化してあり、20kmまでビデオ電送が可能。

 次。
 George Hand 記者による2023-5-19記事「The Javelin anti-tank guided missile is really a game-changer」。
   記者は、西暦2000年、フォート・ブラッグに初めて「ジャヴェリン」がやってきたときに、みずからそれを1発、試射した経験を有する。
 メーカーが、デルタ・フォースで採用するかどうか決めてもらおうと、それを9発、届けてくれたのだった。

 撃った結果はおどろくべきものだった。9回とも、誰も標的を外さなかった。みんな、初めてそいつを発射したというのに。

 だから断言できる。ジャヴェリンは、射手が外してやろうと思っても外せないくらいに、簡単に、そして確実に当たるのである。

 射手が安全であることも特筆される。ジャベリンは、いきなりメインのロケットモーターを吹かすのではなく、まず少量の火薬で飛翔体を筒から押し出し、射手の顔面から十分に離れた位置から、あらためて加速させて、高度150mまで飛び上がる。さもないと、強力なブラストや飛散物で、射手や友軍兵士が怪我をすることになりがちなのだ。

 ジャヴェリンのレンジは最大で8200mくらいもある。
 大射程でテストしたときには、弾着まで時間があるものだから、コーヒーを啜ってそれを待ったものだった。

 ※ロシアもウクライナも、今、「戦車駆逐車」=タンク・デストロイヤーの復活を考えている。いかなる重戦車も、ドローンにみつかったらおしまいなので、装甲防禦は、ほどほどにして諦めてしまう。むしろ安価に量産して、門数(台数)で勝負する。スタンダードな戦車砲を搭載させ、それを野砲としても運用するのだ(砲兵の人手が慢性不足なので)。この方向で行くと、レイアウトはスウェーデンの70年代の「S戦車」や、旧ソ連の「SU-85」「SU-100」「SU-152」類似でいい。つまり無砲塔化するのが合理的だ。さらに装軌車体もコスト高なので、「装輪式のS戦車」のようなものに行き着くのではなかろうか。それは簡単に「リモコン化」もさせられる。《天蓋カモフラージュ金網》との相性も良い。未来の発展性ある話だと思う。