英国情報部が掴んだところでは、ロシアは近々、「週休2日制の労働者を週に6日間働かせてよい。そのさい雇い主は給料を5日分しか払わなくてよい」という法令を布告するだろうという。ムチャクチャやで。

 雑報によると《プリゴジンをロシア大統領に選ぼう!》という自動車デモ行進がロシア国内で堂々と行なわれた。こうした反政府運動を、プーチンは禁止しているはずなのだが……?

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 Alius Noreika 記者による2023-5-28記事「Ukrainian Pegasus drones find enemy rocket launchers before they escape」。
   「ペガサス」はカミカゼ・ドローンである。サイズは小型。しかし大型AFVに損傷を与えられるだけの弾頭を取り付けられる。
 シャシの装甲が厚そうであれば、敢て車輪に命中させることもできる。

 「FPV」ゴーグルを装着したオペレーターが操縦する。

 カミカゼ・ドローンをいきなり飛ばすことはしない。偵察ドローンを飛ばし、まず攻撃目標を発見しなければならない。

 ペガサスを製造しているのは、ウクライナの民間有志グループ「エスカドローン」。なんといまや、月に1000機も量産している。

 「ペガサス」は、梱包状態から開梱を開始して発進させるまで5分で準備完了できる。
 弾頭は最大1kgのものまでを装着できる。

 目標に突っ込ませるときの最大速度は72km/時くらい。
 アプローチは、低空から行く。被発見のタイミングを遅らせるために。
 敵兵は目視よりも先に耳でこのドローンのノイズを聞くであろう。※露軍戦車がハッチ全開なのは、上空の音を聞けるようにしているのか?

 滞空時間はMaxで13分である。オペレーターからの距離は数マイルというところ。普通は、発進させて5分以内に着弾する。

 「ペガサス」×1機のコストは、ちょうど500米ドルだという。※5-28相場だと70330円。

 エスカドローンは、ペイロードが2kgと、ひとまわり大型の特攻自爆機も製造している。

 ※UAV月産1000機のオーダーでなくてはもはや現代戦は遂行ができなくなっちまったようだ。宇軍のUAV消耗が月1万機だそうだからね。とんでもない時代が来たもんだぜ。さて、仮の話、わが国でそんな工場をつくるとしたらどこがいい? 5月27日の『道新』朝刊を見たら、室蘭に航空宇宙関連の中小製造業が集中していて、イイ感じになっていると報道していたぞ。まあ、大量の「従業員」を集められなかったら、どんな新プラント話も画餅だが、こんど千歳にナノチップ工場もできるそうだし、それに便乗できるんじゃ……? 苫小牧の工業団地にする予定だった広い空き地は、いっそ、UAVの試験飛行場に変えちまったらどうだ? 前が海だから、構わんだろう? そこに労働者用のひろびろとした快適なアパート群も用意して、沖縄あたりの若年潜在労働力を大量に吸引するんじゃ。

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 Alius Noreika 記者による記事「The crew of Ukrainian Gepard: “They say their missiles can’t be shot down. But we can destroy any target”」。
   あるゲパルト対空戦車(1A2型)は、これまでに4機のシャヘド自爆機と2基の巡航ミサイルを撃墜しているという。クルーが証言した。

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 Andrew Stanton 記者による2023-5-27記事「Wagner Founder Predicts Ukraine Can ‘Easily’ Win Back Territory From Putin」。
  プリゴジンがブロガー相手に長広舌を揮ったその仔細な内容が翻訳されてきた。

 プリゴジンは、ウクライナ軍は2014年以前の国境を取り戻す勢いだと、今後の展望について悲観的に論評した。
 すなわちクリミア半島は奪い返される。ケルチ橋は破壊される。
 ロシア人にとっては、苦難の戦いが待っている、と。

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 2023-5-26記事「Michelin Sells Russian Tire Business to Local Distributor」。
   フランスのタイヤ・メーカー「ミシュラン」が、金曜日に発表した。同社がロシア国内にもっていた製造・販売拠点を、現地のタイヤ商に売却することで合意したと。

 ※わたしゃ全日本のタイヤメーカーによびかけたい。空気を少し抜くと泥濘用のバルーンタイヤとなるが、空気圧をちょっと高目にすると、「ダブルタイヤ」に変わり、しかも、そのサンドイッチされたセンターライン帯のリセスの部分はソリッドな「鉄道軌条走行用動輪」として機能させられる、そんな特殊な三層タイヤの開発を……。高機動車のように車内からタイヤ空気圧を加減することができて、さらにトレッド幅も変更できるようになっている軍用装輪車両がこのタイヤを履けば、雑作も無く各社のレールゲージの線路を利用した超低燃費機動が可能になるだろう。すなわちタイヤの2層のインフラタブル部分がフランジの代わりとなるわけだ。ウクライナやロシアや満洲のような戦場には、こういう後方支援車両が重宝するはず。いやそれだけじゃない。もし東京都心で核爆発級の大災害(たとえば富士山噴火もそのひとつ)が発生したとき、自衛隊は地下鉄網を利用してエバキュエーションや救恤アウトリーチをせにゃならん。然るに、地下鉄のレール上を最高の効率で走れるようにできている自衛隊車両は無いときている。おかしくないか? いまさら鉄道専用車両の整備なんて大蔵省が認めるわけがないのだから、せめて、レール利用が得意な多用途車両を研究し、それを普通科・施設科・輸送科に持たせておかなくては、国民の負託に応えられんじゃないか。それはトレッド幅が1600ミリ~1100ミリくらいのすこぶる特異な車両になる。しかし幅が狭かったら、「二階建て」にする工夫をすればいいんじゃ。まさしくレール状の「ロールケージ」を太鼓橋状に縦通させ、「車体の頭上にもう1台トロッコを担げる」ような仕様としたらいい。もちろんレール上の動力走行ができる仕様なら、無蓋貨車の牽引だって不可能ではないはず。

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 Boyko Nikolov 記者による2023-5-28記事「US does not allow Turkey’s F-16s to drop domestic ammunition」。
    トルコの兵器工業会会長によると、トルコ空軍がすでに保有しているF-16のブロック30/40/50については、そこからトルコ国産の兵装を投射することが可能である。しかし、トルコがげんざい米国にリクエストしている40機の「ブロック70」については、そうしたトルコ製の兵装を使うことはできなくなるという。そうでありながらトルコは、米国製の「AIM-120」は使わないという方針に傾いているので、いったいどうするつもりなのか、気にかかる。

 現有機のうち「ブロック30」は、トルコがミッション・コンピュータをトルコ製にしたので、トルコ製の兵装を発射できる。これと同じことを、ブロック40と50でもするつもりだ。トルコは、F-16のAESAレーダーもコンピュータも、極力、自国で設計したもので換えたい。

 トルコの現有のF-16は、79機。これにもし「ブロック70」×40機が加われば、総勢119機となる。

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 Defense Express の2023-5-28記事「How Many Shells an M119 Spends When “Not Too Active”: Ukrainian Artillerymen About Taking Down Mortars, Snipers and More」。
   ウクライナ陸軍第67機械化旅団の砲兵大隊長にインタビューした。この大隊はM119という、米国製の軽量な牽引式105mm榴弾砲を装備する。

 この榴弾砲で狙う対象は、敵の歩兵と、敵歩兵部隊の重火器。
 前進しようとする敵歩兵部隊に、前進する気をなくさせる。またビルの中に隠れて狙撃してくる敵兵を、この砲弾で直撃して追い払う。敵の迫撃砲の火点などが発見されたら、それも105mm砲弾で潰して行く。

 味方偵察UAVが発見した敵目標の座標データは、砲兵大隊のコマンドポストに報告される。指揮所では、どの隷下火力をしてそこを砲撃せしめるか、任務を割り振る。割り振り命令は、目標情報が入ってから90秒以内になされる。

 M119は軽量なので、HMMWVによって牽引することができる。
 砲口から派手な焔は出ず、発射音も比較的に小さい。よって露軍の偵察UAVはなかなかM119の射点を発見することはできない。

 公称射程は11km。じっさいに10860m先の目標に当てたことがあるという。

 砲側にも、ドローンのオペレーターが居り、その手にしたタブレットによって、砲兵たちは着弾景況をリアルタイムに承知することができる。

 これまでに放った会心の1発は、露兵たちがガレージの建物内に入って扉を閉めた直後に、そのガレージを直撃してやったことだ。

 バフムトの火力支援では、1日に250発を射った。 ※おそらく1門からではなく、数門。
 近頃では露兵の活動が低調になったので、弾丸消費も1日に30発から40発に落ちているという。

 ※ゼレンスキーと面談した米国共和党所属の連邦上院議員リンゼイ・グラハムが語った。ロシア兵がどんどん死んでいる。これこそわれわれ米国納税者のカネの使い途として最高である――と。

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 2023-5-26記事「Royal navy tests quantum sensor for future navigation systems」。
   ロンドン帝国大学の研究チームが、自律ナビゲーション用「量子センサー」の最新試作機を仕上げ、すでに英海軍の潜水艦部隊によるテストが行なわれつつある。

 この装置を使うと、衛星航法支援電波を受信できない深海環境であっても、潜水艦は精密に自己位置を把握し続けられる。INSの超高性能版と言えよう。

 同大学は「量子コンパス」を2018年に初めて試作した。以来、孜々として改善努力を続けている。