ヨルダン軍装備の「ゲパルト」を米国が買い取ってウクライナ軍へ与えるという話あり。

 このゲパルトは、オランダ軍がヨルダン軍へ売り渡した古いものである。

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 Alius Noreika 記者による2023-6-1記事「Where did Bayraktar TB2 go? Here’s what happened to the powerful weapon of Ukraine」。
   今次侵略の開始直後にウクライナは、「TB2」を50機、取得したと主張していたが、2022年末時点ですでに、その「TB2」の活躍がほとんど報じられなくなった。

 ウクライナ軍は、「TB2」を攻撃任務に使うのを止め、ISR専用機として運用するようになったのである。

 ウクライナ政府は、ドローンは基本的に消耗品であることに気付いた。それゆえドローン戦争は数の勝負にならざるをえない。それで現在、税制優遇によって、ウクライナ国内でのドローンの製造をできるかぎり増やそうと努めている。

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 2023-6-1記事「Ukraine ordered 300 German Vector UAVs」。
    ドイツ政府が提供した軍資金を使い、ウクライナ政府は、ドイツメーカーの偵察用無人機である「Vector」をさらに300機、追加発注した。

 この以前にすでに2022-8に33機、2023-1に105機の「Vector」が発注されている。よって今回は三度目。

 ※いかに消耗が激しいかが伺われる。

 Vectorは中型の固定翼機だが、モーター駆動の3発のプロペラの首を90度曲げることによって、その場から垂直に離陸することができる。
 開発と製造は「Quantum Systems」。

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 Alia Shoaib 記者による2023-6-1記事「Wagner Group chief appears to escalate Kremlin feud by sitting in front of Ukraine’s flag colors and praising the nation’s fighting spirit」。
    プリゴジンによる政府批判が一段とエスカレート。
 ウクライナ国旗色のコントラストになるように巧妙に演出した「ボクシング用リングマット」を背景に、露軍幹部が銃後国民に真実を伝えていないとSNSで痛罵した。

 「敵は弱いぞ」という嘘情報を吹き込んで、ロクに練習もさせていないアマチュアボクサーをリングに上げる、無責任なセコンドのようなものだと。相手はいつのまにか「プロボクサー」に育っていたのであり、結果は、顎をブチ砕かれて病院へ直行。それが今、起きていることなのだと。

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 Sofiia Syngaivska 記者による2023-6-1記事「Russian Opposition Figure Boris Nadezhdin Breaks Taboo: Calls for New President on State TV to Restore European Relations」。
   今次侵略戦争の勃発以来初めて、ロシア国内地上波テレビの番組中で、「欧州との関係を再構築するために、2024年にはプーチンではない新しい大統領が必要だ」との声がそのまま伝えられた。

 この発言者は、プーチンの政治的ライバルであるボリス・ナデジン。彼は開戦当初から政府を批判し続けている。

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 Jenny Beechener 記者による2023-5-31記事「Volatus Aerospace receives Canada-wide approval to operate drones for precision agriculture」。
     カナダ運輸局は、「ヴォラタス・アエロスペース」社に対して、同国内で25kg以上の播種用ドローンを飛ばす資格を付与した。

 以後、カナダ運輸局の定める規則を「VA」社はすべて遵守しているものとみなされ、VA社内の操縦者教習課程を修了した者はカナダ国内のどこでも、重量級のドローンをリモコンできる。

 げんざいVA社は、最大離陸重量101kgの小麦播種用マルチコプターを擁している。センチ単位で精密に種を蒔ける器材。旧来の農業用の固定翼機(単発・単座・有人)とくらべて無駄がなく、経済的。その運用が随所で可能になる。

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 Harry McNeil 記者による2023-5-31記事「L3 Harris Robots selected by Australian Defence Force」。
    豪州軍は、爆弾処理ロボットとして「L3Harris」社製の「T7」と「T4」を選んだ。

 どちらも、リモコンのクローラー車体にロボットアームが1本載っているタイプで、「T7」は比較的に大型。「T4」は小型軽量のバージョン。

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 Alexander Riedel 記者による2023-6-1記事「Fatal German train derailment last year caused by faulty concrete ties, investigators say」。
    昨年6月3日、バイエルンのドイツアルプス近くの線路でミュンヘン行きの二階建て客車が脱線し5人(うち2人はウクライナから避難してきた女性)が死んだ事故の原因は、不適当な小石を練り込んだコンクリート枕木だったせいだとつきとめられた。火曜日に「ドイツ鉄道」会社が発表。

 会社は例年、8万本ずつ枕木を交換しているのだが、この調査結果を承けてさらに数十万本を急いで交換するであろう。

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 Matthew Adams 記者による2023-5-31記事「New US military aid for Ukraine worth up to $300M, includes munitions for drones」。
    水曜日にペンタゴンが発表した、最新の対宇援助、3億ドルの内訳。
 名称非公示の「ドローン」と「ドローン用弾薬」が含まれていることが特に注目される。

 主なアイテム名を列挙する。

 ペトリオットの追加ミサイル。
 防空システム用の「AIM-7」ミサイル。※ほんらい空対空のものを地対空に使わせる。
 アヴェンジャー近距離防空システム。
 スティンガー肩射ちSAM。
 HIMARSの追加ロケット弾。

 155ミリ砲弾と105㎜砲弾。野砲用。
 戦車用の105㎜砲弾。
 航空機投射型の精密弾薬。
 ズーニ空対地ロケット弾。
 AT-4対戦車ロケット弾。
 ドローン用の弾薬。

 小火器弾薬3000万発以上。
 地雷啓開システム。
 障害物除去用の爆破薬。
 暗視装置。
 スペアパーツ、発動発電機、その他の野戦装具。

 ※SNSにすごいマクガイバー野郎が登場した。40ミリの発射擲弾を、両端開放の鉄パイプの底まで押し込み、その鉄パイプを、60ミリ迫撃砲の砲身に落とし込んでやる。すると40ミリ擲弾が発射されて、すっとんで行く。そのあと、鉄パイプを抜き出し、そのパイプの底に残っている40ミリ擲弾のカートリッジケースを、さらに細い鉄棒でつついて除去。あとは同じサイクルを繰り返す。40ミリ擲弾には空力フィンはなく、鉄パイプにはライフリングがないから、命中精度は期待できず、そもそも信管が作動するか疑問だが、こういうこともできるのだという参考になった。

 ※12ゲージのポンプアクション・ショットガンで、露軍の「ランセット」を撃墜したと称するビデオがSNSに投稿されている。肝腎のUAVはよく映っていない。また、地上からはふつうの自動小銃も発射されているようで、どっちのタマが当たったのかも分からぬ。追加情報を待ちたい。

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 ストラテジーペイジの2023-6-1記事。
   ウクライナは、電池動力の「TLK」というリモコン水中ロボット兵器を3種類、開発中だと。

 現在テスト中の「TLK-150」は、長さ2.5m、航続距離100km、速力20km/時。弾頭重量は20kg~50kgというところで、これはバッテリーサイズとのトレードオフである。
 偵察にも用いる。もし自爆攻撃する場合は、低速で夜間に動かす。
 操縦には、ペリスコープからのビデオ画像が用いられる。

 より大型の「TLK-400」は、レンジが1200km、弾頭重量は500kgだという。
 さらに大型の「TLK-1000」になると、レンジ2000km、炸薬5トンだという。

  ※旧帝国海軍の「回天」のレンジが12ノットで78km、炸薬1.5トンであったこと、および、「甲標的」のレンジが2ノットで190km、ペイロードが1836kg(=91式魚雷の全重×2本+自爆薬140kg)であったことと比べてみよう。ちなみに91式魚雷の炸薬は235kg。