露軍は旧ソ連が1950年代に開発して製造した「川用機雷」を使い始めた。それが洪水域に拡散している。浮流式のものがあるので。

 Howard Altman 記者による2023-6-12記事「Armor Expert Breaks Down Ukraine’s Loss Of Bradleys During Breaching Operation」。
   戦車×1、地雷処理用APC×2、IFV×4という単位構成は、敵の強力な火網が予期される場所に突入する隊形として、教科書通りであるという。

 突破作戦は、第一波のほとんどの場所では成功しないが、どこか1点で成功することを期待するものである。今回撮影されたのは、成功しなかった場所。

 1両のブラドリーがかけつけて25粍機関砲や煙幕で掩護する中、別のブラドリーには後退させる。これはキルゾーンからの離脱手順として教科書通りである。

 米国からは109両の「M2A2-ODS」が供与されている。さらに追加もある。

 われわれの機械化部隊は平生、フェイクの露軍を相手に訓練をして威張っているわけだが、宇軍の機械化部隊は今、リアルの露軍を相手にし始めた。このまま見守るべし。

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 Christina Nunez 記者による2023-6-12記事「Railways could be a key ‘utility player’ for backup power」。
   米国でも自動車の電気化が進めば、将来、とつぜんの停電が社会に大混乱をもたらすはず。

 そんな非常事態を救済できる有力手段として、鉄道の列車に巨大蓄電池を搭載したものを使えるだろう――と、米エネルギー省の国立ローレンス・バークリー研究所が提唱している。

 これを思いついたバークレー研の人は、ある踏み切りで、通過する貨物列車の貨車数を数えたら、1編成が100両以上もあったのに強い印象を受けたという。これにバッテリーを積んだら、たとえば巨大ハリケーンによって停電が起きた一地域の民家に、三日ぐらいは給電できるじゃないかと。

 米国は現状でも鉄道大国。総延長22万kmは世界一である。この要所にバッテリーをふだん貯蔵しておく専用施設を置けばいい。

 1列車には、1ギガワット・アワーの蓄電池を積載できるはずだ。あとの課題は、それを地域の電力グリッドにいかに接続するか、だけ。

 試算してみた結果、バッテリー貨車を被災地まで移動させることによるダイヤの乱れはほとんどないだろうとも予測ができる。

 1列車でどの範囲をカバーするか。ロサンゼルスとラスベガスの間は400kmある。
 400kmだったら、電池列車を動かすよりも、電力会社がもう1系統、送電線を建設した方が安い。

 しかし1500km(だいたいフェニックスからオースティンの間)となったら? 電池満載列車の方が、送電線系統を1本新設するよりも、安くなる。

 ※これはわが国にとっても朗報だ。北海道から本州へDC線で融通送電する新系統の大工事が完了するまでには十年以上もかかるはず。それまで待つ必要はないわけだ。

 ※なおも残る課題は、被災が生じてから、電池列車がやってきてグリッドに接続するまでかかる、最初の3日間の停電を、どうすればいいのか、だろう。これはトラック車載の「発動発電機」で切り抜けるしかないだろう。ディーゼルで発電してモーターで走らせるトラックかバスを、平生、自治体が運用する。有事にはそれが、臨時のミニ発電所となり、人々の生存に必要な、最低限の電源車となるはずだ。

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 ロイターの2023-6-9記事「Russian Gasoline Exports Up in 2023 Despite Sanctions」。
   金曜日に『コメルサント・ビジネス・デイリー』紙は報じた。西側からの制裁にもかかわらず、今年のロシアからのガソリン輸出は昨年より37%増えていると。

 2023年の1月から5月のあいだ、250万トン弱のガソリンが、ロシアから輸出された。
 2022年の1月から3月のあいだ、約150万トンのガソリンが輸出されていた。

 金欠のロシア政府はこの7月から、石油精製業への補助金を半減する計画である。業界は駆け込みで仕事をしたのだろう。

 今、ロシア政府は、ガソリンの輸出を禁ずることも考えている。というのは、天然ガスの値段が上がり、それは輸出に回した方が得だ。そうすると国内のガス需要は満たせなくなってしまうから、それをガソリンで埋めさせる。

 6月第一週のガソリン輸出量は2800トン/日。これは、「四分の一」への急減だ。

 げんざい、ロシア国内の精油所は、190万トンの自動車用燃料を在庫していると見積もられる。

 ことし2月、G7とEUと豪州は、バレルあたり100ドル以下でしかロシアの石油製品は買わないと申し合わせているので、売り先をなくした輸出向けロシア製ガソリンの「三分の一」(81万2000トン)は、アフリカへ流れている。

 特にナイジェリアは、今年1月から3月の間に48万8000トンのロシア製ガソリンを買った。これは2022年の同期とくらべて10倍以上の伸びである。

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 Pavel Luzin 記者による2023-6記事「Tricky Recruiting in Russia: 2023 Spring Conscripts and Volunteers」。
   ロシアの平時の徴兵は、毎年、4月1日にスタートし、7月15日まで、新兵の入営が続く。
 ロシア政府が掲げている今季の徴募人数は、14万7000人である。

 2022年春には、露軍は13万4500人の新兵を徴兵した。
 2022年秋には、露軍は12万人を追加徴兵した。

 ロシア安全保障委員会を率いるメドヴェジェフの公言。5-19にロシアは11万7400人の徴兵と志願兵を露軍に入営させたと。ところが6-1には数値が増えた。13万4000人以上をすでに徴募したと彼は言った。
 これが意味するところは、ほんらいなら除隊帰郷できる「2年兵」の多くが、除隊することをゆるされずに半強制的にそのまま軍営内にとどめられているのであろう。

 露軍は下士官にも「契約兵」が多い。その1任期は2年間である。それを超えて契約延長が強制されているのだ。ちなみに2任期目は「3年間」になるのが普通で、3任期目は「5年間」になるのが、露軍独特の慣行だ。

 2017年から2021年、すなわち今次戦争の開戦前だが、ロシア陸軍には全体で40万人の契約兵&契約下士官が存在した。

 露軍の一大特徴は、「下士官」がちっともプロらしくないこと。平時には毎年、下士官の3割が「契約」を更新せずに辞め、代わりに同数の新前の下士官が入ってくる。契約任期の途中でも辞めてしまう者が多い。それがずっと繰り返されているのだ。

 もしあなたが若いロシア人で、ウクライナ戦線送りにされたくないと思っているなら、「戦略ミサイル軍」に契約兵として志願する手がある。2000人が募集されている。ここに入れば、ウクライナへ送られることは絶対にないだろう。