カナダ軍がラトヴィアに常駐することになった。「レオ2A4M」×15両と、支援車両35両、将兵131人を、来春までに移駐させる。

Kris Osborn 記者による2023-6-17記事「Army To Triple Munitions Production – Align Ukraine Support With Modernization」。
    陸軍長官のクリスティン・ワーマスいわく。いま米国内の155ミリ砲弾生産は月産1万4000発だが、これ2万発に増やす。さらに2025年までには7万5000発/月にする。同様にしてジャヴェリンとGMLRSも増産させる。

 FY2024では工業基盤の強化のために12億ドルを投入する。また地対空ミサイルを含めた弾薬の調達のために21億ドルを支出する。ウクライナではペトリオットが特に役立っている。

 ※SNSに出た空撮動画。農道上で宇軍の1両のAFVが炎上していて、それが通行の邪魔なので「レオパルト2A6」が車体で押しのけようとするが、うまく行かず、炎熱も酷いのでいったん後退する。そんなシーン。「レオ2」のドライバーは、農道の外へ履帯をはみ出させることを、あきらかに嫌っている。畑には、まばらに砲弾痕がある。前線に近いのだ。――このシーンは何を意味するか? 路外がすでにことごとく、地雷原なのだ。そして「レオ2」の足回りも対戦車地雷1発で壊されてしまうことを、宇軍クルーは学習済みなのだ。――さてこのような地雷だらけの戦場がこれからのユーラシア大陸では普通になるのだとするなら、西側のAFV設計コンセプトは根本から変更しなくてはならぬはずである。AFVが地雷を踏んでしまった後の始末をどう合理化するかが焦点になる。解法のオプションは、戦車も含めたAFVの車体を基本的に前後「二重連」の構成とし、その「前車」にも「後車」にも動力ユニットを備えしむることだ。どちらかが動けなくされても、結合を分離すれば、残った片割れの車体だけで「キルゾーン」から離脱ができる、そのような工夫があらまほしい。この方式だと、従来ならヘリコプターや中型固定翼輸送機による空輸など考えられなかったクラスのAFVも、輸送前に車体を2分割することによってそれが可能になると期待もできる。わが軍が離島で作戦することを考えた場合、オプションが倍増することになるのである。足まわりの駆動方式だが、4×4を前後重連とする構成(すなわち変態的8×8)は研究価値が大だろう。今BAE社が研究中の無人の105㎜野砲は、4×4シャシの上に火砲をむき出しで装載する。こういうのが戦車の代わりになるかもしれないのだ。

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 Mackenzie Eaglen 記者による2023-6-17記事「China’s Real Military Budget Is Far Bigger Than It Looks」。
   FY2024でバイデン政権が要求している軍事予算は8860億ドルだ。

 これに対して中共の真の軍事予算は、いまや7000億ドルに達している、とダン・サリバン上院議員(アーカンソー州選出、共和党)は言う。彼は米国政府の情報機関からレクチャーを受けた上でこのような断言をしている。

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 Defense News の2023-6-17記事「Tekever AR3 UAV」。
    ポルトガルのメーカーが製造している「Tedever AR3」は、電動ハイブリッドのドローンで、垂直に離陸し、固定翼で巡航し、垂直に着陸できる。自重25kg、ペイロードは4kgまで。巡航速度は75~90km/時。

 英国、デンマーク、アイスランド、ノルウェー、リトアニア、スウェーデンは、ウクライナ軍のためにあちこちから装備品を買って与えてやる機構を結成している。このポルトガル製の無人機は、このたび、英国政府の予算で少数機が調達されて、宇軍へ引渡された。

 ※日本のメーカーは、大手も、ベンチャーも、《武器輸出》に関してはトーシロー同然。しかし、そのノウハウを補ってくれるのが、こうした「援助用の国際買い上げスキーム」だ。日本企業は、分相応に、こうしたスキームにまず焦点を絞ればいいのだ。さすれば、日本人には絶望的に難しい「武器売り込み営業」の努力をほとんどパスできるのである。SNSで「こんな製品ができてますけど、対宇援助用に、ひとつ、買いません?」と広告するだけで済んでしまう。さらに提言する。退役する七四式戦車その他の中古兵器から、外国ライセンスに抵触するパーツを取り除いて、米軍飛行場近くのガレージ内にストックしておき、このスキームから声がかかるのを待つ。そして現地までの輸送は米軍に丸投げしてしまう。そんな民間企業があったっていいじゃないか。誰も困らないどころか、誰もがよろこぶ。倉庫代はかかるわけだが、こんど成立した新法を役立て、国庫から補助してもらえば、採算ベースに乗るだろう。ちなみに74式TKの主砲は英国のライセンス品なので、英国に無断で日本からどこかへ輸出するわけにはいかぬ。主砲なしで輸出するしかない。だが、買い手が英国政府だったら? 何の問題もなくなるわけだ。