たとえば「bank」の「a」だけがキリル文字「а」に入れ替わっていても普通の人は気付けない。そんな、なりすまし送信者からのフィッシングメールに注意がよびかけられている。

 固定翼の無人機なのに、無誘導の投下爆弾(おそらくロシア式の40ミリ発射擲弾VOGを改造したもので瞬発信管付き、炸薬は37~68グラムか)を、2個ずつ、水平飛行で上空を航過しざまに次々と投下して、それらがかなり正確に、眼下の停車中のトラックその他の至近に着弾し炸裂している機載カメラの俯瞰動画が、ウクライナ軍によって、SNSに投稿されている。
 最近導入された新鋭の無人機らしい。
 この「水平爆撃」の印象深い精度は、これからこのタイプの無人空襲システムが、地上の敵軍(殊にソフトスキン車両、弾薬の臨時貯蔵場所、レーダー施設等)にとっての深刻な脅威に成長するであろうことを明瞭に予告している。

 まず、固定翼機は、マルチコプター型無人機と違って、サイズや運搬力をひとまわり大型にすることが、比較的にたやすい。低コストで、短時間にバージョンアップして行くであろう。

 ということは、今のところは対AFV威力のない、40ミリ擲弾を投下しているけれども、やがてすぐそれが、RPG弾頭や、磁気地雷を運搬し投下できるモデルに、漸進的に、拡大進化すると考えられる。
 塹壕内の敵歩兵に対しては、120㎜迫撃砲弾級の投下爆弾を精密に投下できるようにもなるであろう。

 磁気地雷は、鉄道線路上に落としてやることもできる。固定翼UAVは、航続力を延長させることもたやすいから、露軍の後方補給線を、このシステムによって切断できるかもしれない。

 さらに航続力を伸ばすと、ロシア本土の変電所やガスパイプラインを広範に爆撃できるようになる。もちろんそれはリモコン操縦の仕事ではない。プリプログラムの地文航法と、目標画像識別の機載AI回路の組み合わせによって、なかば自律的に実行されるであろう。

 どこまで固定翼の爆撃型UAVの能力が強化されるかは、露軍のSAMのコストと関係する。ロシア製や中共製のSAM1発のコストよりも1機が安く製造できるうちは、その固定翼UAVは、大量使用するのが「有利」であるから、その限界点まで、大型化または高性能化されて、めいっぱい量産されるに違いない。

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 2023-6-21記事「3 Drones Downed Outside Moscow Military Base」。
   複数のドローンが水曜日、モスクワに近い軍事基地へ襲来したようだ。
 カリニネツ村には、その日の早朝5時半と5時50分に、あいつでドローンが墜落したという。ドローンはその近くの軍隊の倉庫を狙った模様。

 同村は、モスクワの南西60kmにあり、露軍の「第2親衛自動車化歩兵師団」が駐屯する。
 ロシア発表では、ECMを使って墜としたと。

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 Alius Noreika 記者による2023-6-21記事「GE Stopped Servicing Gas Turbines in Russian Thermal Power Plants」。
   ジェネラルエレクトリック社は、ロシア最大の火力発電所である「レフティンスカヤ GRES」のガスタービンの保守整備サービスを停止した。

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 2023-6-14記事「Aeronautics launches Orbiter 5 ―― a tactical UAS with MALE mission capabilities」。
    イスラエルのアエロノーティクス社が新型固定翼無人機「オービター5」を完成し、パリ航空ショーに出展した。

 滞空時間は連続25時間に延びた。ペイロードは25kgである。そしてAI回路を搭載する。

 4ストローク・エンジンは「デュアル・イグニッション」だという。※よくわからないが、空中で火が消えにくいのか。

 このエンジンが600ワットを起電し、機載のミッション・システムを動かす。

 ごく小さいレーダーも備えており、洋上哨戒機としても役に立つ。

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 Boyko Nikolov 記者による2023-6-21記事「Russian grenadier got a $12K bonus for ‘killing’ a Leopard 2 tank」。
   アンドレイ・クラフウトフは、ロシア軍の「グレネードランチャー」担当兵だそうだが、負傷入院中の病院にて、軍の偉い人から、賞金100万ルーブル(米ドルにして1万1826ドル相当)を贈られた。「レオパルト2」を破壊した功績を表彰されたという。詳細は不明である。この褒賞金のなかばは、政府ではなくてシベリアの軍需メーカーが醵出しているともいう。

 ちなみに、エイブラムズやチャレンジャー戦車を破壊した者にも、同額のボーナスが、月給にプラスして与えられることになっている。
 また、西側製の装甲車を破壊した者には、半額が与えられる。

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 Nicholas Bogel-Burroughs, Jenny Gross and Anna Betts 記者による2023-6-20記事「OceanGate Was Warned of Potential for ‘Catastrophic’ Problems With Titanic Mission」。
    日曜日に行方不明になった潜航艇「タイタン」に乗り込んで操縦しているストックトン・ラッシュ氏は、このツアーを催行している「オーシャンゲート」社の創立者にしてチーフ・エグゼクティヴである。彼は航空技師であり、飛行機操縦者でもある。

 「タイタン」が建造されたのは2018年1月だった。そのとき、数十名の専門家が、もっとテストしないと危ないぞと警告を寄越したそうだ。

 ※1950年代の「バティスカーフ」号と比べて、緊急浮上のために自動的に投棄される「錘」の装置が、潜航艇の外見の写真では見当たらないところが、いかにも不安をそそる。「バティスカーフ」は合計9トンものスチール・ペレットを、電磁石で船外に吊るしていた。船内からの電磁石への電力供給が、手動あるいは故障によってなくなると、そのペレットは瞬時に船体から離れて落下する。あとは、絶対に水圧ではひしゃげない、石油入りの巨大浮嚢の浮力によって、「バティスカーフ」は確実に上昇するようにできていた。

 この「タイタン」号には、昨年の夏、「ザ・シンプソンズ」のプロデューサー兼脚本家のマイク・レイスも搭乗したという。

 「オーシャンゲート」社の運航責任者だったデイヴィッド・ロシュリッジは、みずからはエンジニアではなかったが、専門家から警告されていた。潜航艇「タイタン」の前端に設けてある「覗き窓」は、深度1300mまでしか安全が見込まれないと。それを会社の会議で報告したら、解雇されたという。これについての会社とロシュリッジの間の法廷闘争は2018年末までに決着している。

 沈船「タイタニック」号は深さ4000m近い海底にある。

 ところで米国には、民間船艇を公海に持ち出す場合の連邦の規制があり、それはコーストガードが遵守させているものなのだが、2018時点で「オーシャンゲート」社はそのいくつかを守っていなかったという。

 ただし、潜航艇は、水上艇とちがって、公海で使う場合の規制が概して緩いという。
 今回のツアーのように、潜航艇をカナダ船籍の民間船に搭載してカナダ沖で投入するようにすれば、どの政府に事前登録する必要もないのだという。

 1993年成立の「客船安全法」は、客を乗せる潜航艇についていろいろ規制を定めてある。コーストガードに登録する義務もそこに定められているのだが、「タイタン」号は米国国旗を掲げず、しかも米国領海内では運航しないため、この義務から免れるという。

 ラッシュ氏は、政府が民間の潜航艇を規制するのが不満だったという。
 2019年の『スミソニアン・マガジン』のインタビューの中で彼は「民間の潜航艇では過去35年以上も死傷事故が起こっていない」と主張し、「規制が多すぎるからこの分野でのイノベーションや産業分野としての成長がない」と語っていた。

 昨年、CBSは、NYTの技術コラムニストだったデイヴィッド・ポーグに「オーシャンゲート」社のタイタニック号見物ツアーを体験取材させている。ポーグ記者によれば、「タイタン号は実験艇であり、艇体の安全はいかなる公的機関からも認証されたものでなく、これに乗れば死傷や発狂の危険があることについて、納得している」という誓約書に、搭乗の前にサインさせられたという。

 「オーシャンゲート」社はこれまで、2021年と2022年に、沈船タイタニック号まで行って戻る観光ツアーを催行した。
 2021年のときは、ひやひやすることがあった。

 ※元豪州首相のスコット・モリソンが近々公刊する著書の中で、フランスから潜水艦を買う話をフランスにないしょで変更してしまう決心と実行の詳細を、語っているようだ。しかし、時間がないので、パス。

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 Joseph Trevithick 記者による2023-6-21記事「Iconic 1911 Pistols Are Finally Gone From Marine Corps Service」。
   とうとう、米海兵隊から、最後の「コルト .45」が除籍された。これで米軍内には、この拳銃が公式帳簿上、1梃もなくなったのである。

 ただし、あくまで官給兵器の話。米軍の特殊部隊員が、私弁して所持している「M1911」のカスタム商品は、依然として多いであろう。

 ※貫通力を重視するか、ストッピングパワーを重視するか、これは複数の得失のトレードオフ問題となるために、話が単純でなくなる。個人のユーザーとして、ストッピングパワーがなくては困るんじゃ、と主張する者も、どこかには必ず、いるであろう。しかし国家として大量に補給する効率を考えたら、9ミリパラベラムの一択だ。それで戦争に勝つか負けるかが決まるから。だから、「.45」をどうしても持ちたい者は、個人の自費負担として特別にそれを許可する、としている米軍の方針は、合理的だと思う。ちなみに古代の弓の鏃。丸木弓で初速が低く、よって貫通力が期待できなかった時代は、「カエシ」をつけた。中国では青銅時代だ。人馬には浅くしか刺さらないが、傷は大きくなるようにしたのだ。しかし弓の発射パワーが増大するにつれて、鏃の「カエシ」は消える。鉄鏃を細く尖らせた方が、敵兵の鎧を遠くから貫けるからだ。しかも大量補給上も断然にそれが有利であった。しからば欧州の中世では、なぜ、異常に長いカエシのある鏃が、少数ながら製造されていたのか。これは「馬用だ」という説明が英文サイトにあるのだが、私はイマイチ、納得できないでいた。それだけのマスを投射するパワーを、貫通力に集中転化させる方が、よほど合理的だと考えられるから。ところがさいきん、何かの英文ウェブサイトで、漸く、その機能が分かってしまった。おそろしいことが書いてあった。馬の体内にそれが刺さったまま、馬が走ると、刺さった矢が動揺して、馬体内でカエシが動くので、馬がとても堪えられなくなるのだという。「痛みによって脚を止める」という狙いだったのだ。このような鏃は、わが国では造られたことがない。これは、日本国内の戦場では、敵軍の馬の突進力を止めねばならぬという切実な要求が、欧州ほどにはなかったことを、暗示するようにも思う。