バイデンが熊プーを独裁者よばわりしたのは、もちろん熟考の上の計画的な「口撃」だ。即興的発言に見せているのは、巧みな演出であり演技に他ならない。

 おそらくブリンケンが北京で相当に不愉快な目に遭わされたのだろう。お前らがそういうマネをするならこっちはただちにこうするよ、覚えとけ、という教訓を与えてやったのだろう。人民解放軍を熊プーが統制できていないという事実を指摘することぐらい熊プー本人に痛みを与える宣伝は無い。要するにバイデンは今のところはボケてないし、その側近連は、かつてなく冴えている。ファインプレー賞だ。

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 RFE/RL’s Russian Service の2023-6-22記事。
   ソ連の水爆を開発した中心メンバーのひとり、グリゴリー・クリニショフが、92歳で自殺した。
 その水爆は二段式(いちばん外側のタンパーのウラン238が核分裂してさらに出力を増す)で「RDS-37」というものだった。

 TASSによると、死体は6月22日にモスクワで発見された。

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 2023-6-21記事「Russian Nuclear Scientist Jailed 9 Years for Treason」。
   ニジニノヴゴロドにあるロシアの核研究所。
 そこに勤務する一人の核科学者ヴィクトル・イリィンが、反逆罪で懲役9年を言い渡された。

 摘発したFSBによると、複数の外国にロシアの秘密を通牒していたのだという。

 この判決の前日には、ヴァレリー・ゴルブキンという71歳の科学者が、やはり反逆罪で懲役12年を言い渡されている。

 これまでに、ハイパーソニック弾の開発に携わっていた科学者がすくなくも3人、秘密を外国(中国を含む)に教えていたとされて逮捕されている。

 ※憲兵隊がボスのために忠義手柄を競って、正気のインテリを次々に罪におとして、自殺に追い詰めることも辞さない。戦中の「東條幕府」そのものだね。

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 2023-6-22記事「Tourist sub customer calls his 2021 dive to the Titanic a ‘kamikaze operation’」。
  「タイタン」号の以前の客であったドイツ人(61)。
 2019年のオーシャンゲートのツアーに、11万ドル払って乗った。2021年にも。

 そこは、閉所恐怖症の人にはぜったいに無理な空間だった。

 沈降から浮上まで2時間半。そのあいだ、船内の照明は消す。電池節約のため。
 蛍光を発する棒があって、それが唯一の手元の明かり。

 バッテリーはトラブル続きで、釣り合い錘の調節にも手間取った。それで戻るまでに10時間半かかった。

 いつも目的沈船の近くに行けるとは限らず、あるツアーでは客はほとんど何も見ることができなかった。
 ある客は、悪天候で沈降中止となったのに、返金してもらえなかった。

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 Giulia Carbonaro 記者による2023-6-21記事「Revelation Titanic Sub Previously Went Missing Raises Questions」。
   遭難した「タイタン」号の2021夏ツアーを体験しているデイヴィッド・ポグの証言。
 そのときにも、水上の母船との通信が途切れ、一時、所在不明になったという。

 母船との交信ができなくなると、タイタニックが沈んでいる正確な場所に誘導してもらうこともできないわけである。

 2021夏の潜水では、5時間、位置を失ったという。

 潜航艇には「ビーコン」の装備が皆無であった。通信がとだえたとき、やっぱりビーコンは備えるべきじゃないかという会話をした。

 潜航は、1日に1回と決まっていた。この潜航艇が位置をロストしたとき、ポグは母船上に残っていた。コントロール・ルーム内で見ていた。

 潜航艇との交信はショートメッセージをやりとりする。それが届かなくなった。
 この事態が起きたとき、母船は、インターネットで母船が外部とつながる回線を遮断した。ポグらが、このトラブルをリアルタイムでツイートできないように邪魔したのだ。

 ※いずれ、金満暇人向けの「宇宙観光」でも、こんな感じの事故が普通に聞かれるようになるだろう。何用あって火星に行くのか?

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 Joseph Trevithick 記者による2023-6-21記事「Navy’s Deep Sea Salvage System Still In Port, At Least Day Away From Joining Titan Search」。
    米海軍は「FADOSS」(フライアウェイ・ディープ・オーシャン・サルベージ・システム)と称する、深海底から残骸などを引き揚げるための装具をもっている。

 この装具は、民間船にも、軍艦にも、積める。ただし、最上甲板にガッチリと「熔接」する必要があって、それには突貫作業でも1日かかる。
 引き上げ可能な最大重量は、6万ポンド。
 対応深度は1万9000フィートまで。

 「タイタン」は自重2万3000ポンドで、遭難海底は深さ1万2500フィートと見られるので、対応できる。

 引き上げ具の端っこを、引き上げ対象物に結び付けないと、はじまらないが、その作業はROV(リモコン水中作業艇)に実施させる。

 ※事故で海底に着底したままになってしまうおそれがすこしでもあるモノは、万一の場合を考えて、引き上げ作業をしてもらいやすいように、船体構造のどこかに、巨大な「アイ」(玉掛け穴)をしつらえておくべきだろう。そこに太いワイヤーを通して端末をクランプすれば、ただちに引き上げ作業を開始できるように。穴が大きければROVの作業だって試行一発で済む。着底姿勢が、横倒しや、裏返しであったとしても、「アイ」へのアクセスには不便が生じないように、その位置等、最初から、よくよく考えてデザインすべきであることは、申すまでもなし。

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 Marina DE RUSS 記者による2023-6-21記事「Drones steal the spotlight at Paris Air Show」。
   パリ航空ショーに、「リーパー」に対抗するクラスの無人機を出展したフランスの「Turgis and Gaillard」社によると、全重5.5トンのこの無人機を開発するのに、1000万ユーロ以上かかったそうである。そして量産した場合の単価は、リーパーよりも低くするとメーカーは言っている。すなわち2000万ドル以下に。

 とても重要なこと。この仏製無人機には、米国製の部品をひとつも使っていない。それによって、こいつを他国に売る場合の面倒で厄介な手続き(米国務省と米国議会の承認をいちいち貰い続ける)を、回避するためである。

 マクロンは、欧州は戦略的に米国その他の外部勢力から独立できていなくてはならないと主張している。その路線に沿っている。

 「リーパー」の対抗機を開発するのは容易じゃない。2015年にドイツが、仏・伊・西を誘って「ユーロドローン」というプロジェクトを立ち上げた。しかし試作機の初飛行は予定より2年遅い2026年になってしまいそうである。もう米国に25年も後れをとっているわけである。

 フランスはロイタリングミュニションでも米国から著しく遅れている。「KNDS」というメーカーが今、「スイッチブレード」級の対抗機(レンジ80km)を開発中なのだが、早くとも初号機のテストは18ヵ月後だという。
 ※機体開発が難しいのではなく、標的を識別するAIソフトの開発に時間がかかってしまうのだろう。それが搭載されていないと、突入制御を最後の最後までオペレーターが手動でリモコンせねばならず、5kmを超えた運用はまず不可能なので。

 ダッソー社がとりこんだ子会社の「Sogitec」は、うまい市場に目をつけた。ドローンの操縦シミュレーターだ。それも、いろいろ異なる各社のドローンのオペレーターを育成してやれる。商品名は「Genius」。

 滑走路にすでに有人ヘリが3機、着陸している飛行場への着陸。
 砂漠環境や都市環境での攻撃ミッション……。それらを自在にシミュレートできる。
 もちろん顧客の特注にも応える。

 ※雑報によるとウクライナの特殊部隊が、世界最高性能自動小銃である「HK416」を所持している画像がSNSに出回っている。どこから援助されたかという詮索がされており、おそらくはオランダが贈ったのではないかという。というのは、付属サイト類の構成が、2010年にオランダの特殊部隊が支給されたときのものに類似するからだという。

 ※フォードのピックアップトラック「F-350」がウクライナ戦線で、牽引式十五榴であるM777を引き回している動画がSNSに出ている。ネットで検索すると、このエンジンとして米国市場ではガソリンのV8が主力のようである。7.3リッター、430馬力。しかしさすがに、戦場に援助する以上は、「6.7リッター、V8ターボディーゼル、500馬力」のバージョンを贈っているのだろうと想像したい。昔、大型のSUVについて顰蹙した人が「戦車みたい」という表現を使ったものだったが、退役した61式戦車と最新の「16式機動戦闘車」のどちらも570馬力であることを考えると、もはやシャレにならないSUVが実在するわけか。現役の203㎜自走榴弾砲は411馬力ですよ。それ以上なのかよ!