ワグネルに高性能のMANPADSを供給する者があれば、もはや誰も北上を止められない。

 ロストフからモスクワまでの幹線道路をブロックすべき「戦車」が露軍にはただの1両もなく、かたやワグネルには戦車がある。しょうがないので露軍の郷土防衛予備隊(州兵みたいなもの)がユンボで道路を切断させている。

 それで「カモフ52」が阻止の頼りとなっているが、何機かはワグネルのSAMで落とされた。ロシア製MANPADS「ストレラ10」だと、ヘリから散布するフレアでかわせる模様だ。動画が出回っている。

 ヴォロネジはもうワグネルに占領された。正規軍のKa-52がボロネジの石油燃料タンクを空襲して炎上させた。内戦でも「燃料兵站」が鍵だと露軍は分かっている。

 露軍に戦車がなくなる時期を読んでいたプリゴジン、巧みである。

 ルカシェンコは早々とプリゴジンと連絡をとったと自分で宣伝している。しかもタイミングよくトルコに飛んでいた。

 ルカシェンコがポーランド製またはトルコ製のMANPADSをワグナーにこっそり補給してやれば、ワグナーは勝利確定する。外国製MANPADSをカモフやミルはかわせないので。

 プーチンはウラル山地の地下に隠れたと見られる。飛行機の信号ですぐにマニアが追跡できた。いつも愛用の装甲列車を使う暇もなかったわけだ。

 ウクライナ軍は多点でドニエプル川を渡河している模様。数両の戦車が対岸へ重門橋で渡された。

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 「mil.in.ua」の2023-6-24記事「PMC Wagner convoy in the Lipetsk region of the Russian Federation」。
   モスクワから350kmの「Yelets」市にワグネル部隊のコンヴォイが到達している。
 ワグネルは主幹線ではなく、細い脇道を使って進撃中。

 ※雑報によるとロストフに残っているワグネル部隊が5000人。モスクワへ北上しているのが5000人。ワグネル創設時の幹部がその指揮をしているという。ロストフの部隊も大急ぎで北上準備を整えているところだと。

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 『Defense Express』の2023-6-24記事「Ukraine’s Troops Liberate Territory Near Krasnohorivka, Occupied Since 2014」。
   ウクライナ軍はタウリア方面で前進し、2014年から露軍に占領されていた、ドネツク州のクラスノホリウカ町に近接した地域を奪回したと発表した。

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 Daniel Fu 記者による2023-6-23記事「PLA Airborne Capabilities and Paratrooper Doctrine for Taiwan」。
   2008年の四川省の地震災害出動のさい、中共軍の空挺部隊が500人、降下したが、ドロップゾーン内に降りられたのはそのうちのたった15人でしかなかった。

 いま、中共軍の重輸送機である「輸-20」は、すくなくも31機、運用されているはず。
 これに、ロシア製の「イリューシン76」が、20機前後、中共軍にはあるはず。

 それらとは別に、中型の軍用輸送機が、55機くらい使えるはず。30機の「輸-8」と、すくなくも25機の「輸-9」が。

 2021年に元海軍大学校教官のライル・ゴールドスタインは、中共軍は固定翼輸送機とヘリコプターを総動員することで、台湾に第一波で5万人を空輸できると書いた。初日の24時間では10万人を空輸可能だろう、とも。

 2022年2月、中共軍には「輸-12」小型輸送機が加わった。古い「輸-5」型を更新する機材で、特殊部隊の潜入作戦に使える。すでに、台湾空軍のレーダー反応を試すテストまでしている。

 「輸-20U」の量産も始まったという兆候がある。これは「輸-20」を空中給油機に改造したものだ。
 また中共軍は、無人機で空挺部隊のために燃弾補給する演習もしている。

 前の中共軍空挺軍の指揮官であった劉発慶(リュー・ファキン)中将が、軍政的な手腕は特にないのに、2018-10に中共軍の装備局副長官に抜擢されたのは、台湾占領作戦を真剣に考えているからだろう。

 中共軍の『戦役学』の教科書には、空挺戦力を開戦劈頭の奇襲に使うことが強調されている。その目的は台湾の政治指導者の殺害、空港の占領、指揮統制の破壊、弾薬貯蔵所の破壊だという。
 ※露軍のエリート空挺部隊がウクライナ攻撃の緒戦で失敗したことばかりである。

 同じ教科書によれば、その次の段階では、橋頭堡の確保のために、空挺部隊は活動する。

 中共軍の教科書は、空挺降下作戦は、夜間か、荒れ模様の天候下でやりなさいと言っている。

 2021年には「雷神突撃隊」という特殊降下部隊がCCTVで紹介された。高々度から自由降下して、高価値目標を確保するという。

 台湾北部の桃園国際空港と、新竹空軍基地に対しては、中共軍は、ヘリボーンを実行するつもりである。

 宜蘭、花蓮、台東の各飛行場に対しては、「輸-20」「輸-9」を飛ばして、パラシュート降下で占領する。
 花蓮にある佳山航空基地は戦略的に重要な施設だ。そこを占領すれば、台湾政府首脳の退路を断つこともできるという。

 中共軍は自信満々で、台湾国内に空挺堡を確保するのには30分で足りるなどとほざいている。

 2018年に奥地砂漠で降下訓練したときは、横風のためだいぶ、流されたようである。

 何にしても、彼らの課題は、「政治将校」の同意がないと部隊指揮官がイニシアチブを発揮できないこと。それで空挺作戦というのは、チト無理だろう。

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 Phoebe Grinter 記者による2023-6-23記事「Teal 2 Drone Now With AI, Computer-Vision Capabilities」。
   真夜中に探知した兵隊のイメージから、それが敵兵なのか友軍なのかも判別してしまう画像識別AIが開発された。
 それも、趣味用の軽量なクォッドコプターにも搭載できるくらいの軽さである。

 ※西側の軍需メーカーで、これからロイタリングミュニションを開発しようという場合は、高価値目標を自律的に識別してくれる「画像処理AI」のマシンラーニング作業も最初から機体開発と併行して進めておかないと、機体ばかり試作ができても実戦ですぐには役に立たないということになってしまいかねない。ウクライナ軍にとっては、ロシア領内の鉄道線路を認識できる画像処理AIがいちばん必要なんだと、本欄で私はくどくどと強調してきたところだが、対中共の場合は、「輸-20」のような大型輸送機や大型ISR機を、飛行場の駐機場や、空中において、遠くから自律識別できるAIソフトが求められると思う。それさえあれば台湾軍は、敵の空挺部隊の第一波(それらはせいぜい高度1000mより低く飛んでくるはず)に対して、固定翼の小型無人機によって「空中体当たり」をさせることができるはずだから。もちろんこっちのUAVが時速200km以下ではどうしようもないだろうが、時速400km以上出せる無人機とすれば、まっすぐこっちにやってくる低速の大型機(輸20でも700km/時くらいだろう)を、昔の東芝の「短SAM」のように途中まで指令誘導をしてやって、最後のホーミングだけ自律ロックオンにきりかえて衝突させることが、できるはずである。外れたらまたその場で旋回していればいい。ヘリ相手の場合、体当たりを一回かわされても、すぐまた何度でも突撃反復できる。

 ※時速400km以上の速度を15分ばかり維持のできる固定翼の無人機は、敵の戦術ヘリコプター(せいぜい260km/時しか出せない)を深追いして、体当たりで撃墜する役に、特に立つだろう。やはり、地上から初期ステージだけ誘導してやって、空中でロックオンさせればよい。高度な画像識別の必要などない。ウクライナのような戦場では、これが著しく有益なはずだ。「スティンガー」のようなMANPADSでは、敵の有人回転翼機の姿が遠くに見えているのに、水平距離がありすぎて手が出せない、というもどかしい局面がしばしばある。だが、こっちに無人追尾機があるなら、低空で遠くを飛んで行く敵ヘリをめがけてそれを発進させると、あとは、その固定翼UAVが、猟犬のようにおいすがって撃墜してくれるであろう。台湾や尖閣の防衛用途では、これだけでも、敵のヘリボーンの企てを、まったく不可能にするであろう。エンジン諸元から積算すれば、機材は自重500kg以上となろうか。トラック荷台の国鉄コンテナ1個をまるまる、占有する寸法ともなるだろう(むりやり複葉にしてアスペクト比を小さくし、折りたたむ必要をなくするという手もあろう。ちなみに過去最高速レコードの複葉機は、1010馬力のDB601Aエンジンを搭載した1941年のフィアットCR42Bで、520km/時だった)。それで敵軍の有人ヘリを洋上に叩き落とせるなら、安いものだ。

 ※もうひとつ、日本や台湾が欲しいのは、「落下傘」に対して見境い無く特攻して行く、超低空スペシャルの自爆型無人機だろう。降下兵だけでなく、物料傘にもロックオンする。「こういうのができました」と宣伝するだけで――じっさいにはできていなくとも可い――中共軍の参謀本部は、もう空挺作戦の自信をなくしてしまうに違いない。この用途のUAVはさらに低速でOK。ということは単価はじゅうぶん低く抑えられ、何千機も量産ができる。それを島嶼守備隊が地上から、惜しげもなく放ってやることができる。

 ※いったんこういった、対空用の「と号」無人機が完成したら、それもどきの無人機を離島の沿岸上空でぐるぐる旋回させておくだけで、敵は固定翼輸送機も、有人ヘリも、送り込むことができなくなる。すなわち北方作戦で国後島を確保することは朝飯前となる。とりわけ、「対有人ヘリ」に特化したロイタリング・ミュニションは、大量生産に移る前の、初期少数生産段階から、劇的な抑止力を、わが国軍に与えてくれると考えられる。しかも、この用途に限れば、エンジンはバイク用のガソリンエンジンをそのまま転用していいのだ。JP8やJP5に対応させる必要は、かならずしも、ないであろう。

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 2023-6-24記事「App Can Transform Smartphones Into Thermometers That Accurately Detect Fevers」。
    アプリをダウンロードするだけで、スマホがそのまま体温計に早変わり。それも表皮ではなく体幹深部の温度が測れてしまう。

 ワシントン州立大学の研究チームが開発した。マシンラーニングを駆使した。

 スマホのスクリーンを患者の額に接触させる。すると熱が移動する。それを検知して計算する。同時に気温も測っている。スマホの中には電池の温度をモニターしているセンサーがあるので、それを役立てる。

 ただし90秒間、額に押し当てている必要がある。
 それによって、平均誤差0.23℃にて、体幹の温度を当ててしまう。病院で使う体温データはプラマイ0.5℃以内の誤差でなくてはならぬ。こいつは、合格だ。

 これで、次のパンデミックが襲来したときに、体温計が品切れのため困ってしまう人はいなくなるはず。めでたし。