もういちど説明する! 陸軍部隊には「梯子(はしご)」が大量に必要である。ついでに「自転車」も。

 本欄の2021-2-17号で私は「Buoyant and floatable Ladder」を準備しとけよ、と提言した。
 ウクライナ大使館の武官先生は、これを読んでいてくれたかな?

 昨日、SNSに出回っていた動画(おそらく投稿者はウクライナ軍)は、全世界の陸軍関係者が必見の内容だ。

 かなりの密度で対人地雷が対戦車地雷と併設されているボサ地――平原中の一直線状の農道の途中にあって、なぜかそこだけ周辺よりも草丈が成長しているために、なんとなくそこに歩兵を配置したくなる――に、先に露軍が地雷を仕掛けまくっていたのに気付かず、歩兵をブラドリーから下車させてしまった小隊が、気付いたときはもう遅く、皆、次々と地雷を踏んで、片足を吹き飛ばされてしまうという、生々しすぎる空撮映像だ。

 正体不明の対人地雷が散在している場所では、銃剣を「探り棒」に使いつつ這って移動するのが賢明だという「予習」をこの小隊員たちはしていない(何のためにスマホとユーチューブがある?)。
 だから、前に仲間が負傷して横たわっていたところならばもう地雷はないだろうと予断して、健全な歩兵がブラドリーの後部ランプドアから両足でそこへ飛び降りて、直後に地雷が反応したりしている。

 この動画は、ブラドリーなど現代のAPCには何が足りないのかも、疑問の余地なく教えてくれる。「梯子」である! ゲペックカステンに梯子を2丁以上付加すべし。

 日本の庭師が使うような孟宗竹製の長いハシゴを地面へ横たえれば、その横木の上を踏んで歩いても、踏圧が分散され、対人地雷はまず反応はしない。もし信管がアンテナだったりトリップワイヤだったりした場合には、梯子を置いたとたんにそれは反応するから、やはり人は助かる。

 対戦車地雷が併設されているため車両を負傷兵の直近まで近寄せられぬという情況でも、この梯子を2脚以上、継ぎ足したり、交互に置き敷いて進むことで、救護兵と負傷兵が地雷原からゆっくりと安全に離脱できる。

 長い梯子は、APCの後部出入り口からだけでなく、車両の天板の上から斜めにさしのべてやることもできる。下半身をやられている負傷兵は、梯子に両手でしがみつくだけでいい。あとは車両が、梯子ごと「シュラ」のようにひきずってその場を離れることができるのだ。

 APCもトラックも払底しているという場合、「はしご」は、自転車によって現地まで運搬してやることも、たやすい。

 さらに世界の軍用自転車メーカーは研究するべきなのだ。2人乗り自転車で、フレームそのものがはじめから長い梯子の形状になっている、そのような特別設計の救急用自転車を。(長さの限度がどのへんかは、2023-6-9号の本欄を見よ。)

 このような自転車は今の日本の法令では公道を走れまいが、平時は押し歩きによって移動させるようにするなら、荷車台車と同じ扱いになるはずである。

 地雷原にハマった味方歩兵の自力脱出を助けるための、専用の多人数乗り電動アシスト自転車をドローンで現場に空輸できるようにするのが、将来の課題だろう。1960年代の北ベトナム軍のアンビュランス用の「重連自転車」を研究すべし。

 次。
 Kapil Kajal 記者による2023-6-26記事「Japan to procure Hawkei, Eagle light vehicles for trials」。
  日本の防衛省は、豪州タレス社製の「ホーケイ」4WD装甲自動車と、ジェネラルダイナミクス社製の「イーグル」4WD装甲自動車を、比較試験のために今年度調達し、そのどちらかを、小松の軽装甲機動車の後継に決める。
 コマツの軽装甲機動車は4.5トンで、いま、2000両近く、自衛隊で使っている。

 今後のスケジュール等は未定だ。

 ※そこで以下、豪州タレス社のHPをのぞいてみた。
 「Hawkei――The New Generation Protected Tactical Vehicle」。

   ホーケイは2021-7に豪州国防省から、実戦に使ってもいいよというお墨付きを頂いた。
 量産配備は2023年。

 ※まず「ホーケイ」というとぼけた名前からしてなんとかしないと駄目だろうな。日本に売る気ないだろ、と思われてしまう。話はそれからとなるであろう。

 ホーケイの製造工場は、ヴィクトリア州のベンディゴにある。週に10両、つくられる。
 豪州軍はホーケイを1100両、調達する予定である。
 ホーケイには、2ドアピックアップ型、4ドアピックアップ型などがある。

 豪州軍はすでに「ブッシュマスター」を1200両装備している。ホーケイは「ブッシュマスター」に代わるものではなく、「ブッシュマスター」を補強する。

 ※ホーケイは5人乗りで重さが10トンである。ということは、陸自は4.5トンの4WDではとうていプロテクションは不可能だと判断しているのか? またメーカーHPを見るとチヌークで空輸できるようなことがイラストで標榜されている。チヌークのF型のペイロードが10886kgだから、これが吊れるギリギリということか。ちなみにCH-47のD型のキャビン寸法は9.14×2.53×1.98mである。ホーケイは5.7m×2.4m×2.3mなので、屋根をどうにかしないと荷室には入らんぞ?

 次。
 Rachel Chason, John Hudson, Greg Miller 記者による2023-6-27記事「Prigozhin’s rebellion raises questions about Wagner’s African footprint」。
   アフリカの「中央アフリカ共和国」と「マリ」には、ワグネルの有力部隊が蟠踞している。こいつら一体、どうなるんだ? ……と、みんなが思った。

 現状、その二国内にてワグネルは、以前と少しも変わらずに、引き続いて各所で交通検問所や哨所、保安用設備を維持運営しているという。

 ※SNSに、露軍が使用中だという152㎜砲弾とその装薬の写真が出た。砲弾は中国製の「Type 66」HE弾だという。装薬はイランで2018年に製造された金属薬莢だという。謎なのが、この砲弾にペイントされている簡体字のような2字。「152」という数字に続けて、「殺」のへんだけの文字と、その右隣に、「火」へんに「卜」の字。前者は「殺」の簡体字らしいのだが、後者は、これをネットで簡体字検索しても該当が無い。本当に中国製か? 北鮮製ということはないのか? ちなみに二行目には「37-83-13」とあり。三行目には「+」の記号がペイントされている。