シリアに駐在していたワグネル幹部が拘束されているという。

 Howard Altman 記者による2023-6-29記事「Russia Plotting To Assassinate Prigozhin, Ukraine’s Spy Boss Tells Us」。
    『ウォー・ゾーン』特派員が、ウクライナ軍情報局長のクリロ・ブダノフ少将にインタビューした。

 ※「イリューシン22M」は《空飛ぶコマンドポスト》と呼ばれているが、どうも、無線中継の仕事をしていた可能性がある。だから危険な高さを飛び続けるしかなく、むざむざとSAMの餌食になったわけだ。露軍中枢としてはプー之介に最新情勢を報告しなければならないから、犠牲承知で通信維持を厳命したのだろう。おそらくFSBか政治将校が最低1名はそこに乗っていた。もしウラルの地下壕まで無線でダイレクトに報告していたのだとすれば、とっくにNSAはプーチンバンカーの位置を特定しただろう。

 ワグネル部隊がベラルーシ国内へ本拠を移しているという情報はない。その計画もないだろう。兵站のためのハブをベラルーシ国内に整備することは、あり得る。ワグネル募集事務所がベラルーシ内に増えることもあり得る。

 ワグネルはアフリカにひとつの軸足がある。その後方拠点として、ベラルーシを使うかもしれない。
 ワグネル兵の多くがベラルーシからアフリカへ飛んでしまうこともあり得る。アフリカは、PMCにとって儲かるのだ。

 FSBはプリゴジンを暗殺する気である。しかしそういう仕事には「仕込み」が必要で、今は仕込みに時間を取られている。ベラルーシ国内のプリゴジンは、現況では大部隊に守られておらず、引き連れているのは数人のワグネル最高幹部だけだ。

 もしプリゴジンが北上を続けていたら、空っぽなクレムリンに入城できた可能性があった。閣僚は全員逃亡しているから、もぬけの殻だ。その様子をテレビ放映させただろう。そしてサンクトペテルスブルグの誰かが「ここに正統政府があるぞ」と言う。ロシアは、二大勢力に分裂して、内戦に入っただろう。

 イランはロシアに自爆ドローンをコンスタントに供給し続けている。1バッチの量が50機から70機だ。2週間ごとに1バッチが届けられている。ときにインターバルは3週間に伸びるが。

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 Max Hunder 記者による2023-6-29記事「Cheap Russian drone a menace to Ukrainian troops and equipment」。
   米シンクタンクのサミュエル・ベンデットによると、「ランセット」自爆無人機の単価は300万ルーブル=3万5000ドルくらいじゃないかと。

 これに対して「S-300」地対空ミサイルは、1発がすくなくとも、数十万ドルするはずだと。

 比較すれば、「ランセット」が、片道特攻機でありながら、じゅうぶんに採算が取れるわけがわかるだろう。

 まず「探り」役のUAVを放って、敵のSAM陣地の位置を暴露させ、把握する。そこへあらためてロイタリングミュニションをさしむけることで、何億円もする敵のSAMシステムを破壊できる。この戦術を、宇軍も露軍も繰り返している。

 ウクライナの国防大臣のアドバイザーのひとり、ユーリー・サクが言う。いま、ランセットを毎日、1機か2機、迎撃できている。だがとても全機は禦げない、と。

 ユリサクいわく、ランセットの弾頭炸薬は1.5kgから5kgの範囲である。それでも野砲弾以上の仕事をする。

 イラン製の「シャヘド136」は、プリプログラムされた飛行コースで特攻してくる。つまり、誰も操縦はしていない。

 これに対してランセットは、衝突する最後の瞬間まで、リアルタイムで、オペレーターが、リモコンしている。

 最新バージョンである「ランセット3」は、レンジが50kmに達する。いまのところ、このレンジは、無人特攻機の中では、「シャヘド」の次に長い。

 ランセットがよく狙ってくるのが、宇軍の「BM-21」だ。トラック車載の多連装の地対地ロケット砲で、地対地ロケット弾を40連射できる。

 ロイター記者が「BM-21」の砲兵(27歳、郷土防衛軍所属)から聞いた話。前線でこれを発射したところすぐに射ち返しが来た。それは「S-300」を対地用に転用したミサイルだったが、車両から150m外れて着弾した。その次にランセットがやってきた。

 大急ぎでトラックを走らせて逃げた。ランセットは車両の右手50mの地面に突入したので、彼は助かった。

 ユリサクいわく。ロイタリングミュニションから部隊が自衛するには、「ゲパルト」のような、レーダー照準装置と連動した対空機関砲がいちばん有効なので、各国はそういうのをもっとわれわれに援助して欲しい。

 ※西側与国は、新品のAAを援助をする資金があるなら、その全額を使って、可及的多数の特攻ドローンを援助した方がよい。航空戦では攻撃側に利があって、防御側には不利しかない。空から叩かれている宇兵がAAをくれというのは人情だが、戦争に早く勝たせたければそれに耳を貸してはならない。

 ※AFPによればウクライナ国内で製造されている、手投式の偵察ドローンは、コストが600万円弱だが、20回飛ばすと撃墜されてしまうという。運用高度は1000m。カメラ性能の限度から、それ以上に上昇すると偵察にならないという。

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 雑報によると、ウクライナ戦線で「QB57」という中共製の空気銃をメインアームにしているロシア歩兵が撮影された。「QB57」はサイドレバーをコックするスプリング式で、口径4.5㎜。ライフリングはあるものの、単発で、次弾装填にはちょっと時間がかかる。

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 雑報によると、1939年製造の砲弾(122か152㎜)が多数、露軍の前線に送られていた証拠の写真が撮影された。かたや宇軍は、2023年にセルビアが製造した120㎜迫撃砲弾を受取っている証拠の写真がSNSに出た。

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 雑報によると、宇軍のFPV特攻機は1機のコストが350ドル。動いているBMP-2に1発当てると露兵はそのBMPを遺棄して逃げ出すが、停車したBMPに完全にトドメを刺すにはさらに2機、命中させねばならない。それでもBMP-2の単価30万ドルより、安い。

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 雑報によると露軍は戦車用の「防ドローン用ケージ」のデザインをさらに進化させた。網を張るための支柱を砲塔にではなく、車体の四隅に熔接して立てる。その支柱があることによって、砲身の左右射界は制約されてしまうことになるのだが、いまや戦車は直線道路の前方を遠射するだけの「突撃砲」の役目しか期待されていないので、それでいいのだろう。その網も、金網ではなく、漁網のような素材のように見える。

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 Damian Ratka 記者による2023-6-27記事「Polish Armed Forces Seeking UGVs」。
   ポーランド国防省の兵器局は、無人偵察車を開発するつもり。

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 2023-6-28記事「UVision USA announces successful high-altitude mission execution with the Hero 120」。
   イスラエルのメーカー「UVision」の米国支社が、「Hero 120」というロイタリングミュニションを米軍に売り込もうとしている。このたびそのUAVに高度1万8000フィートまで上昇させる実験に成功した。