Seth Robson 記者による2023-7-3記事「Army watercraft company with 13 ships will be based in Japan, Pacific commander says」。
在日米陸軍の水上輸送船部隊。ビーチングしてHIMARSなどの車両を砂浜に吐き出せる、あのフネを含めて、日本の港に13隻を常駐させる予定だという。
この部隊には285名の陸軍船舶工兵が所属する。
13隻の内訳。LCUが5隻。航洋型タグボートが2隻。MSVが4隻。1隻は、外地で港湾作業を監督するための指揮船。 ※のこり1隻は何なんだ? 国旗を立てた筏?
LCUは、小型のようだが、C-17×1機と同じ物資を運搬できる。M1戦車ならいちどに5両を運べる。コンテナなら二段重ねにして24個、載せられる。兵員ならば400人。
陸自(中央軍)の作戦部長(すずき・もとかず大佐)らがこのたび、当該部隊を見学した。その模様を伝える写真は、米軍側撮影のものもふくめて、公表されない。
※米陸軍の船舶工兵中隊のノウハウを陸自が編制からまるごと吸収する過程にあると想像する。星条旗新聞に対して報道写真も与えないとは、これは本気だ。話が着実に前進している傍証だろう。欲を言うと、海送の「ラスト20km」は、半没で岸にアプローチできる、小型の「まるゆ」も加えられることが望まれる。これは先の大戦の貴重な戦訓だと思うのだが……。半没輸送手段がこっちにあるという情報だけで、敵はどう対処していいか分からなくなり、そのことが、侵略発動の「敷居」を高くしてくれるのだ。
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AFPの2023-7-3記事「French ‘tanks’ blamed for Ukraine troop deaths」。
ウクライナ軍の大隊長(34)が証言した。フランス製の6×6装輪式戦車に載っていた兵隊が1名、敵の野砲弾(榴弾)が至近距離で爆発した、その破片が車内に貫通してきたために戦死したと。
この人の結論。「AMX-10」は、アフリカの山賊が相手ならともかく、ウクライナの最前線には出せない装備である。
搭載備砲(105㎜)の威力には満足している。視察器材や照準装置も優秀である。だが、いかんせん、防護力がなさすぎる。
この「AMX-10」を前線に出せば、次々と敵からの間接照準砲撃によって破壊されてしまうことはもはや疑いもなくなった。だから、出さない。
この大隊長は、比較して、英国製の「ハスキー〔TSV〕」を褒めた。
※ハスキー支援車は、別名、インターナショナルMXT-MV。4×4のAPC。2+2~10人乗り。基本型の重さは15300ポンド。V8ディーゼルは340馬力。NATO共通燃料(灯油系)でも動く。ミシュランのラジアルタイヤは車内から気圧調節できる。中東派遣歴が長いので耐IED用の追加装甲が用意されている。
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英紙『テレグラフ』の記事「Tractor driver injured by land mine in Kherson」。
ヘルソン州の農夫が、地元の人々の警告も聞かずにトラクターで畑を耕し、地雷を爆発させて負傷した。顔、上半身、両手に負傷。しかし入院は拒んだという。
知事氏いわく。地雷処理の専門家が作業していない土地にはそもそも立ち入らないようにしてくれ。
※BBCによると、露軍がロケットから撒布する対人地雷をウクライナ人は「ペタル」と呼んでいる。一回啓開した地雷原でも、ロケット撒布地雷は、何度でもすぐに撒き直せるので、毎日、これにやられる者が出る。また最前線では、宇軍の自爆ドローンが宇軍の車両に突っ込む事例もあるんだと。
※74式戦車の砲身を撤去して、操縦席を改造して、「後進」によって地雷処理ローラーを押す専用機に改造して援助しては……なんてことを空想していたら、どう考えても、最新型の民間の装輪式の農業用トラクターに専用ローラーを推進させる方が、維持費が安くて省力的になるに決まっているという、現実的な結論に到達する。最近は無人でトラクターに仕事をさせられるAI操縦機能がデフォルトで備わっているしいからね。それで7月6日から10日まで帯広で「国際農業機械展」が開催されるそうなのだが、誰かキャンピングカーで連れてってくれんかな。会場をひとめぐりすれば内外の最新トラクターの資料を一挙にかきあつめられるじゃないか? 誰か私の代わりにそれを集めてくれないか?
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Ben Knight 記者による2023-7-2記事「Why is far-right populism so popular in Germany?」。
ライプニッツ大学の最新の調査。
ドイツでは、旧東独地域の住民に、「レイシスト」傾向が強い。
それで「ウルトラ右翼」みたいな異常な候補者が選挙で当選してドイツの国政に送り込まれるんだと。