ウクライナ軍の自爆特攻無人機はクビンカ基地にも墜落したそうだ。国境から400km。

 Caroline Anschutz 記者による2023-7-3記事「The Pedestrian Hummer EV Goes Military」。
   軍用のHMMWVを民間用にしたものが、1992年市販開始の「Hummer」である。

 このたびGMD(ジェネラルモータースディフェンス)社は、前から存在する、GMC社製の「Hummer EV」をベースに、最新EV技術でさらに性能向上を狙った試作モデルを米陸軍に提示した。

 電動モーターは3個。合計で1000馬力〔ママ〕を出す。トルクは11500ポンド・フィート。
 電池容量は205キロワットアワー。「Ultium」というバッテリーパックを二段重ねした。
 満充電の状態で走り出せば、300マイル行ける。

 と同時にこの車体には、12キロワット出力のディーゼル発電機も搭載されている。戦場に充電施設があるほうがおかしいから、バッテリーがあがってしまっても、これで最低限の走りはできるようにしておこうというわけ。自前充電もできる。

 開発を開始してから2年になる。まだ完成品ではない。これは途中経過である。

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 ストラテジーペイジ の2023-7-4記事。
   露軍は、ウクライナ戦線に出している戦車の砲塔に、「ナキドゥカ」と呼ぶ新式の偽装網をかけるようになった。この繊維製品は、熱線の輻射を遮断し、かつまた、ミリ波レーダーの信号反射も弱める。

 各国軍は2000年代以降、MCS(マルチスペクトラム・カモフラージュ・システム)とよばれる、昼夜を問わず敵軍の最新センサーを騙くらかせる偽装網を研究するようになった。露軍も用いてきた。ナキドゥカは、その旧世代よりも、機能が改善されている。これは、敵軍の赤外線~紫外線イメージセンサーの高性能化に対応するものである。

 米軍がストライカーなどにかけているMCS網は、2017年にスウェーデンのサーブ社が開発したものである。

 ※おそらく今、各国のメーカーは、たんなる偽装遮蔽機能だけでなく、「ランセット」のような自爆無人機の突入をぎりぎりで物理的に制止できるような「補弾ネット」の機能も兼備した偽装網の研究にとりかかっているのではないか? それは「支柱」を使うものもあれば、使わないものも考えられるだろう(登山者用テントの無柱タイプを想起すればよい)。さいきんの天気ニュースを視るかぎりでは、日本の自動車メーカーは、「巨大な雹」から、戸外の乗用車のフロントガラスを防護できる、なんらかの製品を、これから大急ぎで開発するしかないと思われる。温暖化にともなって、雹はますます大粒化し、しかも毎年降るようになるだろうから。その民間開発の製品を、きっとAFV用にも役立てられるようになる(個人の想像です)。ついでに「防蚊網」の機能もあれば、野営が快適になるよね。

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 Defense Express の2023-7-4記事「New Details on the Historial Downing of Ka-52 Helicopter With Javelin ATGM: When Mastery Meets Right Moment」。
   歩兵携行型のATGMであるジャヴェリンが「カモフ52」戦闘ヘリを空中で爆砕したらしい。
 7月2日のこと。
 場所はベルディヤンスク地区。
 射手は、第36海兵旅団所属の兵隊であった。

 じつはジャヴェリンのマニュアルには、低空飛行中の敵ヘリコプターを狙って発射する方法についても説明されていて、メーカーとしてはこのような用法も織り込み済みなのだ。ちなみに、弾道モードは「彎曲」を用いる。真上から落下してヘリを直撃する。

 名前が伏せられている射手の兵隊は、今次戦役の緒戦から対戦車戦闘で大活躍しており、すでに戦車×3両とBMP×2両を屠っているエース。もちろん単独行動ではなく、「班」で遊動している。

 広報官は強調する。誰でもこんな活躍ができるものではない。ジャヴェリンのレンジは2500mしかない。この短いレンジで戦果を出すためには、巧妙な「ポジション取り」が必要である。それができる兵隊とできない兵隊がいる。才能と経験の両方必要だ。