ベラルーシ国内には、ロシア軍の徴兵を訓練するキャンプが臨時に3箇所設営されていたが、ベラルーシはその天幕を畳んで片付けた。衛星写真で確認された。

 雑報によると、モスクワ市から建設工事を請け負っている建築会社が、「労務者を兵隊としてウクライナへ送れ。さもなければ今後は工事を発注しない」と脅されたそうだ。プー之介が不人気で、もはや追加の充員招集は号令できない窮地に立たされているため、代わりに、このように隠密に脅迫徴募させる「陰の動員」が進められているらしい。

 ※なぜ自転車の発明は鉄道の発明と同じくらいの「輸送&移動革命」だったかというと、「中間デポ」が要らないのだ。自動車やトラックを軍隊が使う場合「中間デポ(補給廠)」が不可欠である。その中間部分にものすごい人的資源と物的資源をとられてしまう。燃料も、スペアパーツも、タイヤも。それが、人口爆発がとっくに終了しているロシアには、祟っているのだ。自転車は、最前線で戦闘する予定の歩兵が、最後方のBase(補給策源)から、ダイレクトに、じぶん自身用の武器と弾薬と糧食をかついで、長駆移動して、そのまま戦闘加入できる。それも、大して疲労もせずに。ここに直感で気付けたのがマレー作戦前の辻政信だけだったというのは情けない。中世のイスラム軍は、「荷車」の無い軍隊だった。ヒトコブラクダのおかげで、中間デポに人を割かないシステムを構築できていたのだ。13世紀のモンゴル軍は、糧食である羊に自走させた。だから後方兵站なんて必要なかった。「自動車化」は近代の罠だった。これに国力不相応に適応しようとした軍隊は、中間デポの負担をにないきれずに、自滅したのだ。1941年の日本軍には「自動車化」ではなく「自転車化」が必要だった。おそらくそれで戦争に勝てた可能性すらある。2023年のロシア軍にも同じことが言えるだろう。しかし人間の理性は有限である。

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 Karen DeYoung and Missy Ryan 記者による2023-7-7記事「White House defends sending up to hundreds of thousands of cluster shells to Ukraine」。
   バイデン政権の国家安全保障担当補佐官であるジェイク・サリヴァンいわく。露軍が使っているクラスター弾薬は、子弾の30%から40%が不発弾として残留してしまう。これに対してこのたび米国から宇軍へ供与を決めたクラスター弾薬の不発率は、2.35%以下である。

 米連邦議会は2017いらい、不発率が1%を超える米国製のクラスター弾薬を禁じている。歳出法案の承認とコミで。
 しかし大統領には「外国援助法」が定めた迂回の道があって、米国の安全に死活的であれば、議会による禁止を無視できる。

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 Jeff Schogol 記者による2023-7-7記事「Pentagon will no longer support movies, TV shows censored by China」。
    10年前、『アイアンマン 3』を製作したとき、映画会社は、中共市場向けの特殊バージョンを用意した。そちらには、トニー・スタークが心臓手術のために中国へ渡り、彼のパワーの源が、内モンゴルの乳製品であったことを知る、というエピソードが付加された。

 2019公開の『トップガン・マヴェリック』のスポンサーには、テンセントがついていた。しかし台湾と日本の国旗騒動の結果、テンセントはスポンサーを降りた。

 国防総省はこのたび、新しいルールを決めた。中共の検閲に媚びたような編集をする映画製作会社やテレビ番組プロダクションに対して、米軍が協力をすることを禁ずる。

 これをさせたのは連邦議会。予算は法律の一種なので、立法機関たる議会は、国防予算支出を政府に授権する「NDAA」という毎年度の法律の中で細々と注文をつけることができる。

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 ストラテジーペイジの2023-7-8記事。
   中共は9万トン級の砕氷船を建造中である。ロシアの原子力砕氷船『リデル』級の主機をディーゼルに換えたようなもの。

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 Sofiia Syngaivska 記者による2023-7-8記事「Russia Installs Additional MON Mines in Zaporizhzhia Nuclear Power Plant」。
    ザポリジア原発内を露軍はIEDだらけにして、機械室や制御室まで内部に人がたどりつけないようにしている。

 建物内には、トリップワイヤー式の「MON-50/-90/-100」(ロシア版のクレイモア)を仕掛けまくっている。

 ※雑報によると、ウクライナの前線を視察したドイツ連邦防衛委員会の者が報告した。ザポリッジア戦区には「レオパルト2」が6両投入されていて、そのうち2両は地雷とRPGで小破させられているが、修理は済んだ。どちらも、乗員は誰も負傷しなかった――と。