トルコは、黒海から穀物を搬出せんとする商船を、ロシア海軍の妨害からエスコートするために、トルコ海軍の艦艇をして護衛せしめる。

 再選を果たしたエルドアンが、クーデターでふらついているプーチンに対して強腰になった。ウクライナ国内には「TB2」の工場を建設するし、アゾフ旅団の幹部をゼレンスキーが連れ戻ることも許容した。次は何だ?

 次。
 Niha Masih and Leo Sands 記者による記事「Ukraine live briefing: Moscow calls Azov commanders’ return a violation; Biden faces a divided NATO」。
   ロシア政府はウクライナとトルコを非難した。捕虜交換後、トルコに預けていたアゾフ旅団の指揮官5人が、ロシアに断りなく土曜日にウクライナへ戻り、「再び前線に出る」などと言っているので。

 これは捕虜交換条項の違反である。

 ゼレンスキーはイスタンブール空港でこのアゾフ旅団の元捕虜たちに会った。

 マリウポリ市のアゾフ製鉄所は3ヵ月間包囲され、2022年春に守備隊は投降した。ロシアは、この捕虜たちが、この戦争が終るまで再度従軍しないという条件で、捕虜交換に応じた。アゾフ旅団の捕虜の身柄はトルコに移送された。
 彼らは、ずっとトルコ国内に留まっていなくてはならないはずであった。

 ※この件にかんしてはロシア側の言い分に理がある。捕虜交換協定を一方的に破ったら、リタリエーションが来る。今後は交換してもらえなくなるじゃないか。何を考えているんだ?

 次。
 Boyko Nikolov 記者による2023-7-9記事「Japanese F-35’s device avoids the engine resonant vibrations」。
    F-35のエンジンの有害振動を抑制する新デバイスを、空自の装備機が他にさきがけて実装した。位相を反転させた共振により、有害振動を打ち消す。これによりエンジン周りの配管の振動破損は予防される。ソースは『The Japan Times』。

 さらに、エンジンへ燃料を送り込むホースの素材も、新設計の別な物に取り替えた。設計変更の狙いは、やはり振動を最小限にすること。

 昨年、テキサス州で起きたF-35Bの自動ベイルアウト事故。この原因が、燃料パイプだった。振動で疲労し、その破損箇所から燃料が漏れたのだ。

 次。
 Boyko Nikolov 記者による2023-7-9記事「Unexpected turn: Pakistani JF-17s replace Iraq’s aging F-16 fleet」。
   パキスタンの新聞によると、パキスタン国内でライセンス生産されている中共設計の「JF-17」を、イラク政府が買うことになった。イラク空軍現有の「F-16」を、「JF-17」で更新する。

 以前の報道では、イラクは、原油とバーターで「ラファール」を欲しいと言っていた。その交渉は不調におわったようである。

 ※取得価格だけでなく、維持費がよほど安いのだろう。ミャンマーも「JF-17」を選んでいる。

 公式発表は無い。ルーモアでは、イラクは12機の「ブロック3」を、6億6400万ドルで買う。
 ※1機が5600万ドルしないのか。

 イラク政府は米国からF-16を買った。しかし今のイラク政府は、半ばイランの傀儡のようなものなので、米国がスペアパーツの供給を絞り始めた。それでメンテナンス・コストの負担に堪えられなくなったようだ。

 イラク空軍は、ロシア製の戦闘機も昨年まではオプションに考えていた。しかしロシアの航空産業が軒並み西側の制裁対象となってしまっては、とてもそんなものに手は出せぬ。

 イラク政府は、F-16のパイロットや整備員の育成と保持にも失敗している。その仕事にインセンティヴがないのだ。