GRUとFSBの戦争だ

 RFE/RL’s Russian Service の2023-7-13記事。
   第58混成軍の司令官イワン・ポポフ少将は、最近のザポリッジア戦線も往来しているが、「露軍の前線部隊は底なしに酷い情況にある」と参謀総長のゲラシモフを批判したところ、ショイグによって馘にされたという。

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 ABC News の2023-7-12記事「Retired US general questions alleged Putin, Prigozhin meeting」。
   ABCニュースのリンゼイ・デイヴィス記者が、退役将軍のロバート・エイブラムズにインタビュー。
 エイブラムズは、プリゴジンはとっくに殺されているか収獄されているであろうこと、あの「プーチンとの会談」とやらはフェイクだとの見解を示した。

 プリゴジンが生きているという証拠がまったく表に出てない。ここに注目すべし。
 エイブラムズの個人的直感では、プリゴジンはもう殺されている。
 しかし、もしも生きていたとしたら、身柄は監獄の中だろう。

 ウクライナの国防相は、露兵が毎日400人、戦死し続けていると言っている。
 また戦傷者2に対して死亡1の比率だという。これは現代世界では信じがたい率で、メディカル組織が機能してないことを意味している。
 ちなみに米軍では、戦場での受傷者の98%は、生存する。

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 2023-7-13記事「Otokar showcases the ALPAR unmanned ground vehicle」。
   トルコのメーカーである「オトカル」社。
 このたび、試作品の無人戦闘車をマスコミ公開した。歩兵部隊を火力支援できる。

 「ALPAR」という装軌車で、全重15トン。この重さは、中型輸送機でも空輸できることを狙っている。

 動力はハイブリッドなので、無音で動くこともできる。

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 Max Hunder 記者による2023-7-13記事「Ground vehicles are the new frontier in Ukraine’s drone war」。
  今、ウクライナでもロシアでも、地上用の無人車両の開発と生産が、競争で進められているところである。

 たとえばウクライナの22歳の男。すでに数十台ものリモコン操縦式ロボット車を製造して、ウクライナ軍に供給したという。

 たとえば4輪の電動台車に、対戦車地雷を1発、背負わせたタイプ。台車は、この地雷が1個のみ載るサイズである。タイヤ直径は、子どもの自転車くらいだが、幅があり、ゴツい。

 台車の後端にはポールが立ち、その上にマイクロビデオカメラ。これで前方の風景と、自車の姿勢とを、同時に遠隔でモニターできる。

 1台の製造コストは800ドル強というところだ。

 ゴム履帯タイプも製造されていて、生地においてその走り具合が比較されている。ただしこの履帯パーツは外国からの取り寄せ。その価格はどんどん値上がりしている。世界的に、UGV用のパーツの需給が、逼迫しているのだ。

 ※H・G・ウェルズが雑誌(1903年12月号)に寄稿し、「戦車」を予言したとされる短編小説「The Land Ironclads」は、本邦未訳だと思う。「openlibrary」というウェブサイトに原文がある。ざっとこんな感じ。

 どこの国とは明示しないが、欧州先進大国の2陣営が戦争中。主力は銃剣付きライフル、陣地の機関銃、自転車で移動する歩兵と騎兵で、すでに長期膠着した塹壕戦の様相。歩兵はランタンを携行。陣地にはサーチライトもある。夜明け前、謎の兵器が14台、あらわれる。パーティ料理の皿にかぶせるような金属の蓋の巨大なもの。煉瓦の納屋を小さくしたような図体。動く要塞だ。装甲巡洋艦の陸上版だ。銃眼は側面にしかないから、こっちの塹壕に対して斜めに近づいてきて、直前で真横を向いて一斉射撃してくる。それは小銃なのだが、ハイテク照準器で百発百中。射手はまったく安全な車内に座っていて、間接プリズムで視察して、ボタンを押すだけだ。全長90フィート、高さ10フィート。こちらの幅30フィートの塹壕は越えられまいと思っていたが、時速6マイルで超えてしまう。厚さ12インチのサイドスカートの下に8組の無限軌道(eight pairs of big pedrail)。天板中央に昇降式のカニングタワーがあり、車長は大尉。エンジンは機関士が担当する。都会の事務員を徴兵しても戦争の役に立たないと言ったのは誰だ? 現代は生身の人間の相手を、機械がする時代なのだ。機械を動かすのは都会の事務員だ。勝負はたった数時間でついてしまった。こっちは全員、白旗を上げるしかなかった……。

 ※そこで 無限軌道 のはじまりについてウィキを見た。Continuous track。履帯の実用品は、英国の「ホーンズビー&サンズ社」が1904年にこしらえたという。しかし特許記録の上では1825年に一英国人が、無限軌道の最初の特許をとっているそうだ。その後、各国でいろいろ開発。だからウェルズの語彙にもすでにあったわけだ。

 ※ついでにウィキでホルトについても調べたら、こんな感じ。
   Holt tractor
     ベンジャミン・ホルトがカリフォルニア州で立ち上げた「ホルト製造会社」が製造した無限軌道つきの牽引車。

 さいしょの100両は、1908年から1903年にかけて製造された。

 ロサンゼルスの上水道工事でそれが使われ、会社の評判が確立した。

 第一次世界大戦では、英、仏、米軍が、ホルト牽引車で重砲を引かせた。英軍は8インチどころか、9.2インチ榴弾砲もこれで動かした。

 仏軍の「シュナイダーCA1」「サンシャモン」およびドイツの「A7V」戦車は、いずれもホルトトラクターの構造を利用している。

 軍用のホルトには3タイプがある。
 「ホルト75」は、1913年から製造されていたもの。
 これを米国は、英国のリンカーンに所在する「ラストン&ホーンズビー」社にも現地製造させた。英国内での生産台数は、1924年までに442台であった。

 「ホルト120」は、120馬力モデル。砲兵牽引専用として1914に発注され、1915から量産開始。
 操向のために、車体前端に「1輪」がついている。

 このほかに「ホルト60」というのが1911年からあるのだが、数量は少ない。

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 2023-7-13記事「Babcock will repair British equipment from Ukraine」。
   英国企業「バブコック・インターナショナル」は、英国が宇軍に与えた装備品の保守サービス業務を、英国国防省から受託することになった。会社の公式ウェブサイトによれば。
 修理もしてやる。

 とりあえず12ヵ月の契約。金額は5000万ポンドくらい。

 ※ドイツが戦車修理工場をポーランドの東国境に建てるという話は、ポーランド側との細部交渉が決裂し、ご破算になった。ドイツはウクライナ国内に戦車製造工場を建てる。当面は宇軍用戦車の修理は、ドイツ本国か、リトアニアで実施する。

 ※いま先進各国では、道路上ではなく、その両サイドの草叢に簡易に設置できるユニバーサルな指向性地雷を開発しているのではないかと思う。ウクライナでは、路外は地雷だらけなので、歩兵も車両も皆、警戒して、道路の上ばかりを進退している。だったら、その路側の草叢に地雷を隠して、路上を通りかかる敵を攻撃するようにしたらいいわけだ。対車両用なら磁気信管が可能である。対人用なら赤外線と震動の複合式でいいだろう。これは禁止された対人地雷にはならない。クレイモアと同じだから。

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 Erin Snodgrass 記者による2023-7-13記事「Russia is sending ‘disposable’ soldiers to fight Ukraine high on amphetamines to ensure they ‘still run at machine guns,’ military expert says」。
   英国のシンクタンクが5月に出したリポート。露兵が元気がないので、今年に入ってから、覚醒剤(アンフェタミン)を支給されているという。

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 2023-7-13記事「Come Back Alive Foundation is launching a fundraising campaign for grenade launcher sights」。
    ウクライナ国内で活動する「カムバックアライブ基金」はこのたび、「マーク19 自動擲弾発射機」にとりつける特殊照準装置を調達するための募金を始める。

 この自動擲弾発射機は米国製。口径40ミリ。

 特殊照準器は、「ARMOR」というアプリを入れたタブレットと連動させる。敵を直接視認できない射点(たとえば森林内の塹壕やビルの裏手)から40ミリ擲弾を発射しても、それが正確に敵に当たるという。

 すでにさまざまな天候下で実験してみて、初弾から当たることが確かめられている。
 この照準システムは、「カムバックアライブ基金」が独自に開発した。「マーク19」以外の擲弾発射機や迫撃砲にも使えるであろう。

 これで弾薬の節用となる。