ブルガリアは、8×8APCである「BTR-60」を100両ほど、宇軍にくれてやるという。

 Ellie Cook 記者による2023-7-13記事「Russia Stuffing ‘Antiquated’ Vehicles With Explosives, Most Fail: U.K.」。
    ドネツク方面で露軍が投入しつつある、爆薬数トンを詰め込んだ自爆T-55戦車。
 これは乗員は事前に下車している。

 しかし起爆の仕組みが未熟で、宇軍の陣地に達する前に、みんな、爆発してしまっている。何の効果もなし。
 ロシアは最初、APCに爆薬を積んで宇軍の陣地に向けて無人自走させた。6月中旬にそれは成功したとロシア国防省は宣伝していた。

 英国国防省によると、どうもこの自爆AFVという発想を最初に実行したのはチェチェン組らしい。

 マリンカ方面にはチェチェン部隊がさしむけられている。大言壮語する割にはぜんぜん前進できないので、パフォーミングが必要になったというわけだ。「TikTok-Army」らしく。

 ソ連崩壊後のチェチェン戦争では、こうした自爆戦術は常套手段だったという。

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 2023-7-14記事「Jet drones begin attacking Russia」。
   クルスク地区に7月14日深夜に襲来し、立ち木を擦って墜落したウクライナ軍のドローンが、小型のターボジェットエンジンを搭載していたことが、残骸写真から判明した。

 ジェットエンジンの音が低空を通過したので、住民は、何事かと焦ったという。

 そのエンジンは、台湾製の「Kingtech K-210G」という市販品で、1個3000ドル。

 通販カタログによると、エンジンは重さが1.7kg。推力21kg。燃費は、毎分590グラム。
 ということは、1時間飛行させたくば、28リッターのガソリンを持たせる必要があるわけだ。

 こうした固定翼機は、すくなくも機体全重の30%以上のエンジン推力が必要だといわれている。そこから推定すると、機体は50kgないし60kgだと考えられる。

 たぶんこれは自爆特攻機で、リモコン式ではなくて飛行コースをプリプログラムしてあったのだろう。設定高度が低すぎて、あるいはGPSスプーフィングで高度値を狂わされて、過早に墜落したのだろう。

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 『ポピュラーメカニクス』の2023-7-14記事「It Took Forever, but Ukraine Is Finally Building Its Own Howitzers」。
    西側規格の155ミリ砲弾を発射する車載自走式の長距離砲「2S22」の国産案は2009年に遡る。
 まず工作機械を輸入するところから始める必要があった。
 「Summy」というところで「molot」という名の国産120㎜迫撃砲を製造しているのだが、この砲身用の特殊合金を、国産155ミリ砲身にも使うことにした。

 2020年時点で、まだ開発途中の「2S22」が発射する155ミリ砲弾は、トルコまたはチェコ共和国から輸入するしかなかった。

 ようやく「試射」の段階に到達したのが2021年5月だった。

 2021末に至って、公式の射撃試験。ロケットアシスト弾ではない砲弾の最大レンジが26マイルに達することを確かめている。
 「蛇島」の位置は本土海岸から20マイルなので、射程的には余裕だったわけである。

 西側の同類自走砲についている、デジタルの射撃管制システムと自動装填装置は、未だ無かった。

 2S22は、直近では、2022-12に、戦場写真が報道されている。所属は宇軍の第1特殊作戦旅団。

 クラマトルスクの工場では、量産前試作品の2S22を、あと2両、組み立てていた。そのシャシは「MAZ-6317」を使っている。2016年から18年にかけ、ウクライナは、ベラルーシから320台以上の「MAZ-6317」トラックを輸入している。そのエンジンはロシア製ではなく中国製だと。

 ※スロヴァキア資本も入っているらしいクラマトルスク工場に関する現在までの最も詳細な記事なので、特別な興味がある方は全文を機械翻訳させるとよい。私は、国家総力戦モードに入っているときにわざわざ製造工程数の多い、そしてメンテの手間がかかり、人手を何倍も奪われるにきまっている加農砲などにこだわっているのは、戦争指導として愚劣だと判断するので、このアイテムに興味がないんですよ。しかし2009年から開発させてきたという「いきがかり」があることは記事でよくわかった。その慣性が重過ぎて、いまさら捨てられないのだろう。サンクコストに計上できないのだ。