Matthew Impelli 記者による2023-8-17記事「Why Do Women Have Own Chess Tournaments? Transgender Ban Raises Questions」。
国際チェス協会は、さきごろ、トランスジェンダーの女性を「女子チェス・トーナメント」には参加させないと決定した。それは批判を招いたが、同時に、「そもそもなんでチェスの試合を性別で分けにゃならんの?」という素朴な疑問も浮上させた。
2019年の『WP』紙の統計がある。米国でチェスをプレイする人のうち女性の率は14.6%だという。また、1600人存在するチェスの「グランドマスター」のうち、女性は37人だけだと。
※この協会の至高の目的は「競技者人口を増やすこと」だろう。性別を問わない「オープン」の公式トーナメントだけしか開催しない場合よりも、コーホートの小規模な女子だけの公式トーナメントも用意した方が、ビギナー級の女子プレイヤーとしては面白いので、結果的に競技者人口を増やせる道となる。経済数字的に、まったく合理的だ。同じことをIOCもやっているわけである。そんな中、おそらく近代五輪精神を最高に体現し、経済的合理性などかたくなに排除している奇特な五輪競技が「馬術」なのであろう。競馬のジョッキーが男女混合になってないことから推して、「馬術」の「オープン」主義にも、おそらくは無理があるものと想像できる。それより私が不思議でならないのは、射撃種目。あれこそ男女別はやめたらどうだ? 意味ないだろ。しかも、射撃系の試合を、バイアスロンを除いてすべて混合にしてしまった方が、おそらく競技に関心をもつ者の人口は、増えるだろ? 俺が会長なら、テストマッチでどっちの流儀が経済的に伸びそうか、実験大会を何度か開催するよ。実験精神が、足りませんよ。
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Howard Altman 記者による2023-8-17記事「Ukraine Situation Report: New Details On Russia’s Plans To Build Iranian Drones」。
火曜日の『ワシントンポスト』紙によると、ロシアは2025年夏までに「シャヘド136」を6000機、内製したい意向である。
しかしすでに計画は1ヵ月以上、遅れを見せているという。
工場は、モスクワから500マイル東にある。タタルスタン州。
DCにあるシンクタンク「科学と国際安全保障研究所」によると、いまのところロシアは「シャヘド136」の胴体(全翼)部分だけを国産できる段階で、その累積生産量は300個未満だという。
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Defense Express の2023-8-18記事「russia Wants to Make 6,000 Shahed-136 But Struggles to Replicate the Drone’s Engine」。
ロシアは2025年までに自国内で「シャヘド136」を6000機、製造したい。
ロシアはその生産施設のために20億ドル相当の投資をするつもり。
この事業の総監督には、退役したFSB将校がプーチンから任命されているという。
工場のライン長たちは、全員、パスポートを取り上げられて、国外逃亡できなくされた。
現場では防諜のために「符牒」も使われている。ドローンのことは「ボート」。爆薬のことは「バンパー」。「イラン人」のことは「アイルランド人」とか「ベラルーシ人」と呼び変えることになっている。
イランからすべての部品を輸入して組み立てるノックダウン生産は、月産100機だった。今は、この初期段階がおわり(トータル実績300機。計画では7月末までに600機だったが)、逐次にロシアの国内生産パーツを増やしていこうとしている。
機体をロシアが製造し、エンジンをイランが供給するやり方で、とりあえず月産170機強。それで合計1300機を製造したい。
いよいよその次が、エンジンまでロシアで国産する段階となる。月産226機のペースで4000機を完全国産する計画だという。
ただし、電子基盤などの電装系パーツは、西側製でないとダメなので、今後も、闇市場から手に入れるという。
工場には810人の工員が必要だ。しかしまだその予定人数を集めることができていないという。
『WP』の報道で最も注目されるのは、イランはロシア人に技術移転をしてやる気はない、という話。
工場にやってきているイラン人技師は、機体構造に関するテクニカル・データを所持していないという。その秘密は渡さないつもりなのだ。
また、イランからせっかく空輸されてきた部品は、輸送が乱暴なせいか、開梱してみると25%が破損しているという。
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Kamil Galeev 記者による2023-8-16記事。
精密工作機械は、1991年頃までは、手動であった。
その後、急速に、NC化した。すなわち、職工の手ではなく、コンピュータ・プログラムが「オクリ」を操作する。
NC化した工業圏では、手動で精密工作ができる職人技などは、あっという間に消えた。それは誰にも継承されない。しばらく経ってからまたベテラン職工の手動工作を復活させようとしたって、絶対に無理である。ロシアは、この状態にある。
今日、世界のどの国であれ、NC制御の工作機械なしに、精密兵器は製造できない。絶対にそれは不可能なのである。
北鮮も、ここに関しては、違いはない。つまり西側から経済制裁を受けている立場であるうちは、NC工作機械を輸入できないし、メンテナンス・サービスも受けられないので、西側レベルの精密兵器は製造できないのである。ロシアと同様に。
イランだけは、それを認めようとしていない。NCなしでもやっていけるぞと虚勢を張っている。
西側の工作機械を使わずに製造できる部品といったら、ケーシングとか台座。安物のベアリング。そのくらいだ。
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Thomas Spoehr 記者による2023-8-17記事「It’s Time for a National Security Strategy for Military Recruiting」。
直近の2年間、現役の米陸軍将兵は、48万5000人から、45万2000人に減少した。本年の新兵徴募目標は、年度末において未達となる見通しである。同様、米海軍と米空軍も、今年度は募集目標は達成できないと予想を立てている。
しかるに関係者に危機感はなさげである。議会も騒がない。これは深刻な事態である。
※国軍の二等兵になるのと、量販店の新人店員になるのと、どっちが「気楽」かというレースになっている。米国の量販店の新人店員は、目の前で貧民集団が「窃盗」を堂々と働いているのに、それを何もせずに傍観すべきことが、マニュアルで定められている。どう考えてもそっちが気楽だ。不健全なモラルが勝利を収めつつあるのではないか。
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Defense Express の2023-8-18記事「Ukraine’s Own AWACS Drone Gekata Enters New Development Stage」。
空中で敵機の電波を収集して、それによってミサイル空襲を早期警戒する、中型の無人機をウクライナのメーカーが2021年から開発していたが、今年の末には仕上がるのではないかと。「Gekata」という名称。
「PD-2」という既存のUAVにELINT装備をとりつけたもの。
※改造機であるのにこんなにも時間がかかっているのは、美談ではなく、これまた醜聞。
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2023-8-18記事「Laying down ceremony of the second Ada-class corvette for the Ukrainian Navy」。
トルコの造船所で『アダ』級のコルヴェットが起工。これはウクライナ海軍から受注した2艦目である。
受注1番艦は、2021-9に起工されている。現在も工事中。
ウクライナ国防省とトルコの造船所のあいだで、2艦の建造契約が結ばれたのは、2020-12だった。
※誰もとりあげない話題。今次戦争の初期に宇軍に贈呈された、西側製の対艦ミサイル。いったい、あれらは、今、どこに仕舞い込まれているのだ? まるで役に立っていないじゃないか。ちなみに、オデッサから真南に飛行機が飛ぶと、650km飛んだところでトルコの海岸に達する。鹿屋から650km飛べば沖縄本島よりもさらに南の宮古海峡上だ。
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Sakshi Tiwari 記者による2023-8-18記事「Russia Unveils ‘Microwave Gun’ Mounted On Listva MCV To Combat Ukraine’s Anti-Tank Mines」。
ロシアの国営企業Rostecの子会社である「Ruselectronics」が製作した「Listva」という、リモコン操縦の地雷啓開車。
古い6×6APCのシャシをベースに、マイクロ波指向装置を、天板上に載せている。
車体の前方50m~80mの地面に向けて、平方センチあたり10ワットの信号をぶつけることで、地雷の雷管を発火させてしまう……のかと思ったら、そうではなく、起爆装置に半導体基盤を使っているIEDの電気回路を短絡させ通電させるだけらしい。だったら古い地雷には全く無効ではないか。馬鹿馬鹿しい。
アフガニスタンの最も単純な「踏み板式」のIED信管に対しても、効果は期待できないわけだよ。
しかし露軍が今次戦争でしばしば悩まされている「磁気感応信管」付きの撒布地雷に対しては、天板のパラボラ形送信アンテナは、有効に働いてくれるはずである。これでマイクロ波を狭い地面の一点に集中する。そこに磁気地雷があれば、信管にはマイクロチップが組み入れられているから、内部で短絡が起きるのだ。
※埋設されていたり、泥や雪をかぶっていたり、植生のせいで目視できない状態ならば、マイクロ波を一点集中しようはない。
車体の前方へ低く長く突き出す、四角い金属枠は、インダクション(電磁誘導/静電誘導)の変化を検知する原理の、金属探知機である。16個のインダクション・センサーがついているという。
前路の地中に埋まっている地雷が金属製であれば、これで感知ができる。
※すなわちレーション用の空き缶によって瞞着される。空き缶と、リアルの非磁性地雷をランダムに混在・散在させられたら、お手上げだ。空き缶のすぐ下にリアル地雷(FRP製)、というコンビネーションだってあるのだ。
さらにこの車両からは、携帯電話の電波に似せた無線信号を放射することもできる。携帯電話で起爆コマンドを送るタイプのIEDなら、この強力な偽電波で、過早爆発させてやることができる。