ウクライナ軍情報局のブダノフ少将いわく。ロシアは2024年末までは持たない。これはデータの裏づけがある、と。

 2023-9-10記事「Luch Design Bureau Confirms Deployment of Skif-M ATGM by Ukrainian Armed Forces」。

   ポーランドのKielce市で開催されている「MSOP 2023」に、ウクライナの「Luch」設計局が開発した「Skif-M」という最新版の対戦車ミサイルシステムが出展されている。

 「Luch」は、「UkrObornProm」の下部組織である。
 「Skif」は、「スキタイ人」を呼ぶウクライナ語である。

 もともと2010年代に開発した「Stugna-P」〔これはロシア式名詞〕とか「Stuhna-P」〔これはウクライナ式名詞〕と呼ばれていたものの系統だ。Stuhna川は、ドニプロ河の支流のひとつである。

 原型の誘導装置の「PN-S」は、ベラルーシの「Peleng」設計局との共同開発であった。

 最新版では、機械任せに「射ち放し」にもできるし、最後まで目視&手動で誘導するモードにも切り替えられる。

 最新版では、レーザー・レンジファインダーも付加された。今日、先進国軍隊においては、AFVにはレーザーの被照射を検知する警報センサーが付いていることが多いのだが、今次戦争で判明したことは、ロシア軍AFVにはほとんどこのレーザーセンサーが装置されていないのである。だったら発射タイミングを計るための測距もレーザーですればいいし、誘導もレーザーのセミアクティヴにしたっていいわけである。

 「スキフ」ミサイルは、最長交戦距離が5km、最短交戦距離は100mだ。

 「スキフ-M」のミサイルは、径130ミリと152ミリの2種類が用意されている。
 相手がT-90Aならば、130ミリの方でじゅうぶんだという。しかしもし相手がM1エイブラムズ級だと、152ミリにする必要があるという。ロシアの「コルネット」重対戦車ミサイルと、海外市場を競わなければならないので、このような性能アピールが必要なのだ。

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 2023-9-11記事「UVision Air Awarded Contract to Supply Hero-120 Loitering Munition System to European Country」。
   イスラエルの「UVision」社は、ドイツのラインメタル社と組んで、ロイタリングミュニションの「HERO」シリーズを改善強化しており、これから欧州諸国に売り込む。すでにハンガリー軍には買ってもらった。そしてこのたび、国名は明かされないが最新の「Hero-120」を欧州某国に輸出する商談がまとまった。

 ※1発だけなら、キャニスター兼ラーンチャーのチューブを歩兵が持ち運んで地面から発射することができる。これは「ハーピィ/シャヘド136」級では不可能な芸当。

 ※これにかぎらず、イスラエル製の武器を輸入する国は、その国名もアイテム名も、隠したがることが多い。東南アジアでも同様。アラブ諸国から厭がらせを受けるのではないかと気を回すわけである。

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 RFE/RL’s Kazakh Service の2023-9-8記事「Kazakh Man Sentenced To Life In Prison, Castration For Murder Of Girl」。
   5歳の少女を殺害したカザフ人に対する、カザフスタン法廷の判決。終身刑。と同時に、化学療法によって去勢を施す。