開発成功=抑止、では、少しもないことが、よくわかる。
それらは、カタログのパンフレット上には存在するが、軍隊の駐屯地にも、メーカーの倉庫にも、現物在庫として存在しないのである。
「海外からご注文があれば、製造して納品できます」、と言っていたにすぎなかった。
開戦前の時点で大量に在庫が存在しない兵器では、平和を望んでいない敵による、悪意ある大規模奇襲を、止めることはできない。これはわが国にとっても重い教訓だ。短距離から長距離まですべてのレンジに対応する、それぞれの規格の自爆UAVの枢要コンポーネンツを、数万~数十万個の単位で備蓄しておかなくてどうする? 開戦直後に製造したって、間に合うわけがないのだ。
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2023-10-11記事「Report to Congress on Chinese Naval Modernization」。
米議会に提出された、中共海軍に関する報告書が、公表された。
中共海軍の現代化は、1990年代の半ばに始まった。
米海軍の基準で戦闘用艦艇だと区分される軍艦(それには艦隊用補給艦が含まれ、沿岸用ミサイル警備艇85隻は含まれない)の隻数では、2015年と2020年のあいだのある時点で、米海軍よりも多い340隻となった。
この隻数は、2025年までには400隻となり、2030年には430隻になっているであろう。
対する米海軍の計画はFY2030時点で290隻である。
※PDFに載っているグラフが印象的で、2009年に突如、隻数の増加曲線の勾配が変わった。リーマン・ショックを視て「アメリカはこれで失速する」「いまこそ米海軍を追い抜ける」という、心理的なギア・チェンジがあったことが如実に読み取れる。
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Zachary Cohen Katie Bo Lillis Natasha Bertrand Jeremy Herb 記者による2023-10-11記事「Initial US intelligence suggests Iran was surprised by the Hamas attack on Israel」。
米政府は、今回のハマスの奇襲開戦の指図役はイランではないかと疑って調べたが、どうもそうではないらしいという。
もちろんハマスがイスラエルを攻撃したがっていることはイランは最前から承知之介だが、いつ、どうやるかという話は、ハマスからまったく聞かされていなかった模様。
※敵を欺くにはまず味方から。今回の作戦プランナーは事前にイランには相談せずに開戦を突然に決めた。だからハマスの高級幹部すらおそらく開戦日時を直前くらいに口頭連絡で知らされたので、NSAでも把握しようがなかったのか。残る問題は、だったらけしかけたのはロシアの先棒担ぎなのか、ということ。
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Prakash Nanda 記者による2023-10-12記事「The Dome Is Doomed? Three Reasons Why Israel’s ‘Mighty’ Iron Dome ‘Fell Apart’ To Cheap Hamas Rockets」。
アイアンドームの価値が問われている。
アイアンドームは、発射箱から20発の迎撃ミサイルが飛び出す。そのミサイル1本は5万ドルである。その箱が4つで、1ユニット。その1ユニットで155平方キロメートルの市街地積を防空する。4km以上、70km以下の飛翔をする敵の地対地ロケット弾を、着弾前に都市上空で迎撃できることになっている。
市街でないところに落ちると計算された敵のロケット弾は敢えて無視して迎撃しない(コンピュータが自動判断)。これによって迎撃ミサイルを節用する。
アイアンドームの迎撃ミサイルは、当たらなかったときは高空で自爆するようにできている。下から見ていると、そのすべてが迎撃に成功したように見えるだろうが、爆煙はただの自爆かもしれない。
このシステムを批判した人いわく。これまで誰も、アイアンドームの直撃によって上空で破壊されたと確認できる敵のロケット弾の残骸を見た人がいない、と。つまり、アイアンドームはじっさいにはまったく当たってはおらず、たんにイスラエル国民の心理を宥めるための高価な飾りである可能性があるのだという。
しかし米陸軍が2020年以降、ホワイトサンズ実験場でテストした上で、2022-8にアイアンドームの発射箱×12を購入すると決めているから、まったく当たらぬわけではないだろう。
ある人いわく。従来のヒズボラやハマスのロケット弾砲撃は、同じ射点から10発とか20発が飛んで来るというレベルで済んでいた。が、こんかいのハマスのロケット弾砲撃は、いっせいに5000発近くを撃ち込んでいるので、アイアンドームはシステムとして完全に「飽和」されたはずである。
ハマスの地下工場製のロケット弾は、1発が300ドルから800ドルというところだろう。アイアンドームで禦ぎきれないことは、自明である。
※1発600ドルとして、5000発なら300万ドルか……。
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AFPの2023-10-11記事「Chinese electric vehicle firm WM Motor files for bankruptcy」。
上海の電気自動車メーカー「WM モーター」社(威馬汽車科技集団有限公司)は、破産を申し立てたと声明した。中国の電気自動車市場は世界最大なのだが。
100以上ものEVブランドが乱立しているのと、消費の低迷とが、中国国内メーカーを苦しめている。
WM社は、もちこたえるのではないかと見られていた。インターネット大手の「百度」に加えて、テック大手の「テンセント」も、WMを支援していたからだ。
だが火曜日にWM社がSNSに投稿した声明によれば、同社は近年、経営が難しくなっていた。
新コロも原因の一つに挙げている。
倒産に先立っては、百度傘下の「アポロ」〔自動運転システムの開発集団〕が、WMを買収することによって香港証券取引所に「裏口上場」を果たしたいという相談も進んでいたが、先月、その交渉は不成立に終った。
中国最大のEVメーカーは、シンセン市のBYD(比亜迪汽車)である。マーケット・シェアを増やしつつあり、それに乗じて価格を低くする作戦に出ている。
※ネットで調べると、BYDはもともと燐酸鉄リチウムイオン電池という、独自の安価な電池を携帯電話用に開発して、さらにそれを、箱型ではないブレード状にして車体構造にはめこんでしまうことによってエネルギー密度の低さを補うという新工夫でEV製造にも乗り出した会社で、車内が広いのに電池が安いから車両は安いという無類の強みを発揮しているようだ。近年同社はこの電池を難燃化することにも成功しているというから、誰かこの電池で電動アシスト自転車をこしらえるべきじゃないか? 押して歩く専用の、サドルなしの荷物運搬自転車に、この電池とインホイールモーターを組み込むのだ。安いから誰も盗まないし、倉庫内にしまっておいても爆発の心配は無用。