米国沿岸警備隊も、定員を90%までしか充足させられず、活動に支障が生じている。

 熊問題に興味のある方はすでに、兵頭二十八が Booth に有料公開している『鳥獣から人間を保護する法律が必要だ』は読んでおられることと思う。

 あの中で、スペインでは市街地までやってくる野性熊を排除するために夜間にボランティアグループが「弓」で待ち受け猟をすることが公許されている事例を紹介したのだが、正直、「半矢」になってしまう確率の統計が欲しいと思っていた。

 もし「半矢」率が有意に高いのであれば、麻痺性の専用の矢毒の開発が不可欠だと思っていた。ご承知のように、アイヌが非力な横弓で羆に対抗できていたのは「ぶす」(トリカブト毒)を鏃に塗っていたおかげである。しかし現代の矢毒にもとめられているのは、万一誤って人や他の家畜に刺さった場合でも致命傷にはならないで、大概は回復すると期待できる如き、デザイン麻酔薬だ。

 しかしこのたびの大千軒岳の「人喰いグマを山菜ナイフ一閃、退治できた消防署員」の例から、スペインの矢猟も、至近距離で斜め上から発射している以上、ほぼ必殺なのだと、あらためて得心が行った。

 福島町の事件のあらましを、備忘のためにここに記しておく。2023-10-31に3人連れの消防署員が大千軒岳に登っていたところ、中腹の「休み台」付近で羆が近づいてきた。威嚇してもためらう様子なく、平然と3人連れに肉薄。1人は驚いて谷底に転がり落ち、退場。残る2人対1匹の接近戦になった。1人が山菜取り用のナイフで羆の眼を突こうとしたが逸れて上の眼窩を衝いた手ごたえあり。さらに組討ち状態となり、二撃目で羆の首を真正面から、深々と刺突。さらに2人がかりで蹴るなどしたところ、羆はナイフが首にめりこんだままの姿で離れたものの、なおも、3人が下山する途中までしつこく追尾してきたので、石を投げて追い払う必要があったという。その後、別な20代男性の登山者(10-29に入山したまま連絡がとれず)を捜索していた警察ヘリが、11-2に、「休み台」付近で羆の屍骸を上空から発見。その屍骸にハンターらとともに陸上から接近したところ、その近くで20代男性の死体も発見した。羆の屍骸には首に刺し傷があった。ナイフはすでに脱落し、見当たらず。20代男性の死体は羆によって酷く喰い散らかされていて当初は性別も不明のありさま。この2つの事件の時系列は、次のように説明されている。羆はまず10-29に20代男性を襲って殺し、食い残し部分は保存用として土と草をかけておいた。続いて10-31に消防署員3人組をも喰おうとしたが、こんどは返り討ちに遭う。そして手負いの状態で、保存食のあるところまで戻り、そこで絶命した。動脈が切れていた可能性が高いという。

 報道されていないことで、ひとつ、知りたいことがある。ナイフで思いきり何かを刺すという練習をしたことのない人は、ナイフの柄尻を、確実に小指の根本付近の掌底で包摂するという心得がなく、刺した勢いで手が滑り、己れの白兵で己の指を傷つけてしまうことが、ままある。このヒーロー消防署員氏は、指を切ったという報道がないから、その点は重畳だが、ということは、「鍔」がついた山菜取りナイフだったということ? その形状を是非とも承知したいぞ。これは、みんな知りたいことだと思う。

 余談。日本刀は「はばき元」までご丁寧に鋭い刃がつけられているために、しばしば、慌ててそこを握って自分の手を深くカットしてしまうという始末になりがちだ(たとえば剣術達人だった相沢中佐も)。ではなぜ日本刀の進化の過程で、はばき元の刃は、つぶされなかったのだろう? おそらく、サルやヒトの本能で、長い棒で攻撃されると、咄嗟にその棒を握ろうとするからだ。敵がこっちの刀身のどこを握っても、それをふりほどけるように、はばき元まで、刃をつけておく必要があったのだ。

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 Rishi Sunak 英首相による2023-10-30記事「An indispensable alliance on artificial intelligence」。
   AIは、世界の飢餓を予防できるようになる。
 穀物の不作を回避することや、あらゆる作物を安価に収穫する道をAIが実現してくれる。

 認知症の新治療法や、制癌ワクチン開発も、AIが補助してくれる。

 AIが犯罪に悪用されることをゆるしてはいかん。サイバーアタックや、偽情報、詐欺のためにAIを使わせてはいけないのだ。

 AIがどれほどとんでもないことになりつつあるのかは、それを開発している最前線の人たちがいちばんよく実感している。だから「警報」も、この人たちから出ているのだ。

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 2023-11-1記事「Ukraine Testing AI-Controlled Gun Turret for Trench Warfare」。
   塹壕の上辺から30センチ、ガッチリした三脚によつて小銃を持ち上げ、そこからAIが全自動で判断して敵兵を射撃する試作品が戦場に登場した。
 ウクライナの零細工場製。

 三脚は、深さ80センチの塹壕にまで対応するという。
 AK小銃は、レシーバーの右側面が天を向くように固定してある。

 ※戦果がないものだからこういうくだらないネタをマスコミに流して「がんばってますよ」と宣伝しているところなのだろうが、世界は、こいつらには何かが根本から欠けているともう気が付いた。国家総動員を本気でやってないのだ。国民を遊ばしているのである。宇軍に必要なのは砲弾である。ハマス式のロケット弾の製造工場くらい、西側のカネでいくらでも建設してやれる。ウクライナはそこに「工員」を提供できるはずである。女子と農民は遊んでるんだから。しかし、その努力をしようとしない。やれるはずの努力をしないで、都市では人々が遊んでいて、国家元首が外国に向かい、あれをくれ、これをくれ、と乞食の口上を繰り返すばかりなのだ。このごろでは、《うまくいかないのはF-16がないからだ》と言い始めた。馬鹿ぬかせってんだ。レオパルト2で何が変わったんだよ? 国家総力戦をしているときに輸出向けの「農業」なんかやっている場合なのか? まして今は農閑期だろう。かたやロシアでは逐次に国家総動員体制を整備しつつある。兵器と弾薬の量産体制が、来年には回転しはじめるぞ。

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 Alex Candlin 記者による2023-11-1記事「Ukraine: One-way-attack drones become a ‘step change’ for Russia’s military effectiveness」。
    国防総省がツイッターに公式投稿。過去12ヵ月の露軍の最も効果的な兵器は、「ランセット」である、と。

 弾頭重量3kg、滞空40分可能。片道使用に徹したことが、最善のパフォーマンスをもたらしつつある。

 ランセットのメーカーはZALAグループ。同じメーカーが、軽量偵察無人機の「オルラン10」も製造している。「オルラン10」が上空から戦場全体を俯瞰し、そのビデオを視て人がターゲットを選り分け、そこに「ランセット」を誘導し、戦果確認も「オルラン10」の送信画像によってしている。「オルラン10」は原則、何度も回収して何度も飛ばす。

 ウクライナ軍の装備で、この「オルラン10」に相当しているのは、「OWA」である。

 ※11月1日にどうして道警のヘリはヒグマの屍骸や20代男性登山者の死体を発見できなかったのだろうか? 雨雲がかかっていたからである。11-2は晴れたので、有人ヘリが飛行できたのだ。いったい、今は本当に21世紀だろうか? 最高級の各種センサー付きで12万ドル(1800万円)で調達できてしまう「オルラン10」級の無人機を飛ばすだけで、11月1日のうちに、「休み台」のあたりをウロウロしている羆のIRイメージは得られたはずであった。「オルラン10」のエンジンは当初は日本の某模型飛行機メーカーが提供していた。それと有人ヘリのターボシャフトエンジンと、どっちがメンテ費用が安いのか? 考えるまでもないことだろう。

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 Mike Ball 記者による2023-11-1記事「Second-Generation Drone Propulsion System Delivers Enhanced Reliability & Functionality」。
    ノルウェーにあるアルヴァ工業は、ドローン用の電動モーターを開発し続けている。
 同社の第二世代の新製品は「ALTUS X60」という。

 ノルウェー人はよく言う。「悪い天気なんてものはない。不十分な服装があるだけだ」。

 この精神で、マルチコプターの腕先に載せる小型モーターを、完全防水に仕上げた。外側にはシーリング、内側にも特殊防壁。

 従来、悪天候時でも飛ばせる電動マルチコプターはなかった。この新型モーターは、それを実現する。
 マルチコプターが、真の全天候機に、これからなる。

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 2023-10-31 2023-記事「H-RTK F9P Ultralight GPS」。
   たった21.4グラムのカプセルの中にGPS受信機を構成した。内部にヘリカルアンテナ。
 0.1グラムでも軽くしなければならない、特殊なドローン用に、このパーツは開発された。

 GLONASS、ガリレオ、北斗の信号も同時並行して処理できる。
 QZSS(日本の準天頂衛星システム)、SBAS(静止衛星信号を使った衛星航法補強)にも対応。

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 Joseph Trevithick 記者による2023-11-1記事「Minuteman III Ballistic Missile Self Destructs During Test Launch」。
  「ミニットマン III」の実射訓練が行なわれた。韓国からわざわざオブザーバーが招かれていた。だがこのミサイルは飛翔途中で不具合が起き、リモコンで自爆させられた。

 テストサイロは、ヴァンデンバーグ基地内。

 ※湾岸戦争では、ミサイルの15%は発射直後の不具合で不到達となった。この数値は今もあまり変わらないらしい。そこへ行くと米国SLBMの不具合の少なさは驚異的だ。

 ミニットマンが飛翔の途中で調子が悪くなるのはこれが初めてではない。2021と2018のテストでも同様のことがあった。

 ※米政府はいまさら韓国に核弾頭を持ち込みたくないので、韓国人を宥めにかかっている。しかし韓国が核武装に動けば、よりマシな政策として、米軍の核の再導入をするしかなくなるだろう。下の記事も見るべし。

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 Prakash Nanda 記者による2023-11-2記事「US Could Deploy 180 Nuclear Weapons In South Korea To Check Pyongyang & Assure Seoul」。
    米国のRAND研究所と、韓国のシンクタンク「AIPS」が合同で、韓国内に米軍の核兵器を再導入すべし、と提言している。

 ※韓国情報。北鮮はロシアから宇宙技術供与を餌に示され、砲弾とロケット弾100万発を露軍に提供したと。

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 Svetlana Shkolnikova 記者による2023-11-2記事「 Senate confirms first female leader of Navy, new Air Force top general」。
   米海軍の歴史上、初めて、作戦部長〔陸軍でいうところの参謀総長〕の椅子に女性提督が座る。木曜日に連邦上院は、リサ・フランチェッティ提督(現・作戦次長)の海軍作戦部長就任を95対1の投票で承認した。

 ちなみにたったひとり、反対票を投じたのは、元陸軍大尉でカンザス州選出の上院議員ロジャー・マーシャル(共和党)。