物料傘が自律誘導で味方部隊の上に落下する補給システムを、南部ガザで作戦中の友軍に対し、イスラエル軍が始めて試した。

 2023-12-11記事「How Russians Manufacture “Shaheds” and “Lancets” in Shopping Malls: Exposing the Family of the Chief Constructor」。
   ウクライナ国内でOSINT(オープンソースインテリジェント)をやっている機関「Molfer」が、露軍の「ランセット」の製造実態を暴いた。

 ロシアの無人機工業界のイデオローグの息子が、国連の軍縮機関で働いていることも、彼らはつきとめた。

 ※経営者の家族人脈を含めてZala社とその部品の仕入先外国企業についてまであらいざらい調べた長い記事。こちとら忙しいのでつきあっていられぬ。

 ランセットは2019年に初めて報道された。
 ロシアのTVは、シリアでランセットを飛ばしている動画を2021年に放映した。

 ランセットが、イスラエルの「UVision」社製の固定翼ドローンに似ていることは2021年に指摘された。

 「ランセット1」は、滞空30分、ペイロード(弾頭重量)1kgである。最大40km飛ぶ。

 「ランセット3」は、滞空1時間、ペイロードはマックスで5kg。航続距離は40km~70km。最大スピードは300km/時。

 ロシア人も分かっていることだが、ランセットは図体のわりに航続距離と滞空時間は短い。※十字翼、それも「十字先尾翼+十字主翼」という串形レイアウトの宿命だ。ダイブ時のアジャイリティは確保されるが、巡航中の空気抵抗が大きくなる。

 ザラ・アエロ・グループは「CST社」ともいい、Izhevsk市に工場がある。無人機をてがける。
 2015年からはカラシニコフ・グループが株式の49%を取得。傘下に入れた。

 2022-2-24いらいの今次戦争で西側から経済制裁が発動され、ロシアの諸都市のショッピングモールからは西側ブランドが次々撤退した。その空きテナントや倉庫スペースをZalaは無人機の組み立て工場として利用することにした。増産の必要があったので。

 2023-8に、ザラの主任設計者のザハロフが語っている。コロナでテナントが抜けたモールをランセットの製造ラインにしたと。

 「イタルマス」という、元ホテルであったモールビルだろう。面積は5万平米。

 次。
 2023-12-12記事「Kraken Regiment received AGEMA UGV」。
    ウクライナ軍の特殊部隊は、AGEMAという小型の8×8無人車を受領した。
 このメーカーはミラニオン社といって、UAE内にある。

 車重は602kg。40馬力の内燃機関で駆動する。

 陸上走行の場合、荷物を622kg、載せられる。牽引は544kgまで。
 このUGVはアンフィビアスなので、川を浮航渡河できる。その場合の荷物は330kgまで。

 陸上での最高速度は29km/時。水上は5km/時だ。

 リモコン操縦の他、プリプログラムでも走る。また、分隊の動きに一定の間隔で追躡もしくは先行する半自動追従モードもある。

 じつは2021年にこのUGVを製造する工場をウクライナ国内に建設するという合意ができていたのだが、それはこの戦争で、不可能になっている。

 次。
 Defense Express の2023-12-10記事「Kalashnikov Still Bad at Making Handguns: russian Special Forces Destroy Lebedev Pistol With Critical Review」。
   ウクライナ国内のもうひとつのOSINT団体である「Inform Napalm」が面白いリポートをまとめている。

 ロシア軍の、ある特殊部隊分遣隊の、カラシニコフの最新型拳銃についての不満。これが文書になっている、と。

 MPL=レベデフ・モデュラー・ピストル は、射撃しているうちにバラけてしまう。そして384発撃った後は、まるごと兵器廠へ送り返して、徹底修理してもらう必要がある。

 もともとのアイアンサイトをいじくりまわしたのが裏目に出ている。これで照準すると近弾になってしまう。
 特殊部隊所属の射撃の上手い奴が、距離50mで同じ標的を狙って射撃したら、「グロック17」よりも11cmも低いところに弾着すると判った。

 レベデフ拳銃には、コリメーター照準器(いわゆるレッドドットサイト。ユーザーの眼球の位置が接眼レンズの真後ろにはなくとも、光学サイト内の標的に、光る印が重なって見えるよう、銃を保持するだけで、射弾は当たる仕組みになっている)がついているのだが、サイレンサーのおかげで1発発射するとそのレンズが曇ってしまって、狙いをつけることが不可能になってしまう。

 カラシニコフのマウントは同社だけの独特のものなので、これに西側製のコリメーターをとりつけようと思ったら、アダプターが必要。そしてその螺子は、20発発射すれば、緩んでしまう。

 この拳銃の「バレル・ブッシング」。銃口にネジで嵌っているのだが、そこにサイレンサーをとりつけて160発発射すると、サイレンサーとブッシングは固着し、徐々に螺子がゆるむ方向に一緒に廻り始めるという。

 2021年時点でこの拳銃には、「エジェクター」が空薬莢と一緒にすっとんで行ってしまうという欠陥があったのだが、「エジェクター」を熔接固定してしまうことによって、カラシニコフ社はその問題を解決した。その代わり、手入れをするときにエジェクターは外せなくなった。

 セフティレバーはノッチが甘すぎ、うっかり知らぬ間に動かしてしまう危険がある。分解した拳銃をセフティレバーなしで再結合することも可能だという。

 分解・組み立てには「特殊な専用工具」と特殊技能が必要で、これは軍用銃としての致命的な欠点だ。細かい部品も多いので、明るい室内でなくば、分解手入れは推奨されない。

 そこで、ユーザーの隊員は、この拳銃を384発発射したら、補給廠へ拳銃をまるごと送り返して、そこで専門の武器係に手入れをしてもらうように、マニュアルによって指導されている。