『MILITARNYI』の2023-12-23記事「Japan plans to supply artillery ammunition to the United Kingdom」。
『FT』紙の特だね。日本政府は英国向けに、155㎜榴弾の弾薬を輸出する。
並行して、英国政府は、自国内の弾薬庫から155ミリ砲弾をウクライナへ搬出する。
陸自の「99式装軌SP」「19式装輪式自走十五榴」「牽引野砲FH-70」が使用している砲弾は、英国設計の「L15A1」というタマなのである。この砲弾(の部品)を、日本国内の24のメーカーが、製造している。
次。
ストラテジーペイジの2023-12-22記事。
ロシアの2013年の国防予算は880億ドルだった。2020年には610億ドル。2022年には860億ドルである。
※2014の侵略は「石油とガスで景気がいいから、ついでに侵略したれや!」だった。2022の侵略も、「やっと景気がよくなってきたから、また侵略したれっ!」という同じパターンなのであろう。したがって対露の経済制裁は、緩めてはならず、むしろ、逐年、強化することが大事なのだと、西側は、近過去の歴史から学ぶことができるはずだ。とりあえずロシア製の海産物は禁輸品指定するべきじゃないのか。漁業協定などもってのほかだろう。
米国は、2022-9-11事件以後、イラクやアフガンでの軍事作戦のために、1兆ドルを使った。
では1941-12-7の真珠湾事件後のWWII戦費はどのくらいだったのだろう?
今のドル価値に換算すれば、4兆ドルを超えていたと考えられる。そしてそれは、WWII中の米国のGDPの33%であったと考えられる。
WWII中のソ連は、GDPの半分以上を戦費に使った。しかも、その後の冷戦でも、GDPの20%以上を軍事費に投じ続けた。 ※民生が諸事貧乏ったらしくなるわけである。
「テロとの戦い」で米国政府が投じた軍事費は大きいようでも、GDPそのものがもっと成長しているから、GDPに占めたその割合は1%でしかなかった。ある意味、はした金だったのだ。
ここからは、意外な総括ができる。戦争はますますカネがかかるように庶民は印象するが、大蔵省的には、じつは、戦争は、ますます安価になっているのだ。
※WWII中の南方戦線では日本軍は、傷病兵のジャングル内への大量置き去り・見殺しというスキャンダラスな作戦指導をしたものだが、これには戦後、誰も考えてもみなかった経済効果があった。戦後の日本政府は、傷痍軍人に対する厚生財源で、あまり苦しんでいないのだ。もし、1人の傷病兵もジャングル内や北満に置き去りにすることなく、全員が日本に復員していたら、終戦直後の日本経済は、どうなっていただろうか?
※録画していたNHKの「やなせたかし」追悼特集を視て、私は察することができた。S20の中支戦線で劣悪な給養が続き、かつて酒保で間食用に兵隊向けに売られていた「あんぱん」が、白日夢として虚空から飛来するように見えたのに違いない。戦友の顔までが「あんぱん」に見え、それにかぶりつきたいという渇望をおぼえたのだろう。『戦史叢書 南太平洋陸軍作戦 <2> ガダルカナル・ブナ作戦』には、こんな史料が引かれている。S17-10-27~の歩29Rnの某中隊長の日記だ。27日。約三日、食べていないことで、歩くことさへ不能。坂道でフラフラしてダメ。一日、耳掻き1杯の塩と、てのひらに1つの粥。10-29、朝食は茶碗に半量。太陽が出ても、身体が動かない。10-31、焼きそば、てんぷら、うどんが、頭の中で一杯だ。考えまいと想っても、他のことが浮かんでこない。……この現象が、やなせ氏にも起きたのだろう。日記の中隊長氏は、将校になって以来、酒保であんぱんなど買う地位ではなく、常に夜食を路上の屋台の麺類とするパターンだったのかも……。
次。
Sakshi Tiwari 記者による2023-12-22記事「With 50% Occupancy, Ukraine Has Enough Leopard-2 Tanks But Not Enough Tankmen」。
ドイツのTV局「ヴェルト」が、独国内の戦車基地で稽古をつけてやっているウクライナ兵を報道した。それを視たTASSの記者が、「これは人が足りてねぇな……」と見破った。
テレビに映った2倍くらいの戦車兵/戦車整備兵が、現に教育を受けていなくては、西欧がくれてやったレオ2/レオ1を動かすこともできないはずなのに、ぜんぜんその将兵が少ない。
※西側製の戦車を大量に貰えば、後方支援や、その受け入れとメンテナンス折衝を事務管理する上級官衙の業務も膨れ上がり、1台につき数十人~百数十人の有為の人材が、それだけのために最前線から吸い取られてしまう。そんなこともあらかじめわかってない「小学生」レベルの戦争指導部が、いまさらに、「現実」をつきつけられている。こうなったら短期戦は諦め、自業自得で長期戦争とつきあうしかないだろう。ゼレンスキー・レベルの指導者しか持てないのも、その国民の責任でしかありえないのである。
次。
Alex Knapp 記者による2023-12-18記事「Coal Use May Have Peaked In 2023」。
IEAが先週、発表した。世界の石炭需要が今年、史上最大を記録したと。
中国とインドが石炭消費増を牽引した。
しかしIEAの予想では、来年は、世界の石炭需要は今年よりも減る。すなわち、今年が、人類の石炭消費の歴史的なピークと言えるのではないかと。
※サンケイのWebニュースを見ていたら九州大学附属図書館付設記録資料館の三輪宗弘教授の写真が載っていて、懐かしさを覚えました。私が某大学院への進学試験を受ける前の数ヵ月間、田園調布の下宿にて、数学を個人教授していただいた、大恩ある方です。その後、国会図書館の食堂でバッタリ出遭った折には、今ほどお痩せではなかったように思います。末永い御健筆を祈り上げます。
次。
Kris Osborn 記者による2023-12-18記事「How Did a US Navy Warship Destroy a Houth-Fired 14-Drone Attack Swarm?」。
セントコム発表によれば、12-16の現地時刻の早朝、アーレイバーク級のイージス艦『USS CARNEY (DDG 64)』が、単艦にて、14機のフーシの無人機と交戦し、すべて叩き落とした。場所は紅海。
出力60キロワットの「HELIOS」レーザー銃も使われたらしい。
※詳報を待ちたい。