Simon Mansfield 記者による2023-12-27記事「World’s first Gen 4 nuclear plant marks a new era in nuclear technology」。
ペブルベッド・モジュールという新形態の核燃料を用いる高温ガス冷却炉(HTGR-PM)が商業運転を開始した。場所は山東半島の東端にある「栄成」。
高温ガス冷却炉は、原発の「第四世代」と称されるもので、さいしょから「暴走」のありえないシステム構成なので安全だと強調される。
発熱する核燃料球を敷き詰めた床から熱を受け取ってタービンを回すのは、高圧のヘリウムガスである。
コンセプト通りならば、万一、冷却ガスが全喪失したとしても、メルトダウンは起こらない。
※とても気になるのは、この燃料丸がどんな扱われ方を何年しても物理的に壊れたりヒビ入ったりしませんと保証するデータを数年で調えたんですか、ということ。日本ならありえない。
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The Maritime Executive の2023-12-28記事「Greek Bulker Hits Mine off Ukraine Injuring Captain and Crewmember」。
ギリシャの船会社が保有する ばら積み貨物船『Vyssos』号。穀物を積み取ろうと黒海沿いのウクライナの港へ向かっていたら、触雷した。水曜日のこと。その水柱がまだおちつく前に撮影された貴重な写真が公表されている。
※浅い海域のようだが、沈底機雷だったのか、繋維機雷だったのか、浮遊機雷だったのか、情報が無い。
この衝撃で船長と、エジプト人のコックの計2名が負傷した。コックは頭部裂傷。
フネは2007年建造で、船籍登録はパナマになっている。8758dwtと、小型。全長112m。
ルーマニアのSulina港を出て、ドナウ河河口のウクライナの港をめざしていた。
機雷は船尾近くで爆発し、船内は停電し、操舵不能になり、上甲板では火災が発生した。
触雷地点はウクライナのChornomorskの80マイル南東という。
船長は、漂流&浸水沈没を避けるため、行き脚の惰性が残っているうちにフネを意図的に浅瀬へ寄せて座礁させたという未確認情報もあり。今はタグボートがついている。
貨物船に乗っていた人数は18人で、そのうち3人はウクライナ国籍、2人はトルコ国籍、13人はエジプト人。
※ウクライナ政府は、70ノット弱で走る新型無人特攻艇「コサック・ママイ」を既に黒海で使っていると公表した。その画像は月曜日に初めてTVで伝えられた。
※2023-1-1時点で得られるロシアの人口統計。総人口は2021年時点で1億47082123人。出生率は2022調査で1.42。男子平均寿命は65.51歳(2021年推計)。
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Motoneige の2022-11-25記事「Electric snowmobiles 101」。
※昨年の記事です。
世界初の電動スノーモビルはカナダのケベック州で製造された。
そのタイガ社の新製品「TS3」の予約販売が開始された。
回生ブレーキがついている。
全力ブレーキの40%よりも弱い力でブレーキがかけられたときに、回生ブレーキが作動する。
搭載のリチウムイオン電池は、モデルにより、21kWhから28kWhまで、容量がある。
満充電には、最速のステーション設備で、20分かかる。ふつうのEV給電所ならば、2時間。家庭用電灯線を使うなら、10時間はたっぷりかかる。
タイガ・モータースいわく。とても気温が低い日でも、それによってバッテリーは5%以上は弱らない、と。
満充電での走行可能距離は、100kmから140kmである。
これがガソリンエンジンのスノーモビルならば、満タンクで300kmは軽く行く。
最高速力は、タイガは110km/時、ガソリンエンジンのスノーモビルは120km/時というところ。しかしケベック州では時速70kmまでしか許していないので、関係ないといえる。
タイガの牽引力は510kg。
トルクはものすごく、100km/時まで3秒で加速する。ガソリンエンジンなら4秒から6秒はかかるものだ。
寒い朝の始動は、電動スノーモビルは、手間がかかる。もし外気温がマイナス摂氏30度だったなら、バッテリーの余熱に6分間を必要とする。ガソリンエンジンであれば、暖気は1分間でいい。
内燃機関のスノーモビルは、騒音苦情が多い。電動式だとその問題は回避できる。
電動式スノーモビルは、重い。タイガの場合、全重500ポンド。2ストローク・エンジン搭載のスノーモビルなら420ポンドが相場だ。
電動スノーモビルの基本モデルは単価2万ドル。高い。
ケベック州においては、スノーモビルは市街地では30km/時以下で走らねばならない。
ヘルメット着用義務もあり。
また、100万ドル以上の自賠責保険にも入っていないと、それだけで罰金刑の対象になる。
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Devon O’Neil 記者による2021-12-30記事「Can Snowmobiling Really Go Electric?」。
※さらに古い記事です。
遊び目的のスノーモビル、ジェットスキー、ATVの市場規模は、400億ドルである。
世界市場を支配しているメーカーはカナダのBRP社である。スノーモビルの「スキー・ドゥー」シリーズと、ジェットスキーの「シー・ドゥー」シリーズは、毎年18億ドルを売り上げている。
同社は3月に公表した。これから5年をかけて、これらの排気ガスを出す主力製品群を、電動化すると。
BRP社に次ぐ大手企業は、ミネソタに本社があるポラリス社だ。同社も電動パワートレインの部品メーカーの「ゼロ・モーターサイクルズ」社と2020年にパートナー関係を築いて、2025年までに製品群の電動化を目指すという。
あるインタビュー記事の中でポラリス社CEOのスコット・ワインは語っている。スノーモビルを電動化するぐらいありえない発想はないと、かつては思っていたんだ、と。
世界初のスノーモビルは1935年に製造された。エンジンの騒音は酷いものであったが、パワーのためにそれは忍ぶべきだと考えられた。あくまで実用輸送機械であって、レジャービークルではなかったからだ。
レジャー用のスノーモビルは、1960年代は400ドル未満で買えた。今は1万5000ドルしており、もっと高くなる趨勢にある。世界市場では毎年12万台のスノーモビルが売れている。そのうち北米が9万4000台だ。
2サイクル・エンジン搭載のスノーモビルは、自動車の105倍の一酸化炭素を排出してしまう。
窒素酸化物と炭化水素の類を、スノーモビルの2サイクル・エンジンは、自動車の843倍も出してしまうのだが、それが政府から許認されている。タイガ社の共同創設者兼CEOであるサム・ブルノーは、こんなものの量産が許されていることじたい驚くべきことじゃないかと言う。
スノーモビルとジェットスキーには、自動車で義務付けられているような、排ガスを清浄化するための触媒コンバーターは、取り付けなくてもいいのである。
サイドバイサイド(汎用軽機動車)には触媒コンバーターはついているが、それでも一般の自動車よりも多くの大気汚染物質が排気ガスに混じる。
ブルノーいわく。2ストと4ストの中間的な汚染をするスノーモビルの内燃機関を、電動に換えたとすると、それだけで、なんと40台のエンジン式の自動車を廃車にしたのと同じくらいの、大気清浄化効果がある。
ブルーノーと共同創業者の2人の仲間は、同じモントリオール市にあるマクギル大学の工学系の同窓生。いきなり重さ400ポンドの加速性の高い電動自動車を、遊びで作り上げた。しかし積雪期は走らせられない。そこでパワートレインをスノーモビルに移植してみた。
当時、環境にやさしい機械を製作した学生に賞金をくれるコンペがあった。彼らは2013年と14年に「ゼロエミッション」部門で優勝した。そして気付いた。未だ、どこの商業メーカーも、電動スノーモビルを市販していないという事実に。
そこで3人はこんどはマクギル大の「スタートアップ・コンテスト」にエントリーした。みごと、地元の実業家たちから評価され、起業を手伝ってもらえることになった。
2015年、卒業した3人は、テスラやフォード社からの誘いを断り、3Dプリンターを下町のアパートに据えつけて、じぶんたちの「タイガ」社を設立した。
商品化を狙った最初の試作品は2017年の前半に仕上がった。
いくつか課題が発見され、その解決に1年半をかけた。それがどんな問題で、どんな解決であったのかは、まさしく「企業秘密」で、語ることはできない。
電動自動車は、電池だけで重さが1200ポンドもある。しかし電動スノーモビルは、極力、自重を軽くまとめなくてはいけない。極寒の森林内で吹き溜まり中にスタックして、凍えながら高電圧回路の修理をするなどという危険を乗り手に強いるようでは、レジャー用商品として失格なのである。
タイガ社は、3種類のラインナップを用意した。
ユーティリティ用途の「ノマド」。
バックカントリー用途の「エッコ」。
そのクロスオーバーである「アトラス」。
3種の平均自重は550ポンドに圧縮された。これでもまだ2ストロークエンジン搭載車より重い。
強みは、180馬力の出力を、どれほど標高の高いところでも、発揮できることだ。2ストエンジン車は、大気圧が低くなると、パワーが3割も低下してしまう。電動なら、その現象に悩まずに済む。
ちなみに2スト・スノーモビルの普及型は、海抜ゼロメートルにて、165馬力というところ。
30分間充電しても95マイルしか走ってくれないというスペックに、ユーザーは満足しないかもしれない。しかしほとんどのスノーモビルユーザーは、1日に95マイルも走ることはない。
タイガのシリーズは、内燃機関搭載の市販品よりも、単価が3000ドルから4000ドル、割高である。
しかしブルーノーいわく。2年間使うことで、その差額は回収できる。オフシーズンに向けた徹底メンテナンスの面倒な仕事をまぬがれることと、ガソリンを買わなくてもよいので。
BRP社は、モントリオール市から東へ75マイルのところに本社ビルがある。同社が世界のスノーモビルの半数以上を売り捌いている。
BRP社は、タイガ社に3億ドルを投資することに決めた。タイガ社が6年間開発してきた電動技術には、その価値があるのだ。
BRP社は、技師850人と、4500のディーラーネットワークを世界に張っている。
BRP社長の予言。スノーモビル人口は400万人。そのうち1~2割は、2030年までに、電動スノーモビルに乗っているであろう。
アスファルトのドラグレース場でテスラのP85Dを加速させても、タイガの電動スノーモビルには勝てないという。これは7回実験して、確かなこと。
タイガ社は、年内に、電動ジェットスキーも発売したい。また、電動のサイドバイサイド(4輪ATV)は2022年に売り出したい。これらは、スノーモビルの電動化よりも、はるかに技術的なチャレンジとしては簡単なのだという。
目論見では、2025年には年に6万台の電動ヴィークルを量産したい。そのうち1万5000台はスノーモビル。1万7000台はジェットスキー。2万4000台は、サイドバイサイド。
※タイガ社のHPを見ると、すでに電動ジェットスキー「オルカ」が売り出されている。連続2時間走ることができ、160馬力。
※どんな大企業も手を出すはずがないと確信するので、ここで提言しておく。電動ジェットスキーと電動スノーモビルを1台で兼用する、民間用の「水陸両用」ビークルは、意欲的なベンチャーならば、試作可能なはずである。そのためには高速性を犠牲にすることだ。車体の前端にmonotrackの履帯1条。車体の後端にはバルーンタイヤの単輪ホイール。操向は、この後輪の首を振って舵とし、また推進パドルともする。1年の約半分を乾燥倉庫内で保管しなければならないという従来のジェットスキーやスノーモビルの一大ディスアドバンテージを、周年使えるアセットにすることによって、解消するのだ。