直立不動尊。

 Natalia Direyeva 記者による記事「Iran receives ‘smart’ missiles with range of over 1,000 km」。
    イラン海軍の司令官 Shahram Irani が公言。「Talaeiyeh」という、レンジ1000kmの巡航ミサイルを手にしているぞと。それは飛翔途中に目標を再設定できるんだぞ、と。

 それとは別に、海上発射式の巡航ミサイルもあるぞと言っていることから、「Talaeiyeh」は、陸地のトラックから発射するのかもしれん。

 ※ターボジェットは高いところ飛べばレンジは伸びるし、低いところを飛べばレンジは縮む。高ければ探知される。カタログスペックが当てにならない。

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 Boyko Nikolov 記者による2023-10-29記事「Patriot, Iris-T, NASAMS failed: Not a single Kh-22 missile downed」。
    ウクライナ空軍の広報官いわく。「Kh-22」ミサイルをまったく迎撃できなかった。西側のSAMでもだめだった。
 「Kh-22」は、最初は抛物線を描き、後半で時速4000km。この巡航ミサイルを露軍は300発以上、配備しているはず。

 「Kh-32」はその改善型である。

 「Kh-22」はNATOで「キッチン」と呼んでいるものである。ツマンスキーの液燃ロケットが動力なので速いのもあたりまえだ。燃料はTG-02とIRFNA=赤い煙が出ないように抑制してある酸化窒素。

 ツポレフ95が高空から放てば、いったん高度27000mまで上昇し、そこからダイブするので、マッハ4.6になり、レンジは600kmに届く。
 低空から放てば、12000mまで上昇し、続くダイブ角度が緩降下になるので速度はマッハ3.5くらいに抑制される。

 誘導は内臓ジャイロと高度計だけ。まったく対都市用。

 ※「Kh-101」は飛翔中に赤外線フレアを放出する仕様に変わったことが、墜落機の残骸と、地上からの動画により、判明した。フレアを仕込んだ巡航ミサイルは、これが世界初だろう。

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 Gawon Bae 記者による2023-12-29記事「South Korea’s military has a new enemy: Population math」。
    韓国軍の現役兵力を今のまま維持しようと思ったら、毎年20万人の徴兵が必要である。
 しかし2022年の新生児は25万人未満であった。

 そのうち半分が女子だとしよう。
 20年後に徴兵できる男子は12万5000人しかいない、と概算できる。

 韓国では女子は徴兵しない。今、女性志願兵は韓国軍内に3.6%いる。

 新生児数も今から予測されている。2025年には22万人。2072年には16万人に減るという。

 徴兵の任期は18ヶ月から21ヶ月。それを満了して除隊すると、その後8年間は、予備役に登録される。

 その8年間が了った後、さらに40歳に達するまでの間は、毎年、市民防衛訓練に参加しなくてはならない。

 現況、韓国には、予備役兵は310万人いる。
 予備役兵の訓練召集は年に1回。2泊3日で、戦技をブラッシュアップする。

 人口減の未来に対処するには、イスラエル軍のように、4割を女子にするしかないかもしれない。
 しかし韓国文化がそれに反対する。

 出生率予測は恐怖である。2025年には、0.65に落ちるだろうという。

 ※ウクライナはこれまで、レンジを250kmに圧縮されていた「ストームシャドウ」しか受け取っていなかったが、供給者の英仏どちらかがそのレンジ規制を撤廃し、560km飛ばせるタイプを供給したので、露軍の黒海艦隊は不意打ちを喰らったのだという。

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 2023-12-30記事「Miniature Marvels: Wireless Millirobots Successfully Navigate Arteries」。
   オランダの大学で、患者の血管内をワイヤレスで自走する微少ロボットが開発された。ネジのような姿をしていて、体外からマグネットの磁力を受けると旋転して前進する。

 磁場をつくりだす装置にX線照射機を使うことにより、非常に精密にロボットを血管内で操舵させることができる。

 ロボットは、径1ミリ、長さ1ミリの螺子形。
 この形状により、血栓を貫通できる。

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 今年のパースペクティヴの収穫。

 まさか習近平が東條英機を学習する日が来るとは思わなかった。「一帯一路」とはまったく「大東亜共栄圏」なのである。米国シンクタンクもそこを掴んでいるというところがまたすごい。おいおい話そう。とにかく「一路」には意味はなかったのだ。「スタン国家」ですら中共の思い通りにはならぬ。なぜならロシアのほうが「スタン国家」へは強力に工作することができる。中央アジアでは北京はどうしてもロシアの介入を排除できないからだ。それでも敢えて掲げておくのは、シナ人のレトリックとして「対聯」にしないと格好がつかないからにすぎない。内心ではとっくに「一帯」だけが頼みだ。マハン流だ。そして「一帯」には希望があるのだ。有史いらい、東南アジア全域を「制覇」できた権力者として、東條英機が光っているからである。習はそのひそみにならう。東條は何によって東南アジアを支配できたか? 対英米の海軍力である。だから内陸砂漠開発などほったらかしで、沿岸部から東の海上へ突出することだけに集中した。大都市が沿岸にすでに無数にできているということは、作戦補給点のインフラ整備を何もしなくていいということ。何もない砂漠を陸軍が西へ進むより、ずっと利巧だ。それで薫軍が任用された。海軍力により東條式に東南アジアを攻略し、東南アジアに「井上成美式航空基地群」を建設し、アフリカから迂回的に北上して、全ユーラシアを席捲する。これでマッキンダー流の対米対決地盤は完整される。それに対して米軍はどう対抗するか。彼らは「ガダルカナル」を研究した。あれだけ戦意満々だった日本の大本営はなぜガ島から占領軍を引き退がらせる気になったか? 米軍が日本の輸送船を徹底的に沈めまくったからだ。同じ手は中共にも通じるだろうというので、数千発のオーダーで対艦ミサイルを蓄積することに決めた。これがそっくり日本の2022-12-16閣議決定の安保三文書にも反映されている。ところが米国内では高性能な空対艦ミサイルのマスプロに必要なサプライチェーンがとても細い。そこで、安価な自爆特攻型無人機を万単位で量産することに……。これがレプリケーター・イニシアチブ。沈める対象は、遠洋漁船6500隻。「Ro-Ro」船100隻。軍艦400隻。高速コンテナとタンカーとばら積み船と客船、数千隻。このうち、レーダー連動のまともな対空戦闘ができそうなのは数十隻。その数十隻に対しては、各艦あたり11発以上の対艦ミサイルを配当し、同時異方向から集中する。