ロシアのオリヨールの石油貯蔵所にドローン・アタック。燃えている。9日の報道。

 Joseph Trevithick 記者による2024-1-8記事「Water-Filled Missiles, Silo Problems Behind China Purge」。
   『ブルームバーグ』のすっぱぬきには、ディテールが無い。

 しかし、燃料の代わりに水を入れて訓練をごまかせるような構造の液燃式ICBMといったら、数のすくない「東風5」か、「東風4」(陸上機動式で2010年代後半にすくなくも1個大隊残存)に限られる。専門家によると、これらは退役プロセスにすでに入っているはずだという。

 他方、サイロの蓋がいまさら問題になるとしたら、それは、近年あたらしく急設したICBM基地であろう。

 想像するに、真の液燃は有毒で腐食性で爆発性であるから、注入訓練が危険である。そこで、真燃料の代りに水を使って注入訓練(本番でも注入には30分から60分もかかる)をしていたが、慣れるにしたがい、訓練後のその排出が不十分となり、配管やロケットタンク内に水が残っていたり、錆びていることが、抜き打ちのインスペクションでバレてしまったのだろう。もちろんそんなものは本番ではちゃんと飛んではくれない。

 ブースターではなく、MIRVの制御用の推進剤が、水になっていたんじゃないかという推理をしている人もいる。それは、アットマーク LIM49Spartan の名で、「X」に投稿されている。

 また、本番時にブースターに注入すべき真燃料の平時貯蔵タンクに、真燃料がはいっておらず、いつのまにか水と置き換わっていたのじゃないか、という想像も可能だ。

 ブルームバーグはしかし、問題の液燃がICBM用だとはひとことも書いてない。だから、中共軍が300発以上持っている、巡航ミサイルのジェット燃料が水と入れ替わっていたということもあり得るだろう。これはシンクタンクのCSISの中の人が指摘している。

 付表。中共の火箭軍の陣容。ICBM(レンジ5500km以上)は、ラーンチャーが500、ミサイルが350。IRBM(レンジ3000~5500km)は、ラーンチャーが250、ミサイルが500。MRBM(レンジ1000~3000km)は、ラーンチャーが300、ミサイルが1000。SRBM(レンジ300~1000km)は、ラーンチャーが200、ミサイルが1000。GLCM(レンジ1500km以下)は、ラーンチャーが150、ミサイルが300。これは米DODの推計値。

 付表。2021-1-1時点で米軍情報局が見積もった、中共海軍の対空ミサイル等の最大レンジ。艦対空の「紅旗9」は150km。艦対空の「SA-N-20」は200km。地上機動型の戦略防空ミサイルは、レンジ200km。これは台湾対岸の本土海岸に点々と並ぶはず。対艦巡航ミサイル「YJ-62」の地上発射型はレンジ400km。SRBMのCSS-6/-7/-11はレンジ850km以上だろう、と。

 ※8日報道。中共の国営石油会社、CNPCのジェネラルマネジャーだった男が、逮捕された。汚職の嫌疑で。

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 Ashish Dangwal 記者による2024-1-9記事「China Can ‘Sneak Into’ US, Indian Military Radars With Revolutionary Tech To Locate, Track Vessels」。
   中国語の雑誌『Radio Science and Technology』の12月20日刊行号に、興味深い記事が出ている。
 煙台大学と、中共海軍の合同研究。

 港町のビルの屋上の受信アンテナに、廉価なラップトップと解析装置をつなぐだけで、距離20km以内のすべての艦船の動いて行く方位と速度を、その艦船じしんが発しているレーダー電波が海面で反射する、その変化を解析することによって、追いかけることができるという。

 チープな沿岸用のパッシブ・レーダーというわけだ。ただし、相手船がレーダー波をまったく出していなければ、使えないのだが。

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 2024-1-9 記事「Russians increase the range and stability of FPV drones」。
   ロシア人が貧乏ながらも巧みな工夫を実用化してきた。小型クォッドコプターを「リモコン電波中継機」に改造したものだ。これは2023-8の「陸軍2023」というロシアの兵器展示会に出典されていた。

 3Dプリンター製の2枚の板状アンテナを、スターウォーズの戦闘機のように張り出させている。この重さを支えるためにローター軸を2個増設。ヘクサコプターにしている。商品名は「Upyr」。

 こいつを攻撃ドローンといっしょに飛ばしてやれば、地上からのFPVリモコン距離が倍増する。

 「Tai-Saw テクノロジー」という外国メーカーのチップを使うことで、敵のEWにはわずらわされない。これは電波の受信フィルターである。

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 Joseph Trevithick記者による2024-1-8記事「Russia May Have Started Using Jet-Powered Shahed Drones In Ukraine」。
   イランはシャヘドシリーズの最新版として、ジェットエンジンをとりつけた「シャヘド238」を製造している。これを露軍が既に使い始めた。残骸が回収されている。

 ターボジェットは「Tolur-10」というエンジンのようだ。チェコの「PBSアエロスペース」製の「TJ100」のマルパクである。このエンジンは「ミニ・ターボジェット 896」とも呼ばれる。

 イランが、米国のRQ-170の残骸(2011墜落)をコピーした「シャヘド191」のエンジンも、これらしい。

 ※SNSに「薪か、おがくずを固化したペレット燃料を、寄付してくれ」という切実な投稿が、露空軍の Mellerovo 飛行場の整備兵から、なされている。とにかく大量に必要なんだ、と。バッテリー(電池)が死んでいる。カネの無心ではないぞ。カネなんか一銭も要らない。バッテリーを温めるのに「薪」が不可欠なのだ。石炭ではダメなんだ。廃材木でもいい。

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 The Maritime Executive の2024-1-8記事「Help Wanted: Royal Navy Uses LinkedIn to Find New Head of Nuclear Subs」。
   英海軍の原潜艦隊が、司令官を公募している。SNSのLinkedInで宣伝を打っている。
 狙っている層は、海軍大佐で退役した人々。年俸は19万ドルほど、出す。

 採用されればいきなり2階級上の「提督」の仕事を、させる。有事に水爆弾頭搭載のトライデントSLBMをロシアに向けて発射する艦隊である。それほど人手が足りていない。

 英海軍のSSBNは、4隻。他にSSNが6隻。そのメンテナンス計画も、艦隊司令官の仕事のうちだ。

 ※スウェーデンがラトビアに陸軍部隊を常駐させる。9日報道。