英陸軍空挺部隊がそのL85A3小銃に、対ドローン狙撃を可能にする「SMASH X4」照準具を取り付け始めた。

 Joseph Trevithick 記者による2024-3-5記事「British Army Paratroopers Get Computerized Rifle Sights To Shoot Down Drones」。
    スマートシューター社製。とりあえず225個買った。今後また追加される。

 以前の同社の照準具は、スコープサイトが等倍であったが、新製品は4倍にできる。

 このサイトで射撃したい空中物体をマークして追い続けると、見越し射撃のためには銃身をどこへ指向しなければならないかが、画像内にガイダンスされる。射手があらかじめ引金を引いておいてからそのガイダンスに従うと、当たるタイミングで自動的にマシーンが撃針を前進させて、タマが飛び出す。

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 Sam Skove 記者による2024-3-5記事「With an eye on Ukraine, Army revamps training to reflect modern war」。
    JRTCとは、「統合レディネス訓練センター」の略である。

 ウクライナの最新戦訓を吸収して、JRTCは、NTCを使った演習の流儀を改革した。
 まず、米本土各地の原駐屯地からNTCまでの部隊移動からして、実戦的に変えた。

 1月には、400マイル以上をヘリボーンしてNTCに到着させた。
 2月には、最寄の鉄道駅から40マイル以上を、訓練参加部隊の車両でNTCまで移動させた。従来は、この区間では兵隊たちは送迎バスで運ばれていたのである。それでは実戦的とは言えないのだ。

 さらにNTCでは旧来、砲兵の弾薬補給をコンピュータ上のバーチャルで済ませていたが、げんざいでは、実弾と同じ重さの「擬製弾薬」を受領させるように改めた。

 訓練部隊がNTC敷地に入ると、その時点から、すべての電波エミッションがモニターされる。敵のES(電子支援手段)下に入るのだ。スマホの電源を入れっぱなしにしている将兵はひとりのこらず、動静を特定されてしまう。

 従前は、演習攻撃部隊のコマンドポストが、演習仮設敵から攻撃されるようなことはまずなかった。しかし今日の流儀は違う。ESとドローンでコマンドポストは早々に見つけられてしまい、そこにコンピュータ・バーチャルのミサイル攻撃がある。コマンドポストは簡単に全滅する。

 ※これを承けて今、米陸軍は、コマンドポストの構成をいかに小所帯化し分散するかの研究に入っている。

 しかしこれでは「コバヤシマル」シナリオ(訓練生が絶対に勝てないようにプログラムされている状況想定。『スタートレック』シリーズに出てくる)ではないか、と演習攻撃部隊は思うだろう。そうではない。

 指揮所と隷下各部隊とのあいだの通信が遮断・妨害されることにより、同士討ちの危険も増す。ますますこれは実戦的である。

 コマンドポストの車両をそっくり覆い、光学的にカモフラするだけでなく、内部の電子機器からの電磁波エミッションを外へ漏らさないようにする、そんな新世代偽装網も、すでにNTC演習では使われ始めている。

 車両を停車させるときは、橋の下や、納屋の中へ入れる。これはウクライナ戦線で将兵が実践していること。それを演習段階から、習慣化させる。

 コマンドポストの撤収には旧来は1時間半かかっていた。NTCで揉まれるうちに、これを35分に短縮できるようになった。ケーブルをいかに整理縮約しておくかがコツ。

 末端の兵隊は、夜10時から深夜2時までかけて地面を掘る。これをやっておかなければ翌朝にはドローン+砲弾の餌食だ。

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 Svetlana Shcherbak 記者による2024-3-4記事「russian Forces Commence Offensive Using Golf Carts Due to Armata Funding Shortage and BMP Shortages」。
    Lyman戦線では、露軍にBMPがなくなってしまったらしく、《中共版ポラリス》である「デザートクロス」を最前線に押し出してきた。
 ブリキ板の屋根すらない、ゴルフカート然としたオフロード軽自動車だ。

 ※宇軍が装備している「レオ1」の105㎜砲用に、ベルギーのメーカーが製造した「HESH」弾が補給されていることが、最新の写真から分かった。どうせ戦車砲を野砲代わりに使うだけなら、HEATよりHESHの方がよい仕事をしてくれるかもしれないわけだね。