『沈黙の沈黙』。

 Michael Peck 記者による2024-3-24記事「What the US Army should learn from Ukraine’s hasty retreat from a Russian assault」。
   2月の宇軍のアウディウカからの退却は、無秩序な「潰走」だったらしい。
 後退行動の訓練がまったくできていない素人集団だったのだ。

 米陸軍上層は、これは他山の石だと見ている。米軍ももっと退却戦について演習を重ねておく必要がある。

 1861年のブルランでの北軍、1943のカセリン峠、1950の朝鮮戦争初盤で、米陸軍は整斉と退却できなかった。しかしそれ以降、こうした経験をしていないために、訓練はできていない。

 退却は、周到に計画を立てて実施しなくてはいかん。

 アウディイウカ市の防衛は、第110機械化旅団の担任だった。その退却を第3突撃旅団が掩護すべくさしむけられているのだが、この2つの旅団の間で何の調整もなかった。

 第3突撃旅団が陣地に着く前に、第110機械化旅団は後退を開始してしまった。これでは壊乱をみずから招致するようなもの。どの道路を主ルートとし、どの道路を副ルートとするのか、その取り決めも無かった。

 退却作戦は難しい。特に、負傷兵をどうやってエバキュエートするのか。このたびのアウディウカでも宇軍は大量の歩けない戦友を残置して敗走している。結果、それら傷病者は露兵によって虐殺されるか捕虜となった。

 重患者のエバキュエートは、撤退作戦では最も詳密に計画しなければならぬテーマである。時間は限られ、敵にはこちらの不意を衝く創意がある。ある程度の負傷兵はどうしても敵の手に落ちてしまう。だからこそこの計画が優先される。

 救援部隊は、地雷原啓開装備も持っていかなくてはダメ。敵は、こっちの撤収ルート上に砲兵を使って地雷を撒布し、地雷原を急設するから。

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 AFPの2024-3-24記事「Chinese-owned tanker hit by Huthi missile in Red Sea」。
    セントコムの発表によると、土曜日、イエメン沖の紅海で、中共所有のパナマ船籍の原油タンカー『Huang Pu』号が被弾。
 負傷者は出ておらず、フネは航海を続けている。紅海からアデン湾に向かって南下していた。
 甲板上で火災が発生したものの、30分で消火できたという。

 対艦弾道弾は5発発射され、5発目が命中したのだという。
 フーシはそれに先だち、中共の船舶は攻撃しないと声明していたのだが……。

 2024-2までこのフネは、英国の会社の所有だった。その登録は2019になされている。フーシは最新のデータを持っていないのだろう。

 セントコムによると、このタンカー攻撃に続いて、フーシは陸岸から6機のドローンを飛ばしてきた。米艦はそれと交戦した。ドローンのうち5機が紅海に墜落した。が、1機はイエメンのフーシ支配区に戻って行ったそうだ。

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 Defense Express の2024-3-25記事「South Korea Has 3.4 Million 105mm Artillery Shells, Everyone Would Benefit if Some Went to Ukraine」。
    WRSA-K とは、《戦争用の備蓄・同盟国・韓国》の略号で、このプログラムは、次に半島有事となったときに米軍が使用すべき弾薬を事前に韓国内に備蓄しておこうというものだった。しかし2000年代のあるとき、この大量の弾薬は韓国政府へ売り渡された。

 この結果、韓国軍は、数十万発の155ミリ砲弾と、340万発の105㎜榴弾を取得した。

 2023夏にシンクタンクのCSISが指摘したこと。米国がウクライナに搬入した30万発の155ミリ砲弾は、この「WRSA-K」に由来するストックだったのだろう、と。

 そして今、残っている105㎜砲弾もやっちまえよ、という声が出ている。

 CSISの中の人によれば、韓国軍は、米国設計のものや英国設計のものも含めて、総計約100門の105㎜砲を持っているそうだ。

 また韓国軍のユニークな装備として、6輪トラックの荷台に「K105」という国産の105㎜榴弾砲を架設した自走砲が200両、現役だという。ただしこうした105㎜の火砲は2020年いらい、すべて退役の方向で検討が進んでいるという。

 そうなると、ストックの105㎜砲弾は余剰品になるわけだ。

 韓国は、今、年に20万発の155ミリ砲弾を製造している。
 弾殻は「Poongsan」社が製造し、そこに炸薬を充填するのは「Hanwha」でやっている。

 ※チェコの大統領が騒いでいたのは、けっきょくこれか?

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 The Maritime Executive の2024-3-24記事「Ukraine Attacks Two More Russian Amphibs in Sevastopol」。
    金曜日の夜、宇軍はセワストポリ軍港を巡航ミサイルもしくは無人機によって空襲し、埠頭に繋留されていたロプチャ級の揚陸艦『ヤマル』と『アゾフ』の2艦に命中弾を与えたと。さらに黒海艦隊司令部の通信施設も爆破したと。
 ロシアのSNSは、空対地ミサイルの「ストームシャドウ」が使われたと言っている。

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 Cailey Gleeson 記者による2024-3-25記事「DeSantis Approves Social Media Ban For Kids Under 14 In Florida」。
   フロリダ州知事デサンティスが月曜日に新法に署名した。
 14歳未満の者は、2025年の1月1日以降、SNSにアカウントを創ることは許されない。

 またSNS運用会社は、14歳未満のユーザーが開いている既存アカウントを消去しなくてはならない。

 14歳と15歳の者は、親の同意があれば、アカウントを開設できる。