米国から供与のGLSDBは快調に戦果を積み重ねているようだ。

 Defense Express の2024-3-27記事「Zircon’s Warhead Unveils the Biggest Scam by russian Defense Ministry Leading to Creation of a Useless Missile」。
    3月25日に撃墜した「Zircon」ミサイルの弾頭を調べたところ、驚くべきことが分かった。
 弾頭部分の重さは100kgから150kgというところ。充填されている炸薬はわずか40kgだと見積もられる。

 ハイパーソニック弾の製造単価は高い。しかるに、その破壊威力は怪しいものであった。

 ちなみに、キンジャルの弾頭重量は推計で500kg。Kh-101/555、ならびにカリブル巡航ミサイルの弾頭重量は400kg。P-800オニクスでも300kgである。

 「Zircon」の弾頭重量に近似の巡航ミサイルとしては、150kgのKh-31と、135kmのKh-35がある。
 このレベルの弾頭が撃沈可能と考えられる軍艦は、排水量が4500トン以下のコルヴェットである。

 ロシアのメーカーは、レンジ1000kmを達成せよという無理な要求にこたえるために、弾頭重量をここまで削ったのであろう。

 ※衝突物体の破壊力は着速の二乗に比例するので、弾頭重量が軽いからといって対艦威力が無いことにはならない。この記事がリードしようとする方向は、科学的ではない。

 次。
 Tyler Rogoway 記者による2024-3-26記事「FPV Drone Motherships That Also Relay Their Signals Offer Huge Advantages」。
    ロシアの新システム。「Pchelka」というハイブリッドドローン。ガソリンエンジンを牽引式に配した固定翼無人機だが、車輪の代りにスキッドがあり、そのスキッドから4軸のローターを生やしている。すなわち、電動モーターで垂直に離着陸し、巡航は内燃機関を使う。そして胴体内には、自爆型FPVドローンを複数、内臓する。本体は使い捨てにせず、特攻ドローンと地上基地との無線リンクを確立するための中継局機能を果たす。

 次。
 Joseph Trevithick 記者による2024-3-26記事「China’s WZ-7 High-Altitude Drone Makes First Known Flight Over Sea Of Japan」。
   ジェットエンジンで高空を飛ぶ無人偵察機「WZ-7」が日本海に出てきた。駆逐艦艦隊も出てきたのでその支援目的か。
 空自はF-15Jをスクランブルさせた。

 WZ-7は2010年代の後半から就役しているが、いままで、日本海まで出てきたことはなかった。

 高度6万フィートを、4350マイル航続すると称している。滞空時間は10時間以上というが、じっさいには不明。「RQ-4 グローバルホーク」に対抗して数値を盛っているだろう。

 次。
 Ritu Sharma 記者による2024-3-27記事「China To ‘Outnumber’ Balochistan Populace By 2048; Locals Pick-Up Guns To Counter Beijing’s Expansion」。
    パキスタンの「Siddique」軍港に、バロチ地方の分離主義集団によるテロ攻撃あり。標的は、そこに中共が配備していた対地攻撃用の固定翼無人機だったのではないか。

 この軍港には、「P-3C」が離発着できる本格的な滑走路が付属している。
 パキにはここを含めて軍港が4箇所ある。

 パキ陸軍は中共製の「CH-4B」を2021年に買った。同年にまず4機。それは「Bahawalpur」空港に置かれた。パキ陸軍航空隊がそこにある。

 バルチスタンはパキスタン内ではもっとも人口密度が低い。

 3月26日には、Khyber Pakhtunkhwa州にあるBesham市郊外の水力発電ダムの工事を監督する中国人技師たちが自動車自爆特攻テロにかかった。技師5人が爆死。この技師たちは数台の自動車でイスラマバードから工事現場に向かう途中であった。路上を走行中、うしろから追いついてきた自爆車が轟爆。

 この1週間で3回目の対支テロだという。

 次。
 The Maritime Executive の2024-3-26記事「Old Safety Lessons May Haunt Baltimore Bridge Tragedy」。
   1980年に、タンパ市の「サンシャイン・スカイウェイ」道路橋に貨物船の『Summit Venture』号が激突して、橋の半分が破壊されてしまった事故の教訓は、ぜんぜん活かされていなかった。
 このときは落下した自動車に乗っていた35人が死亡。

 橋の再建にあたって、橋脚を船舶の衝突から防護するコンクリート製の「ドルフィン」が設置されたものである。

 こんかい落橋したフランシス・スコット・キー橋は1977年に供用開始。それは1980より前だが、じつは1975にもタスマニアで類似の事故は発生していた。

 ボルチモアの橋にも、ちいさなドルフィンはあった。
 しかしボルチモアの橋のドルフィンは、すりぬけられてしまった。そして貨物船は、橋の主塔に右舷を激突させた。

 ドルフィンで止められるサイズより、船舶が巨大だったということ。

 次。
 Defense Express の2024-3-27記事「Satellite Images Show that russians No Longer Able to Use Ivan Khurs Intelligence Ship After Ukrainian Strike」。
    クリミアの軍港に繋留されていたロシア海軍の電波情報収集艦が3-24のミサイル攻撃で艦尾部分をやられていた。このシギント艦はロシア海軍に2隻しかない。もう1隻の『ユーリ・イワノフ』は北海艦隊に所属。

 『Ivan Khurs』は2023-5-24にも無人特攻機の攻撃を受けていた。