Joseph Trevithick, Oliver Parken 記者による2024-5-3記事「Russia’s Anti-Satellite Nuke Could Leave Lower Orbit Unusable, Test Vehicle May Already Be Deployed」。
高度100マイルから1200マイルくらいの軌道をLEOという。ロシアはここに水爆衛星を打ち上げて平時から周回させておき、有事にはLEOの特定点で起爆させることにより、ある期間、LEOを回るすべての衛星に放射能障害を起こさせるつもり。実戦配備前の実験はすでに進行しているという。
核兵器を宇宙に配備することは国際条約違反である。明白に。
1967年のアウター・スペース条約。ロシアも署名した。そのアーティクル4。
1962年の「スターフィッシュ・プライム」実験で、ヴァンアレン帯との相互作用でLOE衛星が強烈な放射能をかぶることが分かっているという。それで、耐EMP設計になっていなかった衛星が数十機も故障してしまった。
ロシアが1発、LEOで水爆を炸裂させれば、それから1年間も、LEOでは衛星を機能させられなくなるかもしれないという。
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ストラテジーペイジの2024-5-4記事。
ウクライナ製の無人震洋艇。2023年モデルをアップグレードした2024年モデルの詳細がわかった。
爆薬は859kg内臓。
後続距離1000km。
コストは21万6000ドルである。一艇あたり。
オプションとして、「RPV-16」という、サーモバリック弾頭のRPVを6発、無人艇から前方へ投射できる。そのレンジは600m。爆発すると中心温度は摂氏2500度になる。爆発威力は半径80mに及ぶ。
建物の内部をまんべんなく破壊するのに、この弾頭は適している。
ただし、サーモバリックは、水中では何の威力もない。爆発するためには、まず大気中の酸素と混ざる必要があるからだ。
対水上艦で戦果を挙げているモデルは、宇海軍とSBUの合同開発。地下造船所で建造している。
2023にケルチ橋を小破させたのは「Malyuk」という自爆艇で、爆薬850kgをつんでいたという。航続距離700km。エンジンは60時間回る。最高速力は70km/時。
「MAGURA」という無人艇は爆薬320kg、「Mamai」という無人艇は爆薬450kgを積む。後者は後続性能に特化しており、1000km移動できる。
ウクライナはUUV(無人潜航艇)もこしらえている。2023年には「Toloka2 TK-150」を就役させた。全長2.5m。
そのあと、より大型の「Marichka」というUUVも開発した。全長6m×径1m。
※橋脚などの術工物構造や、港湾内の小型艇を一度に損壊させる方法としてサーモバリックにはもっと工夫の余地がある。まず水中の、ナルコサブ級のUUVから「泡」の形で「燃料分子」を放出させる。その泡は海面に達しても、空気より重いので、蒸散せず、いったん、海面上で水平に広がる。そのあと、一斉に泡がはじけ、大気中の酸素と燃料剤が混ざる。その直後にデトネート。……さもなくばこういう方法があるか。UUV内で酸素もしくは酸化性ガスを発生させて、それを疎水な「油」皮膜の泡の中に包んで海面へ放出。油泡が海面一杯に広がったところで、その1個もしくは複数個をデトネートさせれば、連鎖反応式に全部の「泡」も轟爆する筈。
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Defense Express の2024-5-4記事「russia Changes Tactics of Strikes on Ukraine, Reducing Use of Shahed Drones」。
ウクライナ空軍のスポークスマン氏いわく。
「シャヘド136」の投入数が、めっきり減った。3週間前とはうってかわって。
それよりも、全翼ステルス形状の新顔の偵察ドローンを繰り出している。ミサイル空襲のさなかに、そのミサイルの弾着を補正したいらしい。
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Railway Gazette International の2024-5-2記事「Japanese DMUs find second homes in Thailand and Cambodia」。
4月12日にJR北海道が発表。11両あるディーゼル車の「キハ183」をカンボジアへ売る。
※動力分散式の鐡道車両をマルチプルユニットといい、それがディーゼルなら、略してDMUと書かれる。
この車両は函館港から4-15に積み出され、カンボジアのシアヌークヴィル港には4-27に着いた。
カンボジア鉄道では、2両編成の列車を5列車、編成するつもりだ。1両はスペアに控置。
なお4-3にはJR東日本が発表。20両の「キハ40」と「キハ48」をタイ国鉄へ移転させる。新潟港から4月中旬に積み出される。ラルムチャバン港に着くのは5月だと。
※マルチ燃料で発電し、その電力を蓄電しつつ、電気モーターで走ることのできる経済的な「ハイブリッド気動車」には、ますますこれから需要がある。というのは、ウクライナのように発送電施設を空爆され破壊されても、この気動車が、鉄道線路上を機動できる「代用発電所」として、民生を隅々まで支えてくれるからだ。