ドイツの国防相ボリス・ピストリウスはワシントンで演説し、ドイツは国防予算をGDPの3%に増やすべきであると。

 Kamil Galeev 記者による2024-5-13記事。
   アンドレイ・ベロウソフを新国防省に起用するのは、全く理に適っている。
 ロシアにとって今の対宇戦争は、経済総動員戦争に他ならないから。

 爾後は、ベロウソフが、ロシア「統制経済」の《参謀総長》となるわけである。

 ベロウゾフはソ連時代の経済インテリ・エリート階層の息子として生まれている。みずからは経済学究だったが、それでもロシア政府内で高官の地位に昇り得たのは、超レア・ケース。
 彼は、世渡り遊泳政治ではなく、「論文」発表が評価されて、体制から引き立てられた。そんな人材は、今のロシアでは、他には一人も探せない。

 彼は1976年から81年まで、モスクワの国立大学で「経済サイバネティクス」を専攻した。これはロシア国内では、コンピュータの活用によって計画経済を進める技法を意味する。

 81年から86年まで、中央数理経済研究所に所属。
 86年から2006年まで、経済予測研究所員。
 2006年から2024年までは、政府高官。56歳にして初めて行政職キャリアを開始したことになる。それまではアカデミズム世界の住人だったのだが。

 政府の一員になるや、彗星の如く昇進した。
 2006年には経済開発省の副大臣。
 2012年には、同・大臣。
 2020年には、副首相。同年に短期間ながら、首相代行も務めている。

 彼はアカデミズム時代の仕事の集大成として、2007年に『ロシア経済の奇跡――われらはそれをじぶんたちだけでなしとげてみせる』というタイトルの単行本を出版している。これで抜擢されないはずがないだろう。

 ※ワシントンにてドイツのピストリウス国防相は、ドイツは18歳徴兵制を復活させるべきであるという信念も開陳している。これまたトランプの怒りを逸らすための布石的なリップサービスだとも観測できるけれども、欧州社会がイスラムの無法移民から《自衛》するための妙策として、徴兵制を利用できると、ドイツ人ならば、考える可能性がある。

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 The Maritime Executive の2024-5-13記事「EU Advises to Give Wide Berth and Zig-Zagging After Houthi Escalations」。
   フーシのドローンによる商船攻撃が、ソコトラ島から200浬も離れた海面にまでも届くようになった。

 そこでEUからの示達。船長たちは、戦時中のように、常に不規則にジグザグ航海せよ。針路を、フーシに予測させるな。

 AISが未来位置を教えているのもまずいというので、この海面ではAISの情報が自制されて、もはや未来位置は教えなくなっている。中国船などは、AISに「本船はイスラエルとは何のつながりもない」とテキストを載せて放送している。

 ※対艦弾道弾や低速ドローンがどうして超水平線で命中するのか不思議だったが、AIS情報から未来座標を演繹していたのか。な~んだ。

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 2024-5-13記事「Warmate 20: Poland creates a long-range UAV」。
   ポーランド国産の、固定翼の特攻ドローン。従来の「ウォーメイト3」より大型な「ウォーメイト20」の詳報。

 弾頭重量は20kg。
 レンジは非公開だが、数百kmになるだろう。

 動力は、前の「ウォーメイト3」は電池だったが、「ウォーメイト20」は、内燃機関エンジン。そのメーカーは「WB グループ」といい、やはりポーランド国内で製造。

 T字尾翼で、プッシャープロペラである。「ウォーメイト3」はV字尾翼だった。

 メーカーでは、さらにエンジンをターボジェット化したものも作るつもりで、いま、研究中。

 「ウォーメイト3」には、敵のレーダー電波にパッシヴでホーミングするセンサーを載せたものがあって、ウクライナ軍がそれを用いて、露軍の防空システムを破壊している。

 ※WBのホームページをみると、「ウォーメイト3」のスペックは次の通り。作戦レンジ30km、巡航速度80km/時、ウイングスパン1.6m、胴長1.1m、MTOW5.7kg。「ウォーメイト20」のスペックは載せていない。

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 The Maritime Executive の2024-5-9記事「 Philippines Seize Japanese Coal Carrier After Loitering for Two Weeks」。
    日本のNYKが運航する石炭ばらづみ運搬船の『おーしゅ まる』(9万2000トン、リベリア船籍)が、フィリピン沖で、謎の停滞中。

 4月22日から、フィリピン南方海域で、意図的に漂流している。
 24時間以内に行き先通告をしなければならないのに、それをしていない。
 しかも比島コーストガードが無線で連絡をとることができない。

 5月1日、比島官憲が同船に乗り込んで、密輸禁制品がないかどうか調べた。
 しかし、禁制品類は何もみつからなかったという。
 書類も一式、完備していた。

 船長いわく。日本の「キヌウラ」港へ向かっている途中に、チャーター会社から言われた。フィリピン海のどこか安全な海面で、漂流しておれ、と。

 比島当局は5月3日に同船を拿捕する命令書の発行に動いた。
 このフネはマレーシアにいたときにAISを切っている。それは比島領海に入る1日+8時間前だった。

 今は「ボホール海」に在り。
 比島税関は、同船に対し、ミンダナオ島の北岸で投錨せよと命じた。