ランニング ワッショイ の罰

 Andrew Cockburn 記者による2024-5-29記事「Ukraine War rips veil off of US weapons superiority」。
    米国製の高額な兵器がウクライナでまったく調子が出ていないのは、米軍には「適切なテスト」をするという文化が無いからである。リアルな試験をやる予算を惜しんで他に使うように、制度が誘導しているともいえる。それは結局、高くつくのだが……。

 「スイッチブレード300」は少しも「ゲームチェンジャー」ではなかった。M-1戦車、155㎜エクスカリバー誘導砲弾も、まるでダメだと分かった。

 ウクライナ兵は1機6万ドルの「スイッチブレード300」をすばやく見限って倉庫内に放置し、通販で1機700ドルの中国製ドローンを取り寄せて、そっちに爆装して使っている。役にも立たぬ兵器に命を預ける義理はないのだ。

 野戦重榴弾砲のM777はラフな戦場で使うにはデリケート過ぎて、頻繁にポーランドの工廠まで後送してリペアしなくてはならない。さらにまずいのが砲弾不足。クリントン政権が、米本土の分散的な砲弾工場を1工場に集約させる流れを作った。戦時の「生産弾撥性」「リダンダンシー保険」をなくしてしまったのだ。いまではペンシルベニア州にGD社が運営する古びた工場に155ミリ砲弾のほとんどを発注しなければならない。それが実戦の実需には応じられないことがはしなくもバレた。

 ペトリオットは敵の弾道弾を迎撃するとたちまちタマ切れするから、弾道弾がキーウに降ってきても迎撃しない。それで乞食坊が不満タラタラだ。

 HIMARSは、燃弾の分散秘匿を心掛けないマヌケが相手のときは役に立っている。しかしそれらマヌケな敵は戦場淘汰が進み、今、生き残っている狡猾な敵に対しては、HIMARSもパッとしない。

 4月に調達整備担当国防次官のウィリアム・ラプランテがCSISのカンファレンスで語った。GPSに依存しないで飛べると威張っていた「Skydio」のマルチコプターが露軍のジャミングを受けて逸走したと。

 露軍が出てきているハルキウ方面の前線では、築城工事に投じられていたはずの数億フリヴニャの資金が中抜きされており、防備土工が皆無。ハルキウ市に巣食う腐敗ウクライナ人どもが、平然と領土を売り渡しているのである。

 ハルキウ市の防衛築城請負い企業体に渡された、米ドルにして1億7300万ドルが、使途不明。

 次。
 ストラテジーペイジ の2024-6-1記事。
   DARPAが開発したUUVの「マンタ・レイ」。
 全重30トン、ペイロード10トンのバケモノである。

 全重18mで、幅6m、高さ3m。
 リチウムイオン電池にフル充電すると、3000kmも潜航してくれる。水中最高速力は18km/時。

 だいたい連続6週間、活動できる。
 西太平洋の島嶼に展開した味方特殊部隊のために、こっそりと補給品を届けることができる。

 「マンタ・レイ」を分解すると、舶用コンテナの中に完全に収納できる。その姿で世界各地に急送できる。


兵頭二十八 note
ベトナム式輸送自転車の細部がわかる写真をさらに拾い集めますた(ソースはすべてベトナムのメディア。画像検索すると、たぐれる)


自転車で勝てた戦争があった