6月1日の「note」で紹介した2022年型のベトナム軍用輸送自転車の「謎のプレート」は、「後輪ブレーキ」なのではないかと察した。
すなわち、ノーマル状態で10度後傾している「檣状の押し棒」を、さらに後方へプラス10度、強く引いて傾きを増してやれば、その小プレートがタイヤ表面を圧し、制動がかかる仕組みなのであろう。
(これはパーキングブレーキとしても重宝するかもしれぬ。)
そうだとすると面白い想像ができる。
サドルに腰掛けて急な坂道を下っているときに、じぶんの尻を後方に突き出すことによって、強力な後輪制動をかけてやれるわけだ。「尻ブレーキ」だ! (略して「尻ブレ」)。こいつは発明じゃないか?
ふつうの乗用自転車にも、この機構を付け足したらいいんじゃないか? 咄嗟のブレーキングと前傾姿勢とはミスマッチでしょう?
あと、ベトナムから雑貨を輸入している小商店は、どうしてこういう面白自転車を輸入しないんだ?
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Juki Trinh 記者による2024-6-2記事「Vietnam and Cambodia Clash Over New Mekong Canal」。
メコン河は、カンボジア領内から南ベトナムへ流れ下り、最終的に南支那海まで注いでいるのだが、昔から中共の手下であるカンボジアの政府が、その流路をベトナム国境の手前にて70度ばかり右へ向け変え、人工水路によってカンボジア領だけを通してタイランド湾に早々と吐出させてしまおうというトンデモ・プロジェクト。
着工寸前であり、ベトナム政府は怒り狂っている。もちろん、水路の掘削工事は中共企業が実施し、その工費170億ドルは「一帯一路」計画の基金から北京が貸し与えるのだ。
この新水路の河口には中共海軍のための軍港施設があり、それも拡充される予定。
※『北海道新聞』の2024-6-3号に、宗谷岬から襟裳岬まで、積雪期に、北海道の分水嶺をたどって670km踏破した山岳ガイドの人の講演内容が載っている。重要な数字を抜書きしておく。1日の移動距離は、調子がよくても20km。最難関の日高山脈では1日に8kmが限界。食料は1日3500キロカロリーを用意したが、それでも後半1ヵ月は空腹でたまらず、体重が10kg減った。出発は2月末、ゴールは4月29日だった(トータル64日間)。連日、8時間から10時間歩いた。背負った重さは45kg(ただしルート上に点々と食料を事前に置いた)――。ここから言えること。兵隊の行軍では、武器弾薬だけで13kgくらい担がねばならないから、どんな超人でも45kg-13kg=32kgのコメを出発点において担ぐのが、せいぜいだったのだ。
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Ehren Wynder 記者による2024-5-31記事「Bezos Earth Fund awards $30M to N.C. State to research sustainable proteins」。
ベゾス・アース・ファンドは、このたび、ノースカロライナ州立大学に3000万ドルを与えて、「サスティナブルな人造培養肉」の産業化研究を加速させる。
※世界一の金持ちが目を着けたのは、やはり、人工食料だった。
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Ben Wolfgang 記者による2024-4-18記事「Israel’s war against Hamas posts lower civilian-to-combatant death ratio than other urban battles」。
米軍が2016年から2017年にかけてイラクのモスル市からISを叩き出したとき、シビリアンの住民が1万人、巻き添えで死んだ。IS戦闘員の死者はそれに対して4000人だった。
この比率と比べると、イスラエル軍は「人道的」に作戦していることがおのずからあきらかだ。この時点でイスラエル軍はハマスを1万3000人始末したという。かたわら、ガザの民間人の死者は2万人という。
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APの2024-6-3記事「German police officer dies of wounds suffered in knife attack」。
金曜日、29歳のドイツ人警察官が、抜き身の中型ナイフを白昼堂々とふりかざした25歳のアフガニスタンからの「移民」の男によって首の後ろを複数回刺されていたが、日曜日に病院で死亡した。マンハイム中央広場にて、この移民は他にも5人に切りつけて負傷させている。
この犯人は他の警察官の銃によって倒され、確保されている。まだ生きている模様。訊問には答えられないコンディション。
金曜日に広場では、イスラム移民が増えすぎてヨーロッパ社会の平和にとって有害な政治的存在感をますます強めていると警鐘を鳴らすデモが行われていた。
※あたりまえの話だがドイツの一般人の憤懣は昂じている。しかしそのあたりまえの意見を公言すると、腑抜けたマスメディアによって「極右」のレッテルを貼られる。だから誰も口にはしない。私は予言するが、ドイツはむしろ若年層からの要望によって、徴兵制を復活させるだろうと思う。「三十年戦争」後の「近代」のルールに背を向ける異教徒らの数の横暴によってここまで社会秩序が挑戦されてしまうと、そこから社会が自衛反撃する手段はなまなかなものでは焼け石に水なので、残された有力オプションとして若者が自発的に徴兵制を選ぶようになるだろう。北欧と一部東欧では、その流れは先行している。ポスト冷戦の《欧州流偽善》が、今日の自業自得の事態を招いた。人がもし知性ある生き物ならば、他者の大失敗を見て、みずからはその破滅を避けられる筈。日本人は欧州人の猿真似をしなかったおかげで今日の平和を築き得たのである。その幸運を噛み締められる者は、さらに歴史を学べ。
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2024-6-2記事「Protected motorcycle. Source: btvt2019」。
ウクライナ戦線の露軍が、現地改造の「サイドカー」を持ち出すのは今に始まったことではないが、その側車とオートバイ本体をまとめてすっぽり「コープケージ」で囲ったモノが、ついに登場した。
SNSの「テレグラム」に、その面白い写真が出ている。
自動二輪車の車格は、みたところ、せいぜい90cc.~200cc.といったところ。記事によると、このオートバイには150kgまでのモノが載せられるのだという。
※戦場でサイドカーを使うときに何が苦労するのかを知りたい人は、「大阪市立大学大学院経済学研究科」が2014年にまとめているディスカッションペーパー(PDFで公開されています)「日本内燃機“くろがね”軍用車両史」を一読することをおススメします。図版満載で、わたしゃ読み通すだけでも6日くらいも要したわ。読後感として、もしバギー型の4×4が手に入るのなら、わざわざサイドカー(デフなしの3×2)など製造・調達する価値などない――と説得されます。にもかかわらず、私は、フィリピン軍が「サイドカー型タクシー」(3×1です)を対支有事のさいフル活用する研究を今からすすめておくべきだ、との自説を、維持いたします。理由は、すでに現地で大量生産されていて、重宝もされているモノならば、それは有事にも役に立つ蓋然性があるから。
自転車で勝てた戦争があった