Dylan Malyasov 記者による2024-6-18記事「Russia confirms second A-50 downed by Ukrainian missile」。
ところで、米国の報道機関は、別なA-50Uが撃墜されていると2024-1に報じていた。
つまり、合計で2機、露軍のAWACSは撃墜されてしまったらしいのである。
※ソ連時代にPKKを育てた黒幕であるロシアはクルド人を「対日難民兵器」として送り込む工作を推進中だと疑われる。クルド人入国問題はすでに人道問題ではなく、「対露防衛問題」だろう。
次。
Julian Spencer-Churchill 記者による2024-6-19記事「Canada is America’s Least Helpful Ally」。
カナダの国防大臣ビル・ブレアは、北極圏から飛来する戦略級ミサイルを早期警戒する新しいネットワークについて、それを建設するとすればカナダの防衛予算はGDPの2%を越えてしまう、と言った。
これが、いつもの《カナダ節》なのである。
カナダは、「1個旅団」規模を超える兵力を極圏に配備するつもりが、まったく無い。
NATOの公式統計によれば、カナダ政府は今、GDPの1.33%しか、国防に投じていない。
そのGDPは世界の第9番目だが、一方的な軍備解体志向に関してならば、世界第1位だ。
カナダは貧乏国ではない。2015年から、公務員の数を40%増やした。今は35万7000人いる。2019年から2022年にかけて、公務員の人件費予算は30.9%増額している。
エストニアには1個大隊を送り出している。台湾海峡でのFONOPもやった。それらは最小費用で最大の宣伝効果があった。北極圏向けのレーダー網の改修も、じつは同様の話。アメリカ世論を意識した針小棒大の宣伝なのだ。
カナダは地勢的に、ロシアとの間に、たのもしい障壁を有している。1867に英帝国が米国に売り渡したアラスカに米軍が常駐警備していることによって、極東ロシアからの渡洋侵攻はまったく心配しなくてもよくなっている。また、グリーンランド(デンマーク領)が大きく横たわっているおかげで、バレンツ海からの艦船や航空機の接近も、気にしなくて済んでいるのだ。他の中間部分は、北極点を挟んだ真の不毛地帯で、大規模な軍隊の作戦など考えられもしない。
進歩保守党のジョン・ディーフェンバッカーがカナダの首相だったとき(1957~1963)、同内閣は、米軍の核兵器をカナダ領内に展開させようとした。ところが彼は議会で不信任動議をつきつけられて、総選挙で敗北している。これは今でもカナダ政治家の教訓だ。
次の首相のレスター・ピアソン(1963~68、リベラル党首)が、核兵器導入を実現した。
しかしピアソンから次のピエール・トルドー(首相在任1968~84)にかけて、冷戦のさなかにカナダ軍を縮小させる流れが創られた。
ドイツ駐留のカナダ軍部隊は1個旅団にすぎなくなり、2隻あった航空母艦はスクラップに……。
2015から首相になっているジャスティン・トルドー。彼らの世代のカナダ政治家は、国内経済と「グリーン化」にしか関心がない。必然的に「中共万歳」を唱える。
トルドーは、WWII前に首相だったリオン・マケンジー・キングを思い出させるだろう。キングは1937に訪独してヒトラー・ドイツに魅せられた。そして、ラインラントの非武装維持やチェコスロバキアの独立のためにカナダは出兵はしないぞ――と英国政府に告げた。
カナダは、WWI前のベルギーや、WWII前のオランダを教訓とすべきである。
この2国はいずれも小国ではあったものの、工業先進国であり、カネは十分にあった。もし本気で国防に努めていたならば、ドイツ軍に侵略を思いとどまらせるくらいの軍備ができた。しかし、それをしなかった。
1913年に英国はドイツの最大の貿易相手国だったのだが、1914に欧州大戦が始まっている。1940に日本工業の対米依存はとても大きかったが、日本から米国を奇襲した。通商は戦争を遠ざけない。今、中共商人に甘い顔を見せているカナダ政府は、きっと、ほえづらをかくだろう。
※雑報によると米国製のTOWはすくなくとも1000発、ウクライナへ譲渡されている。