NATO諸国は砲弾工場の増設を急いでいるものの、こうしたプラントは着工から稼動まで2年かかる。早い工場でもあと1年前後は、フル稼働は始められないのではないか。
かたやウクライナ戦線は重大な新局面を迎えつつある。
宇軍は、ことさらに兵力集中をしていない対峙正面では、どうしても露軍より兵員が寡少。これをカバーするためには砲弾の供給が敵に数倍する必要があるのに、まだその態勢が立ち上がらない。
このままでは、米国次期政権の登場の前の趨勢確定に、間に合わないおそれがある。
やはり「急造・簡易式ロケット弾」の出番だろう。
ありふれた、軍用の地対地ロケット弾の筒体部分を輪切りにすると、その断面は、外側が、軽金属製もしくは複合素材繊維の「外皮(薄殻)」であって、その内側には「推薬」が充填されている。
「急造・簡易式ロケット弾」は、この外皮部分をぶあついコンクリートにし、それを型枠に一発で流し込んで形成するのだ。
ただし、コンクリートには屑鉄の小切片を混ぜ込む。なおかつ、流し込むときに、鳥籠状もしくはスパイラル状に編んだ「導爆線」を、あたかもそれが鉄筋であるかのように、包み込む。
その導爆線は、ロケット発射時に筒体の中心軸部で急燃する推薬の火熱によって焼灼されてはいけないので、どちらかといえば外側表面寄りに、鋳込まれるように工夫する。導爆線の前端は、ロケット弾頭頂部の「着発信管」につながるようにする。信管は金属製で、工程の最後にねじ込まれる。
正規製品のロケット弾は、炸薬が充填された弾頭部が筒体前方にあって、破片はその弾頭部のみからクリエイトされるものだ。それら通常のロケット弾の後方部分には、炸薬は填実されておらず、よって、地面にそのドンガラがそのまま転がるのみである。
しかし、コンクリート製ロケット弾は、それとはまるで構成が異なる。ロケットの前端には、正規品とほぼ共用の「信管」が嵌合されているものの、それに続く「弾頭」が存在しない。炸薬は、筒体のぶあつい外皮の中に、尾端まで延々と埋め込まれている導爆線(デトネート・コード)であり、破片は、導爆線が鉄片混じりのコンクリート外皮を破砕することによって生ずるのだ。着弾すると、筒体まるごとが、微塵に吹き飛んで、地面に残されるのは、信管だけである。
もとより正規品のロケット弾よりも、破壊殺傷の威力は劣るうえ、レンジも延ばせず、弾着のバラつきも大。しかしそれは、数量によって補われる。
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Sofiia Syngaivska 記者による2024-8-19記事「The Wild Hornets Workshop’s Drone Breaks Speed Records, Enhancing Combat Efficiency」。
ウクライナ国内のUAVワークショップである「ワイルド・ホーネッツ」がこのたび、マルチコプター型のFPV自爆ドローンを、水平飛行速度160km/時から数秒にして264km/時まで加速させることに成功したという。
メーカーによれば、これは世界記録であるという。
ふつう、クォッドコプター・スタイルのドローンは、最大水平速力が100km/時~150km/時というところである。
この性能は何を意味するか? 露軍の固定翼の偵察ドローン(「ザラ」や「オルラン」)を、高額なMANPADSを消費しないで、比較的に安価なFPV特攻ドローンの衝突自爆によって、戦場上空から駆除できるようになるだろう。
それのみならず、露軍の有人の軍用ヘリコプターを、陸上部隊が手持ちのFPVドローンを発進させることによって咄嗟に迎撃し、敵機が逃げようとしてもしつこく追撃して、撃墜してしまうことも、普通になるであろう。
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AFPの2024-8-20記事「China green-lights 11 new reactors in nuclear push」。
中共政府は、既存の5箇所の原発に、合計11基の原子炉を新規に増設させる計画を承認した。
総額2億2000億元を投じ、5年くらいで竣工させる。
現況、中共は56基の原子炉を運転中だが、それによって総電力の5%しか賄えていない。
中共がカーボンニュートラルにすると予告していた時期は2060年であったが、この目標は先延ばしされるだろう。石炭火発はしばらく、逆に増える。
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Svetlana Shcherbak 記者による2024-8-20記事「russians Build New All-Terrain Vehicle from Niva and Gazelle Components to Complement Chinese Desertcross」。
ロシア国内の会社が、負傷兵運搬用として露軍に提案している。「プラストゥムTT」という小型軽量の4×4車。ただし、車体は前後に分割されていて、中央部がヒンジになっている。すなわち車体の前後で傾斜角が大きく違ってもOK。
オープントップで、頭上にはロールケージがある。
メーカーとしては、中共製の「デザートクロス」(ゴルフカートのようなミニミニ四駆)などを輸入するくらいなら、こういう国産品を買ってくれ、と言いたいわけ。
エンジンはロシア国内のNiva社製で、ガソリン1700cc. で80馬力。
車体骨格とヒンジは、ステンレス鋼のチューブ。
グラウンドクリアランスは280ミリある。
後半の車体に、荷物を1トン積める。
人間をむりやり詰め込めば10人、運べる。
メーカーは、今年の年末には、月産20台の製造ペースにできると宣伝している。