Roger Brent, T. Greg McKelvey, Jr., and Jason Matheny 記者による2024-8-20記事「How Synthetic Biology Could Destabilize the World」。
新コロは、疫病防禦について貴重な戦訓を与えた。
蔓延阻止は、できなかった。
2022末時点で、南極の研究施設内にまで伝染してしまった。アマゾン奥地の孤立部族も罹った。
専制帝国の強権的ロックダウンでも、鎮圧はできなかった。
AIによってウイルス兵器を開発しようとするキチガイ国が、これから現れるだろう。いや、すでにあるだろう。
中世の欧州が体験した「黒死病」は、住民三人のうち一人を斃した。新コロはそのレコードを破れなかったが、AIに助言された次の改造ウイルスなら、黒死病に並べるかもしれない。
エイズは、一時は、罹った者が全員死ぬと恐れられたものであった。しかし今日、かならずしも死ななくとも済みそうな病気のひとつになっている。まちがいなく医学の偉業だが、それにも時間を要している。
第一次大戦中、ドイツは、敵軍の荷車を曳く馬と騾馬に対して効き目のある病原兵器を工作員によって拡散し、フランスとルーマニアではその効果があったという。※鼻疽のこと?
ノルウェーではドイツ軍は、サミ族が飼っているトナカイを病気に罹らせようとした。それがロシア領内に伝播することを期待したという。
また北米に潜入していたドイツの工作隊は、欧州向けに送られるはずの家畜に対して、それが集められている場所で病原兵器攻撃を試み、それは部分的に成功したという。※なんの菌なのかも書いてない、ものすごくいかがわしい例示。専門家の文章とは思えん。WWI末といえば、北米からイギリスへ兵員を送る船内で致死的なインフルエンザが大発生した時節なのだが、それには言及無し。
※AIの力を借りて急いで探究しなければならない分野は、人間の消化器官ではそのまま栄養として取り込むことが至難であるセルロースやリグニン、つまりは山林の草木をそっくりそのまま、人間の栄養に変えてしまう工業プロセスの発見だ。その糸口は、研究者が少なすぎて登録が追いつかない、山野の雑菌や水中の微少生物の、あらいざらいの機能解明から得られるはずだ。人間にはとても無理なタスクを、AIなら、粛々と、マッシヴに、進めてくれる。このプロジェクトが成功すると、われわれは、誰もが働かなくとも喰っていける新世紀を実現できる。そうなったら、石油の価値も右肩下がりに地の底まで下がって、自噴しない油井は、また自然に還るのみ。
次。
2024-8-28記事「Ukrainian Defense Forces Down New Russian Reconnaissance drone」。
新動画が公表された。
露軍の新型の無人偵察機「ZALA Z-20」を宇軍のFPVドローンが衝突撃墜したという発表が前にあったのだが、詳細が不明だった。それが分かってきた。
クォッドコプターが、後上方からアプローチしてぶつかったのである。しかも、その衝突役のクォッドコプターよりももっと上空を、別な「見届け役」のクォッドコプターらしきものが飛んで撮影していた。迎撃側も、無人機に上空で「分業」をさせているのだ。2機で1組なのだ。
2023年から戦場に出現しているザラの新型の偵察無人機は、直線翼+V字尾翼+電動モーター式プッシャープロペラ。メーカーの宣伝では、滞空6時間可能だと。
MTOWは18kg。
この偵察機でまず標的を見極めてから、自爆機の「ランセット」がそこへ導かれるという分業になっている。
攻める側も2機1組。守る側も2機1組。
※初代のザラは日本のラジコンホビー機用内燃エンジンを搭載していたが、経済制裁でこれが入手できなくなったので、二代目ザラは、たぶん中共製の、電動モーターに設計変更したと思しい。
※ザラは、滞空時間を稼ぐために、アスペクト比が大きく、そしておそらく電池もかなり重く、固定翼機ながら低速である。だからクォッドコプターで簡単に追いつかれてしまう。しかも、軽くするため、T字尾翼ではなくV字尾翼なので、最大の弱点であるプロペラに、宇軍のクォッドコプターが真上からやすやすと、邪魔されることなく覆いかぶさることができる。もし、こうした弱点をなくそうとすれば、滞空時間は短くなる。痛し痒しだ。