奥付によると11-10発行。
小川氏のグループは十数年以上も前から「全日本南北戦争フォーラム」の会報その他を通じて、多くの日本人が注目しないアメリカの内戦に光を当て続けてきた。こうしてそのエッセンスが新書になって手にとりやすくなるのは、よいことだ。
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Brendan Cole 記者による2024-10-31記事「Putin’s Generals Are Turning on Each Other」。
アレグザンデル・オグロブリン少将は、露軍の通信部隊の親玉だったが、ロシア国内の通信会社「Perm Telephone Plant Telta」から1000万ルーブリの賂いを受け取って随意契約を続けたというので逮捕された。仲間はもっといるらしく、ショイグも怪しい。
英国防省の見るところでは、かつてのショイグの系統の将軍たちの汚職が、洗い直されようとしているようだ。
※プー之介とFSBは、ウクライナ戦争を切り上げるタイミングでショイグを逮捕させ、侵略が失敗したのはすべてこいつが露軍を腐敗させていたせいだった、ということにしたいのではないか?
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Defense Express の2024-10-31記事「All Electronics From the russian Foam Drone Gerbera Featured in One Photo」。
露軍がUAVと巡航ミサイルで空襲をしかけるとき、宇軍のAAアセットをまず浪費させてやるために、囮ドローン「ガルベラ」を放つ。
この固定翼無人機は、じつに部品が少なくて、安上がりにできているので、研究する価値が大きい。
まず機体の胴体は、発泡プラスチック外皮+合板骨組である。
胴体の背部には「腹腔」があり、アビオニクスに必要な電子部品はそこにぜんぶ、入っている。
たったふたつの回路基盤がある。
ひとつの基盤には、スイスの「Ublox」社製の「NEO-M8N-0」という航法用チップが載っている。チップの製造は中共国内でされておて、通販単価は31ドル50セントだ。まとめ買いすれば、その数分の一で足りる。
この基盤には、そのチップの他に、微少な加速度計やジャイロも載っている。
2枚目のボードは、〔アクチュエーター用の〕電力の昇圧コンバーターのようだ。中心チップは「XL6009E1」。このボード全部でもコストは「数十ドル」というところだろう。
さらに、4Gモデムと、ウクライナ国内の携帯電話網に対応するSIMカード。
これら電装系ぜんぶひっくるめても、搭載の中国製ガソリン2サイクル・2気筒水平対向エンジン「RCGF STINGER 30CC」1基(アリババ通販で265ドル7セント)より安くおさまっているはずだ。
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Defense Express の2024-10-31記事「Ukraine Poised to Break Drone Production Record in 2024?2025: 1.8 million UAVs Contracted」。
ウクライナ国防省から、統計数値の発表あり。
2024年の年頭から10月31日までのあいだ、ウクライナは、128万機の無人機を国内で製造した。
さらに年末までに、36万6940機の無人機を、軍に追加納入するであろう。
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The Maritime Executive の2024-10-30記事「China is Building a New Mini-Carrier at a Civilian Shipyard」。
COMEC造船所を撮影した衛星写真。
どうやら中共は「ミニ空母」の量産に入ったらしい。650フィート×130フィートの「フラットデッキ」船。
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Defense Express の2024-10-31記事「russian Occupiers Return to Old Assault Tactics Using Motorcycles and Quad Bikes」。
露軍が、最前線への物資補給に、自動2輪車、4輪ATV、4輪バギーを多用しているのは、こうした輸送手段を本格的なトラックにしたところで、今日のドローン脅威下では、「復路」に生き残ることができないから。常に、片道特攻補給手段となる運命なのである。
だったら、安いほど良い。それで、オートバイが復活しているのだ。
最前線まで物資を補給しおえたそれらの軽快車両は、そこで乗り捨てられる。宇軍のドローンに見つかり次第、灰にされる運命なので。それは時間の問題なのだ。
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ウィキペディアの「Shield AI」の項目。
WSJのトピック記事が読めないのでその代わりに。
サンディエゴに本社がある「シールドAI」社の無人機「Nova」は、米軍が公式に採用した初のAI駆動式ドローンである。
シールドAI社は、2015年に、元ネイヴィシールズの将校(姓はシナ系)によって創立された。
彼はアフガニスタンに派兵されていたとき、建物内の敵を偵察することができなかったために痛い目を見たので、そのときから、無人機メーカーが成長株になると信じていた。
2022年にはUAEにも支店を開設。その長は、元シールズの准将。
Nova は、クォッドコプターだが、全自動で未知の建物の内部をマッピングしてきてくれる。リモコンの必要がない。GPSにも依存しない。
もちろん、センサーの中軸はLidar。
2021年には「Nova 2」をリリースした。
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Svetlana Shcherbak 記者による2024-10-31記事「Ukraine Tests High-Precision Munitions for Drones That Can Be Dropped from an Altitude of 1 km: A Significant Leap in Effectiveness」。
ウクライナ軍の技術開発部門は今、6軸の大型マルチコプターから、複数の爆弾を精密に次々と投下する技術を完成しつつある。高度1000mから投下して、落下した小型爆弾が、標的に正確に当たるという。爆弾が、自律誘導されるのかどうかは不明だが、とにかくその高度でも精密に当たるようになったという。
高度が1000mあれば、敵の塹壕陣地内にあるECMアンテナからの距離が十分なので、妨害の電界強度は弱まる。だからドローンは悠々と照準を付けられる。1000mだと小火器で狙撃してもまず当たりはしない。
南北戦争英雄伝-分断のアメリカを戦った男たち (中公新書ラクレ, 825)