Matias Ahrensdorf & Santiago Vidal Calvo 記者による2024-11-22記事「Terror to the South: Hezbollah in Latin America」。
ベネズエラのマドゥロ大統領は、ヒズボラ創始者のナスララーの死を悼んだ。
ヒズボラの南米支部は90年代にまずアルゼンチン内で反イスラエルの爆破テロを開始した。南米ではアルゼンチンが最もユダヤ系が多いのだ。二番目はブラジルだが、2023-11にブラジル警察は、ヒズボラの反イスラエル・テロ計画を未然に摘発している。
2023-7にイランとボリビアは安全保障協定。イラン製の無人機をボリビア軍が買い、イランはその教習も提供する。
イランとベネズエラは、もっとズブズブである。
イランは2009年からボリビア国内でウラン鉱脈を開発してやっている。2024-10にボリビア政府は、研究用原子炉のための核燃料を初めて創り出した、と公表した。そのずっと前からボリビア産のウランは、イランに買われているのだとイスラエルの情報機関は考えている。
ボリビアは、天然の「コカ」の葉を産生する土地柄。1980年代を通じて、米国に流入するコカインの15%はボリビア経由だった。
2009年に当時のモラレス大統領は、米国DEA(麻薬取締局)の支部を国外へ追い出した。30年近く、ボリビアに常駐していたのだが。
コロムビア革命軍FARCとヒズボラは、おともだちである。そのFARCとベネズエラはコラボ関係にある。すなわちベネズエラは、欧米に対するコカイン密輸出のハブ機能も果たしている。
今年、アルゼンチンの内相は指摘した。ボリビア領内に数百名の「Quds」の兵隊が蟠踞していると。すなわちIRGCの海外活動部隊が。
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Natasha Lindstaedt 記者による2024-11-22記事「Russia needs a peace deal before it runs out of soldiers」。
対ウクライナ戦争で死亡したロシア将兵の人数は、11万5000人から16万人である、と西側は推計している。その戦死者とは別に、50万人の負傷兵が生じているという。
人数として、緒戦に侵攻した兵力の9割に相当する将兵が、死んでしまったことになる。
この穴を埋めるために、ロシアでは毎月、2万人を充員徴募し続けている。
※都市と田舎は、どちらが、独裁政府にとって、より脅威であるか? あきらかに、都市である。都市の若者には徴兵逃れの方便が無数にある。政府が敢えて強制徴募しようとすれば、都市は、政府に反抗できる。だから、政府は都市に対して遠慮をすることになる。どんな政府も、都市を甘やかさなければ、打倒されてしまう。よって、新規徴兵も、田舎だけを対象に、強化するしかない。
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ストラテジーペイジの2024-11-22記事。
アルカイダは、世界はイスラミック独裁政治に服さなければならない、と説いた。その実現のための手段は何でもゆるされる、と。多くのアラブ人が、同じことを信じている。
世界は、オスマントルコ帝国に感謝しなければならない。トルコ人がアラブ人たちを支配していたおかげで、世界は、アラブの狂気から直接に攻撃されることなく済んでいたのである。
トルコにはこんな冗句がある。「アラブの問題にはかかわるな」。
1918にWWI の結果、トルコ帝国領土から、アラブ地方が分離された。しかしそこに安定は無かった。WWIIの勃発直後、産油国のイラクはドイツと同盟しようとした。それを阻止するために、英軍は数個師団を編成してイラクを再征服するしかなかった。
WWII後のイスラエルの建国は、国連によって承認されているが、アラブはそれに我慢できなかった。
数的にはイスラエルを圧倒するアラブ連合軍が攻めかかったが、撃退された。
アラブは、腐敗と自己破壊の習性があると、イスラエルは学んだ。
ヨルダン軍は英式に訓練されていた。しかしイスラエルには勝てないと認識し、1967に手打ちした。
エジプト軍は70年代にソ連式に改革されたはずだった。しかし内部腐敗は克服できなかった。
1989の東欧には2つの針路があり得た。共産主義か、民主主義か。それに対して、アラブ世界には3つの針路があった。専制主義、民主主義、イスラミック独裁。
イラクの例がわかりやすいが、アラブ世界では民主主義は機能しない。イラクでは少数派のスンニ派が全国を仕切るのは当然だと、少数派であるスンニ派の住民が心から信じている。サウジアラビアは、絶対少数のサウド家の血縁者が他の全部族を従える反民主主義政体であることを堂々と国名によって標榜していて、わかりやすい。
さいきん、モーリタニアが快挙をなしとげた。イスラム教が優勢な国なのに、自由な選挙を実行したのだ。
モーリタニア国民の3割はアラブ人。4割は、イスラム教徒の黒人奴隷。3割は、非モスレムの黒人だ。
モーリタニアでは、奴隷制は1981年に禁止された。しかし今も残っている。
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「mil.in.ua」の2024-11-22記事「North Korean Troops Spotted Fighting in Kharkiv Sector」。
北鮮兵がハルキウ戦線にも現れた。
小兵力に分かれて露軍の末端部隊に配されている模様。
北鮮は今年の8月末までに、すでに100万バレルの原油をロシアから貰った。
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AFPの2024-11-22記事「What we know about Russia’s Oreshnik missile fired on Ukraine」。
「Oreshnik」を英訳すれば、「hazel tree」(ハシバミの木)である。
プー之介の恫喝によると、マッハ10=秒速3km弱で着弾するので、迎撃はできないのだと。
ちなみにハイパーソニック弾の定義は、マッハ5以上で飛翔すること。
ウクライナの軍情報部によると、このミサイルはアストラハンのカプスチンヤールからドニプロ市まで15分で飛来した。水平距離は800kmである。終速はマッハ11であったと。
オレシュニクには3発から6発の弾頭を搭載できる。
※たしかに、ほぼ同時に複数の物体が落下しているビデオがSNSに出ている。
ロケットは固体燃料である。
イズベスチアは、このミサイルのレンジは3000kmから5000kmだと報じている。
プー之介は、このミサイルは古いシステムの改造品ではないと説明した。※INF全廃条約に違反することになる「SS-20」の復活ではないよという意味。そこは、気にしているのである。
DoDの説明によれば、ソ連時代に「RS-26」という実験的なICBMがあって、オレシュニクはそこから派生したものだという。その「RS-26」は、「トポル」ICBMの改良品だという。
露軍の戦略ロケット軍の司令官いわく。2023-7にプー之介がこれを製造しなさいと命令したのだと。
ウクライナのブダノフによれば、この新型ミサイルは試作品が2発あるだけで、量産されてはいないと。
ある事情通のSNS投稿によれば、このミサイルは2段式だが、とても重くて高額なシロモノであり、ロシアが量産できるかどうかは疑わしいと。
米露のどちらも2019にINF全廃条約を破棄済みである。