冷戦末期のINF条約の足枷のために、米国は西太平洋で中共のIRBMに対抗ができなくて、悩ましいことになった。同じ頃、ロシアもまた、シベリア戦域で対中共のIRBMを配備することができずに、口にこそ出さなかったが、困じ果てていた。
90年代の米露のどちらも、まさか中共がここまで戦略核戦力を楽々と大増強できる日がやってこようとは、想像し得なかったのだ。
プー之介がこの憂いを一挙に晴らしてくれるというのであれば、トランプは大歓迎だろう。
いうまでもなく、ウクライナでMARVを6発、落としてみせたのも、じつは対北京向けに「SS-20 が復活したよ」と告げるデモンストレーションである。口ではATACMSへの反発であるようなことを呼号しているけれども、それは「うわべ」のポーズにすぎない。射程300kmごときでは、痛くも痒くもありはしないのだ。
《ウクライナで勝つために米国製のATACMSへの対抗としてオレシュニクを大増産する》と呼号するのは、ロシア国内向けの、表向きのスローガンとして意味がある。だが、じつは、その増産は、対支抑止用なのであり、また、SS-20と同様に、対欧恐喝用である。
ロシア国内の製造業は破綻寸前である。おそらく増産命令を受けているミサイル工場の側では無言の反発やサボタージュがあるだろう。それを押し切り、工場の現場にモチベーションを持ってもらうためにも、何かレトリックが必要だ。
バイデン政権は、残り2ヵ月で、トランプの対露同盟を阻止できるだろうか? できることは限られている。誰でも思いつくのは、古い非核の「トマホーク」を地上発射用にコンバートしてポーランドに持ち込んだり、ウクライナに供給してやることだが、もしこれをするとロシアの宣伝機関が、「米国はINF全廃条約の精神を尊重していない」と宣伝できることになり、長期的に、米国の外交パワーが毀損されて、国益に反する。
残されたオプションは、対イラン戦争だ。これに踏み切れば、トランプとて、絶対にそれを中途半端に止めることはできない。アフガンから撤退したのは間違いだとさんざん騒いできた御仁だからだ。今のイランとロシアは一体なので、トランプの任期中の対露宥和も、ありえなくなるだろう。
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Kapil Kajal 記者による2024-11-22記事「US Navy submarines to re-arm with nuclear cruise missiles after 3 decades」。
米海軍がRFI(Request for Information)を発した。品目は、なんと、SLCM-N、核弾頭付きの海洋発射型巡行ミサイルである。ヴァジニア級のSSNに搭載される。
2034年までに配備するつもりだという。プロトタイプの試射実験は、これから3年以内にやる。
※ブッシュ(父)時代の「TLAM-N」は魚雷室に置かれていたので、その上で寝ている乗員が放射線被曝するという大問題があつた。こんどの核巡航ミサイルは、居住区画からは隔壁で遮蔽された場所から打ち出せるはずなので、その問題は無いだろう。
※ロシアがINFを大復活させるので、米国もそれに合わせねばならない。日本国内のどこかにそれを展開するという話が、またぶりかえされるだろう。頭の古い海自はまたぞろ「原潜が欲しい」と言い出すだろうが、まもなく有人潜水艦の時代は終わるのだという技術の流れが、彼らには、読めていない。
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Air Marshal Anil Khosla (R) 記者による2024-11-21記事「‘Space Dogfight’! China Readies Fighter Jet For Space War; Could Hunt Satellites With Its 6th-Gen Jet」。
珠海でモックアップが展示されている、中共の第六世代戦闘機とやら。この有人戦闘機を使って中共は、米国の人工衛星を撃墜するつもりらしい。もちろん、低高度周回衛星がターゲットである。
※中共は戦闘機どころではなくなる。ロシアに北鮮をとられてしまったからだ。昭和19年~20年に、朝鮮人労働者が日本の内地のいたるところで工事をさせられていたが、それと似た風景が、これからはロシア国内で見られるようになるだろう。ロシアはこれから北鮮に、「T-14」や「バックファイア」という飴を与えてでも、朝鮮人労働者を買い付けようとするだろう。
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Debra Saunders 記者による2024-11-23記事「Sanctuary Cities, Venezuelan Gangs and Horror Stories To Show for It」。
ベネズエラのギャングがすでにNYC内に根を張ってしまっている。
そしてNY州の司法当局に対して公然と、挑戦をしている。
2022年以降、NYCには、21万人もの移民が流入しているのだ。すべてはバイデン政権のおかげである。
バイデンは大統領に就任するやすぐに、不法移民の強制送還を止めさせている。のみならず、メキシコ隣接州内にとじこめておく措置も撤廃してしまつた。
NYCといえども21万人分のアパートを急に供給できる余裕はない。よって、いたるところ、路上が家になっている。
8月にNYTが報じた。市は100を超えるホテルに頼んで1万6000室を移民のシェルターにしてもらっている、と。
連邦の国境警備当局の統計では、バイデン政権の4年間に、1050万件の越境案件があったという。
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Joseph Trevithick 記者による記事「Skunk Works Tests See AI-Enabled L-29 Jets Fly Mock Air-To-Air Mission On Orders From Aerial Controller」。
ロックマートのスカンクワークスは、複数の複座の軽ジェット練習機を使い、空中で有人機の後席からいろいろと指図を飛ばして、僚機であるAI搭載の無人機(複数)に空戦攻撃目標を割り振り、空戦させるという実験を、着々と進めている。
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「mil.in.ua」の2024-11-23記事「Al-Qaeda attacks Wagner convoy in Mali」。
マリのアルカイダが、ワグネルのコンボイを待ち伏せ攻撃して、全滅させた。22日のことだという。
攻撃は、IEDの起爆によって始まったようだ。
ワグネル6人の死体を、アルカイダは得た。
コンボイは、トラックを含む2台であった。
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The Maritime Executive の2024-11-22記事「Warning: Marine Engines May Also Be “Allergic” to Cashew Nutshell Biofuel」。
船舶から硫黄ガスを排出するのを止めようというのでさまざまなバイオ燃料が実験されているさいちゅうだが、このほど「カシューナッツの副産物のオイルを混ぜるのはやめておけ」という勧告が出た。
カシューナッツ製造工場の副産物として「Cashew Nutshell Liquid」(CNSL) という油脂成分がある。これを舶用の燃料にブレンドしたらどうかという思いつき。
しかし、これはよくない。成分に含まれる「フェノール」は、何とでもすぐに化学反応してしまう。
酸性で腐食力もある。