米軍のF-35が展開する英国内の基地上空に不審なドローンがたびたび侵入しており、現地は警戒レベルを高めつつあり。

 Svetlana Shkolnikova 記者による2024-11-25記事「GOP senator blames general for Afghanistan withdrawal ‘disaster,’ blocks his promotion to command Army forces in Europe」。
   米陸軍のクリストファー・ドナヒュー中将を、大将に昇進させて、米陸軍の欧州とアフリカの総司令官にしたい、という人事案に、上院のマークウェイン・ミューリン(オクラホマ州選出、共和党)が異例の反対を唱えている。
 理由は、ドナヒューは2021のアフガニスタンからの総撤収時に第82空挺師団長としてしんがりを務め、民主党からは褒められている男だが、共和党はバイデン政権によるその撤退そのものを非難する立場なので。

 ミューリンも口だけ男ではない。彼は2021にアフガンに乗り込んで米国籍民間人とその協力者をヘリで脱出させようとしたのだが、米国防省が米軍ヘリの使用を許可しなかった。当時、連邦下院議員であったミューリンは、しからばと、タジキスタンでヘリをチャーターしようと動くのだが、米国務省は、ミューリンが大金を持ってタジクに入国することは違法だと唱えて、いっさい手助けしなかった。

 ミューリンは2023に上院議員になる。そして、軍事委員会に所属。
 トランプは、アフガン撤退にかかわった将官を全員軍法会議にかけるとか息まいており、ミューリンはその尖兵になることを志願した格好である。あきらかにミューリンは次期トランプ政権内で高官の地位につくことを狙って忠誠心競争に乗り出している。ミューリンは高校時代にレスリングを始め、総合格闘技にも参加した。

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 Grant Newsham 記者による2024-11-24記事「ATACMs? What are they thinking?」。
   およそ、戦争では、タイミングがすべて。
 ATACMSがもっと早くに――たとえば2022年11月に――宇軍に与えられ、その自由な使用が認められていたなら、露軍の混乱はたたみかけられて、宇軍の優勢勝ちも、あり得た。その情況から休戦交渉に移ったならば、22年1月の原状まで戻せたかもしれない。

 だがバイデン・チームはためらい、その「タイミングの窓」が消えるのを、みすみす見送った。

 ※民主党が大嫌いらしいこの記者さんは現役の海兵隊員だったとき、日本でリエゾンオフィサーをやってた。今はシンクタンク所属。著作に『When China Attacks: A Warning To America』あり。

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 Tim Hains 記者による2024-11-25記事「Former Singapore Foreign Minister: Thucydides Trap Doesn’t Apply To China」。
  元シンガポール政府の外務大臣だった George Yeo が、中国は侵略はしませんよ、と熱弁。

 ツキディデスいらいの西洋のヘゲモニー理論はシナにはあてはまらない。西洋の風土だと、300km離れれば、異なる歴史があり、異なる伝承があり、異なる自画像がある。だから権力者は、まるで異質な他民族を無理やりに支配統合する必要がある。

 シナ式空間が拡張すると、そこには書き文字は一種類しかなくされ、伝承にも多様性はなくされる。そこでは異質なものがなくされる。マレー人が住んでいた土地が、いつのまにかシナ人だらけ。イスラム教もなくされる。イギリスは追い出される。これがシナ流の支配パターンである。ツキディデスの想像が及ばなかった空間だ。


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 Defense Express の2024-11-26記事「russia Launches 188 Drones During Night Attack on Ukraine, Only 12 Reach Targets」。
  11月26日の夜、露軍は、各種とりあわせて188機の無人特攻機でウクライナを空襲した。
 宇軍の空軍司令部によると、そのうち176機は目標に到達しなかった。76機は、撃墜した。95機は、勝手に墜落した。5機は、ベラルーシ領内に迷い込んだ。けっきょく12機だけが、目標に命中した。

 住民の死傷の報告は、来ていない。

 ロシア領内で、片道特攻自爆機の量産が進んでいることは間違いない。

 1日に飛来した特攻機の数の変化を見よう。

  November 25 には 145 機。 November 24 には 73 機。 November 23 にはドローンは飛んでこなかった。 November 22 には 114 機。 November 21 にはドローンは飛んでこなかった。 November 20 には 122 機。 November 19 には 87 機。 November 18 には 11 機。 November 17 には 90 機、プラス、各種のミサイル。

 すなわち、この10日間でロシアは830機の各種特攻機を飛ばしてきたことになる。
 それらは、工場から部隊へ納品されるや、すぐさま発射されているのだと信じられる。だから、間歇的になる。

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 「mil.in.ua」の2024-11-26記事「Ukrainian ammunition manufacturer to replace defective batches of 120mm shells」。
   ウクライナ国内で生産された120mm迫撃砲弾の、あるバッチに、欠陥があった。
 欠陥品はあつめられて、改修される。

 寒い環境で貯蔵されると、火薬や爆薬が固くなってしまう。それが原因だという。

 あるウクライナのジャーナリストによると、発射装薬に点火する火工品にも不良品があり、迫撃砲弾を発射できないという。

 また、迫撃砲の砲身内に火工品の金属破片が残留してしまって、次弾を落とし込めなくなるという欠陥も。

 さらに、迫撃砲の信管として、戦車砲弾用の「B-429」をとりつけているために、これが着弾しても発火せず、不発弾になるという。※戦車砲の普通榴弾用なら、それは弾底信管か?