毎年何十人もの命を救える発明品だぞ?
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Jonathan O’Callaghan 記者による2024-12-31記事「Future of space travel: Could robots really replace human astronauts?」。
昨年末、米国の「Parker Solar Probe」という探査機が太陽にものすごく接近したのだが、これはロボットの仕事だった。
地球からは一切、無線による指図は出さなかった。すべて事前プログラムに基づき、機載のコンピュータが自律操縦をしたのである。
太陽の前を横切る10日ほどのあいだ、「パーカー・ソーラー・プローブ」の機体表面温度は摂氏1000度にもなった。しかしロボットなれば、一向平気なり。
英国王立天文協会のマーチン・リーズ卿いわく、われわれの税金を、宇宙に人間を送り出すなどという無駄なプロジェクトに使ってはならない。もうロボットとAIが代行できるのだから。※この記事はBBCのウェブサイトである。
大金持ちたちが、宇宙で遊ぶ体験をしたいというのなら、その大金持ちたちが、私費で宇宙船を打ち上げるのが、適切であろう。
ロンドン大学の物理学者、アンドリュー・コーテスも賛成する。いわく。真面目な宇宙探査には、ロボットを送るのが望ましい。それは人間よりも遠くへ行って、人間よりも多くの活動をしてくれるので。しかも、安上がりで済むのだ。
※この議論がなぜ昨年のうちに日本で起きないのか? こういうのを「正論」というんじゃないの?
1961のガガーリンいらい、これまで約700名の生身の人間が、大気圏外へ出た。中には月まで行った者もいるが、それより先へはまだ誰も行っていない。
冷戦時代だったならば、米ソいずれの体制が、より優れているのかの内外宣伝に、宇宙飛行士が一役買っていた。しかし今、ロシア人や中国人とじぶんの人生を取り替えたいと思うような自由市民はいない。ロボットができる仕事、否、ロボットしか堪えられそうにないタスクを志願する自由人が、どこにいるだろうか。
2004ブッカー賞受賞のSF作家 サマンサ・ハーヴェイが、なぜ人間の宇宙活動は著しく高コストにならざるを得ないかを簡単に記述している。ロボットは、水も食料も、排泄も睡眠も必要がない。
※ロボットは救難の必要がない。これが最重要点。
※ドバイの建設工事現場は、24時間、週7日無休で進行する。そんなことを可能にしているのは、Kafaraというアラブの年季奉公で、実質、21世紀の奴隷制度であるという。
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Robert E. Kelly and Min-hyung Kim 記者による2024-12-30記事「Why South Korea Should Go Nuclear
」。
※ケリー教授は釜山大学所属。ミン教授は慶煕大学校所属。どちらも政治学。
イスラエルは今、90発くらいの核弾頭を持ち、それでなんとかやっている。韓国の場合も、独自の核弾頭は100発くらいでいいだろう。抑止対象は北鮮だけなので。
核武装した韓国は、しかし、重爆撃機や、長距離ミサイル、イールドの大きな水爆弾頭は、必要としない。
SLBМは保有できる。その準備はできている。
1961にドゴールがケネディに訊いた。NYCを犠牲にしてでも、パリ壊滅の復仇をあなたができるのかと。
ロシアがウクライナで敗北してもプー之介は核を使わないだろう。中共が台湾上陸に失敗しても熊プーは核攻撃には踏み切らないだろう。しかし北鮮の場合は違う。三代目にとって、敗北は王朝の消滅の危機だから、ためらわずに核を使うだろう。
となると、韓国に対して米国が「拡大抑止しますよ」といくら口約束しても、まったくあてにはできない。
まして、『ワシントンポスト』の記事によれば、トランプは2021に、二期目ではじぶんが米韓同盟を吹き飛ばすと私的に語ったそうであるから。トランプは韓国よりも三代目が好みなのだ。
韓国が核武装を目指すと公言して進み始めたら、北鮮は韓国内の核関連施設にミサイル空襲を仕掛けたくなるだろう。通常弾頭だと大した破壊もできないので、核弾頭を混ぜたいと思うかもしれないが、それはできない。
というのは、核の脅しは米韓の分断を促すはずだが、先制攻撃を実際に始めてしまえば、米韓は逆に結束するのが見えているので。
2023年の韓国からの輸出先の2割近くは、中共向けだった。
だから中共の経済的なイヤガラセが懸念されるが、ユン太くんはすでに2024のうちに、韓国企業は早く中共の外へ出なさい、という指導をしているのである。
2023年には、中共は、韓国からの投資先「ベスト5」の圏外に転落している。これは1992いらい、初の事態。
ウクライナを見捨てても欧州には核武装したフランスが控えているから米国は平気なものだ。同じことは朝鮮半島では言えない。しかし韓国が核武装すれば、米軍は韓国防衛から手を引いてもいいのである。今日のフランスのような役割を韓国はアジアで果たす。米国は安心してよい。
※半島の最大の問題は、そこが儒教圏であって、中共からの反近代誘掖には簡単に屈すること。そこで米軍が「監視者」として臨場している必要がある。トランプはそこが分からないから引き揚げをしたがる。このエッセイのレトリックはトランプに対しては有効だが、米国務省に対しては説得力が乏しい。核武装した韓国が中共と一緒になって反米枢軸を結成したら? いつでもあり得る転帰だ。
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Boyko Nikolov 記者による2025-1-1記事「Philippines grounded US Bell AH-1S Cobra attack helicopters」。
12月28日をもってフィリピン空軍は、「AH-1S コブラ」と「ОV-10 ブロンコ」を退役させた。
ブロンコは1991から使われていた。
コブラは、2019にヨルダンから只で貰ったものだ。
これらが引退したあとの穴は、TAI社製の「T129」攻撃ヘリと、EMBRAER社製の「A-29B Super Tucano」で埋められる。
※米空軍は今年は「A-10」を39機、ボーンヤード送りにする。2030までには現役機はゼロになる予定。
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『The Maritime Executive』の2024-12-31記事「NTSB: Fire on Dinner-Cruise Boat Shows Need for Industry-Wide SMS Rules」。
ボストン湾内のディナー・クルーズ客船の『スピリット・オブ・ボストン』号で2023-3月に船火事。国家交通安全委員会による、その調査結果が公表された。
火事は桟橋係留中に起きている。
プロパンガスの裸火を使う厨房設備(ガラス食器乾燥用?)。これがいけなかった。
初期消火ができたはずなのに、クルーの誰もその訓練を受けておらず、みすみす、大火災にした。
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ストラテジーペイジの2025-1-1記事。
アルハンゲリスクの高校では、3Dプリンターを使って、生徒たちが、無人機から投下する爆発物に必要な空力部品を製造している。
ロシア全土で、総力戦奉仕活動が奨励されつつあり。成人市民は、冬物衣料を集めて供出しなさいと促されている。それをウクライナ戦線の露軍将兵に送るのだという。
※2022-3の時点でウクライナに与える援助品として、武器がタブーの日本からは、何を考えるべきだったのか? 3Dプリンターは、とても有用だったはず。