火曜日にシリア沖でロシアのスパイ船『Kildin』がエンジン火災を起こし、5時間燃えた。Tartus港からの露軍の物料撤収は、進んでいる。

 ZEN SOO 記者による2025-1-28記事「DeepSeek has rattled the AI industry. Here’s a quick look at other Chinese AI models」。
   DeepSeek の驚異は、旧世代チップでそれが実現されたことだけではない。システムの消費する電力が、マイクロソフト社のOpenAI よりも遥かに少ない。今までのもっともらしい解説は、根底から覆った。

 中共ではげんざい、他にも改善進行中のAIサービスが列をなしている。

 まず、「Alibaba Cloud」社の「Qwen-2.5-1M」というのがある。シナでは「Tongyi Qianwen」ともいう。
 かなりの長文の質問にも答えてくれる。
 たとえば自動車メーカーが新製品を開発するときに、このAIを使えるという。

 また、「Baidu(百度)」社の「Ernie Bot 4.0」というのもある。
 中共最大のサーチエンジンが母体だけあり、中共で最も早く一般利用が可能になったチャットボットだ。
 2024-6月時点でユーザーは3億人以上。

 「ByteDance」社の「Doubao 1.5 Pro」。
 これは TikTok の親会社が先週にリリースした。
 バイトダンス社にいわせると、こいつの性能は「ChatGPT-4」よりも優れている。
 アーキテクチュアの最善化によって、他社のAIサービスよりもハードウェア投資は安価で済むのだ、とメーカーは強調。

 「Moonshot AI」社の「Kimi k1.5」。
 北京に本社があるスタートアップで、投資呼び込み活動によってすでに30億ドルを集めた。
 同社にいわせると、リリースしたばかりの「Kimi k1.5」は、「OpenAI o1 model」に匹敵しているという。オープンAIよりも長考する代わりに、複雑な難題を解いてくれる。写真や動画をインプットしたときの理解力についても引けを取らぬと会社は豪語。

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 Jordan Schachtel 記者による2025-1-28記事「The USA vs China AI race may define Trump’s second term」。
   トランプ選挙に多額課金しているマーク・アンドリーセンは、「AIのスプートニク事件だ」と評した。
 既存の「Chat GPT」、「Claude」(Anthropic社)、「Gemini」(Google社)、xAI社の「Grok」、Meta社の「LLaMA」と比べたら、取るに足らない資金で、同等のパフォーマンスをなしとげたのだ。

 ただし今後は読めない。もし「DeepSeek」の性能改善が、半自律的でなく、外部からの多人数の労力注入が永続的に必要な仕組みだとしたら、長期的に、このシステムはコストが膨らむ。他のAIは自律的に学習と情報収集を続けられるのに対して、中共ではすべてが政治的統制にアジャストして行かねばならないのだ。

 ※アルファベットの1文字ごとにピリオドを挿入して答えてくれ、とリクエストすると、熊プーの由来についても臆さずにちゃんと語ってくれることを、さっそくつきとめたマニアがいるのでワロタ。ただしこのアプリをダウンロードすれば、個人情報を抜かれ放題になる危険もあるという。

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 Gerry Doyle 記者による2025-1-28記事「Images show China building huge fusion research facility, analysts say」。
   四川省の綿陽市に、衛星からも分かる巨大な核融合実験棟ができた。レーザー核融合用。
 水素のアイソトープを閉じ込めたチャンバーに、強力なレーザーを集中する。

 見たところ、これまで世界最大であったNIF(ローレンスリヴァモアの一部分である、米国立点火施設)よりも1.5倍は規模がデカい。

 レーザー核融合実験設備は、実爆実験をしないで水爆を改良するのにも役に立つ。

 綿陽には2010年以降、巨額の実験施設投資がなされている。

 米国は過去、1054回の核兵器の実爆実験をしてきた。中共は45回である。この知識のギャップを埋めるには、レーザー核融合を活用するしかない。

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 Eduardo Baptista 記者による2025-1-28記事「Meet DeepSeek’s founder: Liang Wenfeng could upend the AI industry」。
  梁文鋒(39)は、DeepSeek社の創設者である。
 まったく無名だったが、今年の1月20日に、李強が密室シンポジウムを主催したとき、そこに9人のキーパーソンが呼ばれて演説した。その1人が梁だった。あきらかに9人のなかでいちばん若い。

 中共に「Waves」というネット・メディアがある。過去に梁は2回――2024と2023――、そこに登場している。
 2024-7のインタビューでは梁は、米国と中共のAIは2年しかギャップがないと主張。

 梁は、一からアプリを開発するのではなく、徹底的に米国の先行モデルをリサーチすることに時間と人を使ってきた。それが今回のビジネスの成功因。
 中国からは、オリジナルの発明によるブレークスルーは生まれないという弱点は、梁はよく自覚している。30年前とは違い、いまや資金で中共企業は米国には負けない。負けるのはオリジナリティ。だから常に2年、後れる。

 とはいえ、米大手の「OpenAI」も、オープンソースを使っているのだ。※基本特許はMITがもっているが、それを公開している。透明性のために。

 オープンソース文化は、ある技術を急速発展させるためには、良いモデルである。それを梁は、中共内に移植したい。

 オープンソースに開き直るからこそ、実力ある者が、それの乏しいライバルを確実に突き放すことができる。自社ソースにこだわれば、実力で劣るライバルにあっさりと追い越される。

 梁は、広東省南部で育った。80年代以降、そこでは野心ある若者が皆、学問よりも商売に乗り出そうとしていた。しかし梁は、学究指向のタイプであった。

 17歳で浙江大学に。電気通信技術を専攻し、2010年、情報通信技術の修士課程修了。

 2015に梁は、計量数学を応用するヘッジファンドの共同創設者になった。いわゆるコンピュータ・トレード。
 2021末までに会社は1000億元、稼いだ。2023-4月、「WeChat」上に、新事業に乗り出すと宣言。翌月、立ち上がったのが、DeepSeek である。

 当初から、野心的な AGI (Artificial general intelligence) を標榜していた。
 新規採用社員としては、中国の最上レベルの博士課程をあつめている。