香港の会社が傭船しているコンテナ船が紅海で燃えているのだが、これはフーシの攻撃とは関係ないのだという。

 David Choi 記者による2025-1-30記事「North Korea’s failed satellite launches may signal potential technological shift」。
   2024-5-27 に北鮮はいきなり3機の衛星を軌道投入しようと試みて、ロケットが途中で爆発。黄海にデブリが散った。
 翌日、北鮮の国営メディアは、このブースターが液体酸素を使うものだったと説明した。
 ある専門家氏いわく。敢えて軍用ロケットを使わずに、商用ロケットを開発しようとしたのだろうと。

 純粋にエネルギー効率だけ比較すると、軍用ミサイルの液体燃料は、沸点が高いので、損なのである。
 液体酸素をケロシンと組み合わせた方が、効率が好い。

 ただし、液体酸素は長期保存に不適。よって軍用にならない。

 北鮮は1998以来、これまで9回、衛星を打ち上げようとし、うち3機だけが成功している。
 最後に成功したのは2023-11-21の偵察衛星。その前の成功は2016。その前は2012。

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 Adam Martin 記者による2025-1-22記事「Lessons from Ukraine: Why the US Army Needs to Rethink Engineer Reconnaissance」。
  露軍の障碍帯は、「龍の歯」、地雷、鉄条網、対戦車壕、歩兵用立射壕、火砲用の壕などからなる複雑なものである。これを攻撃する前に、適切に敵の築城を偵察できなければ、攻撃は失敗する。それがウクライナ戦線の3年間が教えている現実。

 やっと2024-8に宇軍は一回、設堡陣地に対する正面攻撃を成功させている(於 Novyi Put 町)。弱点を事前に見極めておいたのだ。2023夏の「反対攻勢」の大失敗の原因は、この陣地偵察をロクにしなかったせいだと彼らは自覚していた。

 英軍の研究機関が結論している。2023夏攻勢は、宇軍に「工兵偵察」がまともにできていさえしたなら、失敗しなかったのだと。

 どのくらいマヌケかというと、露軍陣地の地雷原の縦深がどのくらいあるのか、事前に偵察していなかった。それで、米国から供与されていた地雷原啓開用の投射爆索を放ったはいいのだが、用意した分を使っても、まだその先に、露軍の地雷原がずっと残っていた――という次第なのだ。全部隊が立往生したのは、あたりまえである。

 ※この記事は、地雷除去鋤の付いたAFVがもっとたくさんあれば、露軍の防御帯を突破できた――と主張するが、おそらくドローン時代の最前線の実態を呑み込めていない。ふつうのAFVとちょっと違った外見――そのひとつが、対地雷プラウ装着型――の車両が出現すれば、露軍は、すべての特攻ドローンと野砲火力を、そいつの破壊に集中してくる。直ちにだ。ドローンがユビキタスに存在しなかった昔なら、そのような車両の出現は数時間は敵眼を惹き付けない。しかし今日では違うのである。瞬時に知れ渡ってしまう。他車と異なった外見=即死、なのだ。ドローンから鳥瞰すれば、宇軍がどこに主攻軸を考えているのかも、たちまちバレバレだ。

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 Stew Magnuson 記者による2025-1-29記事「Israel’s Iron Beam Set For Historic Deployment」。
   今年の後半、イスラエル軍は、世界で初めて、対空レーザー砲を普通の装備として全土に展開する予定だ。「アイアン・ビーム」と称するシステムである。

 ところで米国はどうか。2024-1のある報告書は指摘する。米国には、レーザー砲の「サプライ・チェーン」が無い、と。つまり、それは少しも工業化されていない。20門弱の実験的試作品はある。しかしそれらはすべて、研究所で組み立てられたもの。工場で量産されたものではないのだ。

 アイアン・ビームを量産化までもってきたのは、ラファエル社の先端兵器部門である。社長は Yuval Steinitz 。

 強力なレーザーを大気中で、長い距離、照射しようとすると、途中の空気によってエネルギーが弱められる。このネックを、同社は独自の発明によって、乗り越えたという。

 基本原理はシンプルだ。硬貨と同じくらいの断面の細いビームを、数百本合わせて、標的の1点に集中するのだ。
 これまでは、強力な1本のビームで標的を破壊しようと考えがちであった。それでは大気で散乱されて減衰してしまうという。

 この数百本のビームは、敵からの空襲開始と同時に、各個バラバラに、虚空を捜索する。そのうちの1本が敵ドローンに当たると、反射光が散乱する。するとその散乱源をセンサーが計測し、立体座標が計算される。次の瞬間、その捕捉済み標的に向け、他の数百本のすべてのビームが集中。これによりドローンは破壊される。1本のビームでは、破壊する力は無い。

 ビームを集中して当てる場所は、どこでもいいわけではない。ドローンや巡航ミサイルの「弱点」に集中される必要があるという。

 米海軍でレーザー砲の試験をしている中将いわく、艦艇はプラットフォームとして常に揺れているので、レーザー・ビームを標的の一点に当て続けるのが難しい、と。その課題の克服のために、かれこれ数年、努力しているところだという。

 アイアン・ビームは、アイアン・ドームと統合される。飛来するミサイルを破壊するのに最適の方法が、レーザーなのか、ABMなのか、システムが統合的に判断する。

 イスラエル政府は、アイアン・ビームを友好国へ輸出可能だと言っている。

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 「mil.in.ua」の2025-1-30記事「Production of ammunition with polymer casings for the Horizon’s Lord rifle has been launched」。
   「Horizon’s Lord」というのはウクライナのガンスミスが工房で製造している12.7ミリの単発狙撃銃なのだが、ボルトアクションの単発ということは、弾薬の薬莢を樹脂製にしたって可いわけだと考え、試作したところ、それで問題がなかったという。

 ちなみにこの12.7ミリ弾薬は、普通の「.50」とは違う。ソ連規格の「14.5×114 mm」実包の薬莢に、米国規格の12.7ミリ弾頭をねじ込んだ「12.7×114HL」というユニークな実包だ。全長16センチ。

 薬莢がデカい分、初速も大きく、おかげで、2km以上、弾道は安定しているという。、

 今日、ウクライナはロシア系弾薬からNATO系に切り替えようとしていて、「14.5×114 mm」の薬莢は入手難である。だから、その薬莢をポリマーで自作することには、メリットがある。もちろん、高靭強樹脂の専門家が、知恵を貸した。

 この樹脂製薬莢は、リロードは考えない。一回撃ったら、使い捨てる。

 「Volodar Obriyu」狙撃銃は、重さが 15.7 kg または 17.0 kg。これは銃身長が2種類あるため。
 全長 1.82 mだが、ストックを縮めると1.5mになる。

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 Sofiia Syngaivska 記者による2026-1-30記事「Ukrainian Forces Use UAVs with Full-Size FAB-250 Bombs in Precision Strikes on russian Targets」。
   ウクライナ軍は、固定翼の有人の軽飛行機である「The Skyranger Swift」を、無人の爆撃機に改造していることは、2024-4に写真証拠で明らかになった。
 このほど、その無人機が「FAB-250M-54」という、正規の250kg航空爆弾をブリヤンスクに投下してまた基地まで戻るミッションを反復していることが、確認された。

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 Svetlana Shcherbak 記者による2025-1-30記事「Ukrainian Drones Strike Key russian Military Targets in Tver Region and Baltic Pipeline System」。
   ロシアの原油パイプラインである「Baltic Pipeline System-2」の濾過装置ならびにポンプステーションがある「Andreapol」に対してウクライナ軍のドローン空襲あり。

 このパイプラインから、レニングラード地区の「Ust-Luga」ターミナルへ送油されていたのだが、それが止まった。