Claud Malhuret 仏国会議員の痛快すぎる名演説。ドゴールであるゼレンスキーを、ウクライナのペタンに取り換えようとする「コラボ(対敵協力派)」の平和を、一刀両断にした。

 Bill Sweetman 記者による記事「More Than Ever, Airpower Will Depend on Sharing Data」。
    有人機と無人機の統合運用が、重い課題になっている。これが近未来の航空作戦の運命だからだ。

 無人機は、数が多くなり、しかも1機が重武装するようになる。それらを安価に大量生産できなくてはならない。やたらに消耗するものだからだ。
 前線ではそれらが戦う。有人機は、後方からそれらを操るのである。

 操る人には、リアルタイムで、「全体像」が見えていなければならない。さもないとチーム戦力が発揮されないので。
 同僚がどこでなにをしているか。それが同時に把握されていないと、協働などできない。

 局地戦闘機の僚機間で、データを共有する達人は、スウェーデン空軍だ。彼らは30年も前からそれをやっている。
 2機の戦闘機が、前後に数十km離隔して、コンビとして飛ぶ。後方の戦闘機がレーダー波を出し、前方の戦闘機はレーダー波を出さずに受信だけする。
 編隊は、4機である。空中の4機のあいだでは、かんぜんにデータが共有されている。特定の1機が、あと燃料をどのくらい余しているか、そんなことも、残りの3機には、わかる。

 サーブ社で、「ロー・プロファイル」な未来空戦を研究している男は、元「ビゲン」パイロットのペーター・ニルソン。

 スウェーデンの調達庁はFMVというのだが、そこが資金援助している。

 知られていないが「グリペン」は高度なステルス設計なんである。それは一朝に獲得されたノウハウではない。
 1963年にビル・バーレット(米空軍でステルスを最初に唱道した先覚者)がスウェーデンを訪れて、「ビゲン」を敵レーダーに映り難くする方法を力説した。それいらい、サーブ社内で研究が続けられてきたのだ。

 これまた知られていないが、世界で最初に、集積回路ベースの「セントラル・ミッション・コンピュータ」を機載した戦闘機は、「ビゲン」なのだ。1967初飛行の。

 その40年後、サーブ社は、飛行制御系と、ミッション・コンピュータを、分離することにした。そうすることで、ミッション・コンピュータのソフトウェア・アップデートを迅速化できるからだ。

 いまや、ノースロップグラマンの「B-21」や、ラファールの「F4」も、サーブ社に続くようになった。他者から模倣されることこそ、最高の賞讃だと思うべし。

 データリンクの実用化でも、スウェーデン空軍が世界にさきがけた。1950年代、400km先から輻射されるソ連の妨害電波は強力で、軍用機のボイス通信はほとんど不可能であった。

 そこで「ドラケン」には、黎明期の「空地間データリンク」が実装された。この事実は厳秘にされ、ソ連は知らなかった。
 コクピットの表示も偽装され、見掛けは、別なバックアップ計器であるかのようになっていた。したがって、西側友好国空軍からの客人にも、それは分からなかったのである。

 ドラケンを1979に更新したビゲンには、4機編隊間でのデータリンク・システムが搭載されていた。これに米空軍がやっと追いついたのが、2005年の「F-22」である。それはNATO共用の「リンク16」よりも、やりとりが高速にできる。

 高度なデータ・リンクは、最も前方に出る味方機が、みずからはレーダー波を出さなくても、敵機の未来位置を承知できるようにできる。その未来位置に向けて空対空ミサイルを発射すれば、敵機は、わけもわからないうちに、虚空からの奇襲を喰らって散るのである。

 グリペンの編隊内データ・リンクは、僚機の残燃料と残兵装を、他の3機に知らせてくれるようにもなった。「F-35」よりも20年早く、それを実現したのだ。

 最新のグリペンは、1機に40個の異なるアンテナが装置されていて、テラバイト・サイズの情報を集める。それが4機編隊になってデータを交換すれば、シチュエーション・アウェアネスに不安は無い。

 できればアクティヴ・レーダーを一度も使わずに空戦したい。使うとしても編隊の中の1機だけが、ここぞという一瞬だけ使うようにしたい。その理想を、スウェーデン空軍は、近未来の無人機で、実現するつもりだ。

 たとえば、空対空の長射程ミサイルには、データリンクが必要である。しかし、そいつにデータを送る機体は、発射母機である必要はないのだ。

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 Jessica Rawnsley 記者による2025-3-10記事「JD Vance’s cousin criticises him for ‘belittling’ Zelensky」。
  JDヴァンス副大統領には Nate Vance という名の従弟がいる。ネイトは3年間、義勇兵としてウクライナ軍に身を投じていたが、月曜日にBBCのインタビューに答えた。

 先のオーバルオフィスでの醜態。マスコミのTVカメラの前で他国の元首を公然とけなすとは。トランプとJDは、まさしくプー之介にとっての「役に立つ馬鹿(useful idiots)」の役割を演じていた。

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 ストラテジーペイジの2025-3-12記事。
  イランは「Fajr-5」という多連装ロケット発射システムを使って、機雷を敷設するつもりである。
 すでに演習でそれを実験した。
 ペルシャ湾に誰も入って来られないようにしてやるのだ。

 ホルムズ海峡を機雷封鎖すると、イランの原油の密輸出は不可能になるが、他の湾岸産油諸国も、原油/LNGの輸出がほとんどできなくなる。

 ※これは表向きの韜晦宣伝で、イランの真の計画は、ホルムズ海峡の水中でイランは随意のタイミングで核爆発を起こす能力がある、と、トランプに信じさせること。すでにそれには成功しているように私には思える。

 ※CNNによると、インドネシアでキリスト教に対する悪口を発信し続けていたインフルエンサーが、懲役2年10ヵ月の量刑を言い渡された。そうした活動の背後で、特定国内の分断、特定同盟の分断を推し進めている黒幕が誰なのか、アタマを使って考えることだ。「F-35にはキルスイッチがある」という都市伝説も、とつぜん、各国一斉に湧いて出てきた。

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 Joseph Trevithick, Tyler Rogoway 記者による2025-3-11記事「You Don’t Need A Kill Switch To Hobble Exported F-35s」。
  キルスイッチなんてものを使うには及ばない。米国が、F-35のメンテナンス・チェーン/ロジスティクス・チェーンの機能を停めるだけで、外国のF-35は飛べなくなるのだから。

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 ロイターの2025-3-12記事「Captain arrested in UK ship crash is Russian national, owner says」。
   英国沖にて、米軍用のジェット燃料を運搬していた石油製品タンカー『Stena Immaculate』に、コンテナ船の『Solong』がブチ当たって、コンテナ船は丸焦げとなり、タンカーからは油脂が流出して海洋汚染も惹き起こした大事故。やはりロシアの特攻テロだった。

 ハンブルグ市に住むコンテナ船オーナーが、水曜日に証言した。その船長(59)はロシア国籍だと。英国当局はこの船長を殺人容疑で逮捕した。

 『Solong』は衝突時にはポルトガル国旗を掲げていた。
 船長以外のクルーたちの国籍は、ロシアとフィリピンだという。

 『Stena Immaculate』はぶつかってきたコンテナ船より小型。船員1名が行方不明になっているが、おそらく爆発で死亡した。

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 Brian McElhiney and Keishi Koja 記者による2025-3-12記事「Blaze breaks out on ship towing materials for new Marine airfield on Okinawa」。
  辺野古の滑走路建設のための資材を運搬していたバージが火曜日に炎上。
 火災は18時頃、発生。
 位置は辺野古から東南東に10浬の海面。

 曳き船の『まるまさ 1』が、キャンプ・シュワブ建設用の砂を積んだ艀を曳航していた。その曳き船の機関室から油が洩れ、火が着いた。
 火は、乗組員が消した。

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 Boyko Nikolov 記者による2025-3-12記事「155mm NATO shell production in Ukraine hits bureaucracy snag」。
   155ミリ砲弾工場を新設・増設するには、ヒトとモノに大変な長期投資をしなければならない。ということは、ウクライナの国防省が、国内の会社経営者に、相当に長期の契約を提示するのでなかったら、社長・重役たちが、それに乗るはずがない。ところが国防省はその決心ができずにぐずぐずやっている。このままでは前線の味方の砲弾は涸渇し、前線の防衛は崩壊する。

 ※クラウゼヴィッツは、ナポレオンのどこがどう優秀だったのかを、イエナの敗戦に遭っていらい、一生かけて考えていた人だが、要は、瞬時に最善解を見抜いてしまえる個人的な属性=戦争の天才 だったのだと結論するしかなかった。ところがそのナポレオンも、「補給」に関しては、1812年に――否その前の大陸封鎖令の頃から、最善解を得ることに失敗し続けているのである。どうやら、大会戦の指揮と、長期戦補給の見通しとには、別な才能が必要だったわけだ。それを個人が一身に兼ねるのは無理にきまっていると呑み込めたから、1830年代以降、プロイセンでスタッフ・システムが完整されるようになった。そのシステムもしかし、戦争が長期化すればするほどに、正鵠性が怪しくなってしまうということは、ドイツの二度の大敗、大日本帝国の自殺をはじめ、例証に不足がなかろう。今日の155ミリ砲弾は、中途半端な設備の工場で安易に量産できるシロモノではない。それに対してイランが指嗾している各地のテロリスト集団は、弾薬を地下工場で無尽蔵に量産できている。ウクライナ政府は、ハマスやヒズボラやフーシにこそ学ぶべきなのだ。これらテロリストは、152/155ミリの榴弾なんか、製造しない。では、何を製造しているか? このコーナーの読者には、説明の必要はないだろう。

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 「mil.in.ua」の2025-3-11記事「Dutch Ship Launches Tomahawk Missile for the First Time」。
   フリゲート艦『デロイテル (F804) 』が、オランダ海軍の軍艦として初めて、トマホーク巡航ミサイルを発射した。
 場所は米国東海岸沖。ノーフォーク軍港の近くで。

 このトマホークは対地攻撃用である。1000km以上、飛翔する。

 オランダが、米国からトマホークを買うと発表したのが2023-4月のこと。それから2年だ。

 このあとオランダは、『Walrus』級潜水艦からもトマホークを撃てるようにする(ただし4艦あるうちの2艦のみに積む)。そのデータを今回は、取った。

 また、こんかいと同型のフリゲート×3艦も、2029年までに、トマホークを実装する。

 すでに豪州海軍は、その駆逐艦からトマホークを訓練発射している。