クルドのテロ組織PKKは、トルコ軍の「アキンジー」無人機を撃墜した。場所はイランとイラクの国境線付近。16日夜から17日未明にかけての夜間。SAMはイラン製の「358」ではないかという。

 John Cassidy 記者による2025-3-17記事「Even Donald Trump’s Historical Role Model Had Second Thought About Tariffs」。
  ウィリアム・マッキンリーはオハイオ人で、1897-3の就任から1901-9に暗殺されるまで、大統領であった。1901に再選され、その二期目の途中。彼は共和党員。暗殺者は、無政府主義者だった。

 アラスカのいちばん高い山をマッキンリー山というのは、この大統領にちなむ。トランプは、その名前をまた使うように命令した。
 マッキンリーは米国をリッチにした、とトランプはSNSに書き込んでいる。信奉者なのだ。

 南北戦争後の数十年は、マッキンリーは、米国産業を高い関税で保護しなければいけないと信じた。
 1890年、連邦下院の大物議員だったマッキンリーは、関税法の実現に尽力し、多くの輸入品に、最大で50%の関税をかけた。

 1898の米西戦争を、マッキンリーは主導した。その結果として米国は、ハワイ、比島、プエルトリコ、グァムを領有することになった。

 マッキンリーが、トランプにとっての「ロール・モデル」であることは、疑いもない。

 19世紀の米国では、綿花を輸出したい南部は自由貿易にメリットがあり、逆に、工業を英国製品から防禦したい北部資本家は、それでは困るのであった。

 マッキンリーが連邦議員になった1877時点では、米国の工業は急発達中であった。
 オハイオ州は、かつては農業州だったが、その頃には、炭鉱および鉄鉱山および製鉄業の一大中心地だった。
 マッキンリーの父の事業は鉄と関係が深く、選挙地盤も鉄と関係があった。

 1888の国政選挙で共和党が勝ってから、北部の保護主義志向を法令に反映できるようになる。
 1890-10-1に、ベンジャミン・ハリソン大統領は、関税法にサインした。しかし直後の国政選挙で共和党は大敗する。
 関税のせいで諸物価が上がり過ぎていたのだ。この歴史はトランプにとって戒めにもなるだろう。

 マッキンリーの死後、後継大統領になったセオドア・ローズヴェルトは、マッキンリーの関税を緩和した。
 しかしマッキンリー関税が惹き起こした不況モードからの恢復には、米国経済は、1897までかかってしまう。
 1893には金融恐慌もあった。多数の銀行と鉄道会社が倒産している。

 ※うーんと若い頃、都内で、空いている時間帯の電車に乗っていて、ふと、向かいの席に腰掛けている男性の靴が、左右ともに、異常に寸詰まりなことに気づいた。後になり、どうもその人は植村直己さんだったんじゃないかと、勝手に思うようになった。冬のマッキンリーに世界で最初に、単独登頂したといわれている。

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 Ann Carrns 記者による2025-3-14記事「Buying a Car? Trump’s Tariffs Could Make It More Expensive」。
   ある試算によれば、これから米国内で買う新車の値段は、ガソリン車で4千ドル~1万ドル、高くなるだろう。電気自動車の上げ幅は、もっと大きい筈。ただし、この試算は、鉄鋼とアルミの輸入関税を考慮していない。

 すなわち新車の平均価格は4万5000ドルから4万8000ドルにはなるだろう。
 この価格帯の買い物をするときに、パニック反応みたいに急いだりしたら、ダメだ。

 ※ネタかもしれないが、2023-12の米国内の調査で、企業の採用面接をしている人事担当者にアンケートをとったところ、19%もの大卒応募者が、面接会場に親同伴で来ていると分かったと。また、ふさわしくない服装で現れる大卒応募者は47%おり、相手の目を見て話せない者は53%にのぼる、と。

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 Robert Schreiber 記者による2025-3-17記事「Artificial photosynthesis breakthrough replicates early plant processes」。
  太陽光線を捉え、二酸化炭素と水から、炭水化物・糖類と酸素を合成する「光合成」の天然プロセス。
 植物のこの機能は、今日でも未解明の部分があって、工場で再現することが難しい。

 人造光合成というものがもしも可能になるなら、水素燃料生産も、ずいぶん安価にできるようになるはず。もちろん、二酸化炭素の問題など、雲散霧消してしまう。

 このほど、バイエルン州ウルツブルグ市にあるユリウスマクシミリアンズ大学の化学教授が、人工染料の配列を工夫することで、その実現に一歩、近づいたという。ソウルの延世大学が共同研究しているという。

 ペリレンビスイミドの分子を4つ、垂直に積み上げる構造が、よかったという。

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 Ronald Bailey 記者による記事「Researchers Used Mosquitos To Deliver Malaria Vaccines」。
   オランダの研究者が、マラリア蚊に、ついでにマラリア・ワクチンも運搬してもらえば、万事解決じゃね? ――と発想している。

 弱性のマラリアに感染した寄生虫を、マラリア蚊に運搬させる。その寄生虫はヒトの肝臓の中で1週間で死んでしまうように改造されたものだ。その寄生虫によって、免疫がヒトに与えられる。

 正攻法たるマラリア・ワクチンのほうもまた、近年、改良が進んでいる。

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 Defense Express の2025-3-17記事「Ukrainian Drones Strike Gas Processing Plant Near Astrakhan」。
   ずんぐりした紡錘形の胴体にエンテ翼、内燃エンジンでプッシャープロペラを回して片道特攻する「Bober」というウクライナ国産の自爆機が、絶好調。

 17日の夜、アストラハンにある、ガスプロム所有の天然ガス加工プラントを直撃し、大火災を生じさせた。飛距離は900kmだったと信じられる。

 このプラントはロシア最大級で、年に100億立米の天然ガスと、350万トンの液化天然ガスを出荷する他、ガソリン、軽油なども製造していた。

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 ストラテジーペイジの2025-3-17記事。
  ロシアが輸出する穀物は西側の経済制裁の対象ではない。しかしウクライナ戦争の余波として、その輸出は縮小しつつある。

 2024年にロシアは7200万トンの穀物を輸出したが、2025年はそれが4200万トンに減るであろう。
 過去の調子のよかったとき、ロシアは毎年、穀物輸出で150億ドル~160億ドルを稼いでいた。

 しかし昨年いらい、天候不順と、政府が外国から「種」を輸入させない政策を取ったために、収穫量は、平年作の三分の一に……。

 さらに、戦費捻出のため穀物貯蔵施設のメンテナンスにかかわる政府補助がなされなくなり、結果として倉庫内で1000万トン近い穀物が腐ってしまっている。

 さらに、生産現場から男手が逃げ出している。ロシアは建前では中年の農場労働者を徴兵しないが、各地のリクルート担当者にはノルマが課せられているゆえ、いたるところで事実上の強制徴募がまかりとおる。それを忌避して、男たちは国外へ脱出しているのだ。

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 Boyko Nikolov 記者による2025-3-17記事「Ukraine uses a new unknown drone to intercept Russian choppers」。
    3月16日に目撃された、ウクライナ軍の新型迎撃UAV。
 露軍の有人ヘリコプターや、無人偵察機を撃墜するためのスペシャル兵器らしく、直撃の他に、近接自爆もするという。

 プッシャー・プロペラ(3翅)推進で、「主翼」の両翼端に垂直尾翼(しかもラダー付き)が配置されており、しかも、水平尾翼はそれとは別に備わっているという、世にもけったいなレイアウト。

 尾翼は純然たる「安定板」で、操舵面が無いようだ。

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 「mil.in.ua」の2025-3-17記事「Drone Crashes into Helicopter in South Korea」。
  17日の午後1時に、軍用偵察UAV(イスラエル製のHERONらしい)が、韓国のソウルのすこし北にある楊州の軍用飛行場に着陸せんとしたところ、駐機していた有人ヘリコプターに衝突して炎上。

 怪我人はいない。火災は20分で消し止められた。
 しかし1機の「KUH-1 Surion」ヘリは、全損。運悪く、燃料満タン状態だった。

 韓国軍のHeronは、2018年と2024年にも、似たような事故を起こしているという。

 ※この前の誤爆事故もそうだが、北鮮発のGPS攪乱電波にやられているんじゃないのか?

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 Boyko Nikolov 記者による2025-3-17記事「Russian satellites rehearse attack and defense in low orbit」。
   米国防総省によると、複数のロシアの衛星が先週、ASAT演習を大気圏外(LEO)で実行した。CNNが報じた。
 周回高度は500kmほど。

 「コスモス2581」「2582」「2583」は、ことしの2月14日にプレセツクから打ち上げられた。
 極軌道に、かなり近いもののようである。

 そして、狙った衛星を包囲できることを、アメリカに見せつけた。

 ※これはイーロン・マスク氏に対する脅迫だ。どうやら、とても効いているようだね。

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 「mil.in.ua」の2025-3-17記事「Germany Develops Plastic Ammunition to Combat Drones」。
   ドイツのRWS社は、自動火器からふつうに連射ができる、対ドローン専用の、プラスチック弾を、開発したという。

 7.62×51mmのNATO弾の実包の、弾頭だけをプラスチックにした。
 なぜそんなめんどうなシロモノをこしらえる必要があるかというと、都市で頭上に向けて乱射するから。逸れ弾が落下したときに、住民に与える毀害を最小化できる。

 ただし、ガス利用の単銃身機関銃では、やはり、回転不良が起きるらしい。
 それで、この弾薬は、「ミニガン」のようなガトリング形式の自動火器に供給する。
 ガトリング形式ならば、排莢はメカニカルに強制されるので、ジャムと無縁になる。

 弾頭は軽重の2種類が用意され、軽いほうは100m有効だが、見物人のリスクゾーンは400mある。

 重いほうは、弾重3グラムで、有効300m。これは市街地では使えない。リスクゾーンは1000mになる。

 会社はいろいろな素材で専用弾をつくってテストした。結果、都市域で対無人機に使うのならば、当たって砕けるプラスチック素材が最善だとの結論を得た。

 ※銃口から50m飛んだところで尻から糸を出し始め、それを曳航して飛ぶ、7.62mm弾にすればよいのではないか。曳光弾と同じ重量で細工できるだろう。この「糸」は極薄の「弾殻」の内壁をリバース・ボビンとして、ぐるぐる巻きに糊付けしておけばいい。全部繰り出されたところで、ペラペラの弾殻と、流さ数十mの凧糸の組み合わせとなるから、落下したときの人畜に与えるパンチ力を極少化できるはずだ。