John Vandiver 記者による2025-3-20記事「Why isn’t AFRICOM in Africa? Here’s a look at the command’s history and its uncertain future」。
アフリカ・コマンドは18年前にシュツットガルト市に新設された。当時から、なんでドイツに置くんだと言われていた。
そして今、米国政府は、アフリコムがそもそも不要だろ、と言い始めた。
2015年にも当時のマケイン上院議員が、戦闘コマンドの機構を整理・合理化しろ、と唱えた。
シュツットガルトには欧州コマンドも置かれている。そこの司令官を2009~2013にやっていたスタヴリディス提督は、ユーコムとアフリコムは合併してしまうがよい、と以前に唱えた。
スタヴリディスはまた、米本国に置かれているサザン・コマンドとノーザン・コマンドも統合すべし、という意見もかつて表明したことがある。
しかしスタヴリディスは見解を変更した。ユーコムとアフリコムを合体させると、所帯が大きくなりすぎる、というのだ。その業務は1人の司令官では捌き切れないだろうという。
トランプ系シンクタンクの「ディフェンス・プライオリティーズ」は、合併支持だ。
すなわち、アフリコムはユーコムの隷下機関(したがってその司令官は三ツ星の中将)とすれば十分だと。
反対意見。アフリカは異常に広域で人口は爆発中。そこで中共と熾烈な競争をせねばならぬ。小さい組織では面倒見切れぬ、と。
米連邦議会の上院議員どもは、色めき立っている。この巨大なアフリカ・コマンドの司令部を、じぶんの地元の州に引っ越しさせることができれば、我が世の春が来るからだ。
トランプは、とりあえずアフリコム司令部は、ドイツの外に出せという所信。
水曜日にCNNは報じた。ペンタゴン内で文書が作られた。それによると、欧州コマンドとアフリカコマンドを合体させ、また、北コムと南コムを合体させると、国防費を3億3000万ドル節減できる、と。
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2025-3-19記事「‘Fifth column’ forming in Lithuanian parliament, says MP」。
リトアニアの国会議長いわく。ロシアの手先の第五列が議会内に形成されている、と。
この連中は、ロシアに対する制裁に反対する投票行動を見せるので、すぐに分かる。たとえば農産品の輸入制限問題で。
※SNSの書き込み。国境の外から外来植物を持ち込むと、それは自然の生態系を破壊するから違法だという。しかるに同時に、欧州に数百万人単位でアフリカ人を運び入れることは、多様性を増すことになるから、元からの住民にメリットがあるのだとの主張。欧州は、偽善天国。
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Madis Hindre 記者による2025-3-18記事「How to spend half a billion euros: What could Estonia buy instead of HIMARS?」。
エストニアにまだ最初のHIMARSが納品されて来ていない段階で、政府は決定を迫られている。類似の長射程地対地ロケット砲システムを、次からは米国以外の売り手から買わねばなるまい。
オプションとして、トルコ製、韓国製、イスラエルとドイツの共同生産品、がある。
エストニアは6セットのHIMARSの代価を払っており、それは今年の夏にやってくるはず。
それはATACMS発射可能なシステムだ。
ATACMSは1初が150万ユーロ。安くはないが、300km先の数百万ドルの高価値目標を精密に撃砕できると思えば、妥当なコストだ。
しかしじつはATACMSを18発、ほんとうに買えるのかどうか、ハッキリしないのだという。
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ロイターの2025-3-21記事「Ukraine strikes Russian strategic bomber airfield, triggering huge blast」。
国境から700km離れた露領内の戦略爆撃機の拠点、エンゲルス空軍基地を、宇軍のドローンが片道特攻攻撃し、大爆発。木曜日のこと。
※精油所攻撃は30日間止めてやるが、代わりに「ツポレフ160」を灰にしますよ――と米政府向きには説明しておいて、じつはこれも、燃料タンク攻撃だろう。火災が長時間続いているそうなので。
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Lee Habeeb 記者による2025-3-19記事「Remembering Tony Dolan: President Reagan’s Chief Speechwriter」。
トニー・ドランは、レーガン大統領のチーフ・スピーチライターだった。「悪の帝国」は、彼が書いた1983原稿から生まれた表現だ。「壁を引き倒せ」とベルリン市民を煽動したのも、彼の1987の筆先であった(演説から4年後にその通りになった)。
彼は若いときの調査報道で、ピューリッツァ賞をとっている。それは1970年代後半の、地方自治体がマフィアに牛耳られている実態を暴いた仕事だった。
ドランは今月、76歳で、ヴァジニア州で没した。
イェール大卒。悪の現象学を考究していた。カトリックだった。
靴はいつもカウボーイ・ブーツ。
DCにあるビストロ「カフェ・ミラノ」のウェイター全員の名前と生い立ちを記憶していて、彼らと談笑していた。
2002にドランはヘリテージ財団にてこんな演説をしている。
――1800年代のジェファソニアン、1830年代のジャクソニアン、1861のリンカン共和党、TRとウィルソンの改革、FDRのニューディーラーたち。いずれも、選挙で勝ったあとに、既存土着の大きな腐敗構造をブチ壊したのである。そして今後、既存の資本エリートに対するポピュリストの反撃がある筈だ――と。
トランプは今年、ドランを特別アドバイザーに任用した。だが1週間後にドランの寿命が尽きた。
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ストラテジーペイジの2025-3-20記事。
海兵隊はF-35の構成を変える。
C型を増やし、B型は減らす。
F-35Cは、計画では67機だったが、それを140機にする。
F-35Bは、計画では353機だったが、それを280機にする。
そのスコードロンは、従来10機だったのを、12機編成にする。
大きなスコードロンでは、その12機に対して14人のパイロットを置き、また整備員も24名増強する。
※SNS投稿によると、RAND研究所がこんな報告をしているという。1975年から、米国人の富79兆ドルが、下層90%民からトップ1%民に移転された。もし50年前と同じ所得再配分の流儀が今まで継続されていたとしたならば、今日の中産階級の所得は、2倍になっていたはずだという。
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AFPの2025-3-20記事「US sanctions Huthi-linked China oil refinery」。
フーシが営業するタンカーで、イラン産の原油を5億ドル分も買い付けた、中共の石油精製会社に対して、米財務省は火曜日に、制裁を科した。
これらの精油工場は「Teapot refineries」と呼ばれ、国営の大手製油会社から、下請けの仕事を貰っているのである。すべて、民営。
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Defense Express の2025-3-20記事「Cutting-Edge Camouflage: Ukraine’s New Anti-Thermal Suits Redefine Battlefield Tactics」。
19日に報道陣に画像が公開された。ウクライナ国内で、狙撃者用に開発したギリースーツは、赤外線欺騙が万全。兵隊の輪郭もまったく背景から区別できない。
背景の赤外線輻射を、反射する素材なのだという。だから周囲に溶け込める。
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Sofiia Syngaivska 記者による2025-3-19記事「Ukrainian Magura V5 Drone Swarms Break Through, Overloading russian Defenses with New Upgrades」。
水上無人艇にも「デコイ」が登場した。それらをスウォームで殺到させることにより、本チャンの爆装艇を確実に突破させる。
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「mil.in.ua」の2025-3-20記事「EU aims to poach American scientists」。
トランプが大量にレイオフする軍事系の科学者を、EUで雇用しようという動きが見られる。
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Christina Larson 記者による2025-3-19記事「「What to know about the bird flu outgreak in wild birds and what it means for backyard bird feeders」。
2021年後半に米国内で鶏卵価格が高騰したのは、鳥インフルエンザのせいだった。
野鳥は罹るのか?
罹る。北米では170種以上の野鳥が鳥インフルにかかる。
アヒルから、野生のキツネに移ることも、ある。
鴈・鴨のように大群で渡りをする野鳥は、鳥インフルで大量死することがある。
群棲している海鳥も、影響を受ける。
もし、様子のおかしい野鳥を見たら、素手で触れるのは推奨しない。マスクもするべきである。
個人宅の裏庭の野鳥用のバードフィーダーが感染拡大の媒介になることはまずない。
しかし、家禽を飼っているのであれば、用心のために、バードフィーダーは撤去したほうがよい。
飼育用の巣箱も、バードフィーダーも、定期的に清掃すること。
バードフィーダーから鳥インフルが人間に感染する可能性は、すこぶる低い。
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Meaghan Mobbs 記者による2025-3-20記事「The Misleading Metric of Aid to Ukraine」。
ウクライナ軍の2023の反対攻勢の失敗は、下手な援助が如何に無駄に了るかの好見本である。あのとき宇軍に一番必要だったのは、土工重機などの工兵器材だった。それが、タイミングよく大量に与えられなかったせいで、他のすべての援助費用もドブに捨てられた結果になったのである。
金額が多いか少ないかではない。戦争ではタイミングがすべてなのだ。タイミングに間に合わないものを百倍援助したって、それはドブに捨てているのと同じことなのである。こんな常識がいまだに西側の政治家には分からない。
※無駄になり得る援助品と、無駄にはなり得ない援助品とがある。デュアルユース品は、タイミングや量の如何にかかわらず、無駄にならない。戦車は無駄になり得る。サイドカーは、無駄になり得ない。戦後は零細商人の屋台にもなる。サイドカーの多機能化を、追究しなくてはならない。
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Edward Luttwak 記者による2025-3-20記事「How rearmament can make us rich Europe must invest in high-tech weapons」。
1954年5月1日のメーデー式典にて、ソ連空軍の2機の4発ジェット重爆「ミヤシシチェフ4」型が、赤の広場の上空を航過した。機体の大きさからして、ソ連本土から米本土のDCまで到達するのではないかと、米国の情報部局には、印象された。
当時は写真偵察衛星が無いから、それ以上の情報が入らなかった。
今なら、外国が開発中の新鋭軍用機は、それが初飛行するよりも何年も前から衛星で探知でき、それを量産する工場の能力も、そのラインが稼働し始める前から衛星で解析できてしまう。しかし、当時は、なにもかもが、不明だった。
1955年7月10日、こんどは10機の「Mya-4」型重爆が、ツシノ航空ショーの会場上空を航過した。その最後の1機が地上からの視野から消える前に、また18機が現れ、観衆の頭上を次々航過した……ように人々には印象された。
早とちりのリポーターは、ソ連は28機の戦略重爆を持っていると結論した。すなわちソ連航空工業界は、1年にして長距離ジェット爆撃機を30機くらい量産可能にしたのだ、と。
米空軍とCIAの粗忽な分析者たちは、1960年までに、ソ連は800機の「Mya-4」を保有して、全米の中小都市を隈なく核爆撃可能になる、と予測した。
すべてはフェイクであった。
「Mya-4」を動かすミクリン・エンジンは、鹵獲したドイツのジェットエンジンから発展させたもので、燃料を著しく消費するため、大陸間飛行には、まるで向かないしろものだったのだ。
2024年にイスラエルの経済は1%、成長した。兵隊の動員と兵器増産と経済成長は、同時に可能なのである。これは労働者の15%もがハイテク分野にあつまっていることと、関係がある。
ツシノ航空ショーのあと、JFケネディーは、民主党から大統領選挙に立とうとしていた。JFKは、米ソの間には「爆撃機ギャップ」があって、それはアイゼンハワー政権の無気力のせいだ、と現大統領を攻撃した。
朝鮮戦争は終わっていたが、ベトナム介入は未だだった。そんな1955年の米国防予算は、GDPの9.4%だった。
米国は、「B-47」中型ジェット爆撃機を2000機以上、量産した。その後継は、8発ジェット・エンジンのB-52で、700機以上、製造された。「B-47」は足がみじかいので海外展開させる必要があって面倒だったが、「B-52」は米本土からソ連の心臓部まで到達できた。