Mark Piesing 記者による2025-3-30記事「Why Norway is restoring its Cold War military bunkers」。
ノルウェーの各地で、冷戦時代に3000箇所も建設された岩盤内の地下壕が、ふたたび活用されようとしている。
こうした地下施設の中には、F-35戦闘機をそっくり引き込んで整備が可能な横穴トンネルもある。
ある空軍基地の場合、トンネルの延長は909mある。岩質は斑糲岩だったりする。
多くの地下壕は、今から40年ほど前に閉鎖されて、施設全体がモスボールされていた。
いったん廃止された地下施設を復活させるためには、通信線などの工事を改めてやりなおさなくてはならず、そのコストはかなりかかる。
また、ポスト冷戦期にそれらの地下施設の座標はロシアによって調べ上げられてしまった。復活させても、もはや所在そのものは秘密にはできぬわけである。
また、昔は誘導爆弾で通気孔を正確に狙うなんてことはできなかったが、今日はそれが可能になってしまっている。地下バンカーから地表まで延びている通気孔の位置は、マルチスペクトラムの衛星センサーで、絞り込める。
英国のコーシャムにはかつて、核戦争の指揮所があった。地下トンネル網があって、そこに国防省が移ることになっていた。今は使用されておらず、モスボールされている。
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Kalea Hall, Nathan Gomes and Nora Eckert 記者による2025-3-30記事「Why Trump’s auto tariffs will hurt his working-class supporters」。
関税は、新車の価格を押し上げるので、米国内では、中古車需要が増加する。
デトロイトのメーカー群は、儲けの幅が大きなトラックとSUVの国内製造に集中している。普通乗用車ではなく。
カナダやメキシコで製造されている乗用車は、米国内での市販価格が6000ドルくらい、上がることになるだろう。
いま、米国内では、3万ドルで買える新車は、稀だ。ほとんどの新車は5万ドル近くするのである。
低価格帯の自動車を米国内で売って利益を出せる唯一の方法は、国外で安く製造することであった。
ロイターがデータを調べたところ、いま、米国で、3万ドルで買える新車が、16モデルある。そのうち、米国内で組み立てられているのは、トヨタのカローラのみ。他の15モデルはすべてメキシコ、韓国、日本からの輸入車なのだ。
自動車を買うのに4万ドルも出せないという層の人々は、トランプ関税の導入後は、中古車を探すことになるだろう。かたや、いくつかのメーカーは、低価格の新車を米国内で売ること自体を諦めるはずだ。
人々が中古車市場に殺到すれば、中古車価格も上がる。これ、需給の摂理。
ルイジアナ州の田舎の中古車店でウロウロしていたオッサンが語る。ファミリー・カーが必要なんだが、今、その新車価格は、家の転売価格の半分くらいもするようになってきたんだよね。解決されていない問題は、アメリカ国内で誰も安上がりに自動車を製造できないということじゃ。
統計がある。2024年の選挙では、世帯年収が5万ドル未満の有権者の約半数が、トランプを支持した。また、大卒未満の学歴の有権者の56%が、トランプを支持した。
GМが3万ドル未満で売っている3車種、すなわち「Buick Envista」と「Chevrolet Trax」と「Trailblazer」は、いずれも韓国国内で製造した輸入車だ。GMはまた、数十万台も売れているフルサイズのトラックをメキシコ国内で製造させている。
どうしても必要な自動車の価格が上昇すれば、米国内の消費者たちは、これまでなら他に使えたカネを吸い取られてしまうので、消費行動の裁量自由度が減殺される。
デトロイトに拠点があるGМとフォードとステランティス――ジープやRamトラックのメーカー〔旧クライスラー〕――は、エントリー・レベルの低価格モデルを、近年、米国内では製造しなくなった。トラックやSUVの儲け幅が大きいので、米国内ではそれらの高価格モデルの製造に集中したのだ。結果、エコノミー・ヴィークルの米国内市場は、アジアの自動車メーカーが引き継ぐことになった。
フォード社は、製品ラインナップのうち、最も安価なモデル――コンパクトな「マヴェリック」トラックと、中型の「ブロンコ・スポート」――を、メキシコで製造している。いずれも米国内では3万ドル以上の値段で売られている。
ジープの最も安いモデルは「コムパス」というが、これもメキシコ工場製。
米国内で3万ドル未満で販売されているニッサン、マツダ、ヒュンダイ、キア、トヨタ、スバル、フォルクスヴァーゲンの各モデルは、ことごとく、メキシコか、さもなくば韓国国内で製造されているものだ。
ホンダは主力商品の「シヴィック」を、カナダと米国内で製造している。ホンダの「HR-V」クロスオーバー車は、メキシコ工場製。どちらのモデルも米国内では3万ドル強で売られている。
これら低廉価格帯の商品は、マージンが薄い。そして買い手層は、値札に敏感である。したがって、高い関税は、これらの商品の販売そのものを、あり得なくする。
中古車価格は、パンデミック期間中、高騰したが、今は、落ち着いてきた。今、その平均値をとると、2万5006ドル〔3月28日のレートで375万2463円〕で、これは1年前より1%安い。
ただし、1万5000ドル未満の中古車となると、今、ディーラーには、在庫が30日分しかない。これは中古車すべての平均在庫より12日分少ない。
需要は、価格が1万5000ドルから2万5000ドルの間の中古車に集中しつつある。これらの新車モデルが米国市場から消滅することが確実に予想されるので。
フェニックス市で2022年製造の「ホンダ・アコード」を3万ドル未満で買った、IT業界の44歳の人。トランプ関税の話を聞いて大急ぎで3万ドル以下の新車を探し回り、やっとみつけることができたと語る。ぐずぐずしていたら、とてもこの値段では入手ができなかっただろう、と。
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ANDREA RODRIGUEZ 記者による2025-3-26記事「Ingenuity at sea: Cubans use makeshift rafts known as ‘corchos’ to catch elusive fish」。
発泡スチロール(polyfoam)で小さな箱をつくり、その上に乗って海の魚を釣る。そのような零細漁労がキューバでは見られる。
キューバ漁民の平均月収は25ドル。小型ボートは3万ドルもして、手が届かない。
しかしハバナ市の近くの貧乏猟師は、漁船を買う必要はないのである。スチロパールのミニ筏を、じぶんで手作りすればいいのだ。釣った魚は少量でも、すぐ首都で売れる。
こうした筏は「コルチョ」と呼ばれている。木のコルクの意味だ。
発砲スチロールを2×1.5mの四角形に切り出し、アルミ棒で形を固める。
これをオールで漕ぎ、海上に5~6時間も、これに乗って浮かんでいる。ときには、超小型の船外機を付けている漁民もいる。
釣り糸の先には、レジンと虹色の紙でこしらえた「烏賊」形の疑似餌。狙う大型魚は、生き餌を避けるのだという。
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Tim Collins 記者による2025-3-28記事「For Putin, ammunition costs money, and the dead cost nothing」。
ベルゴロド州への宇軍の逆侵攻に注目する。これは昨年のクルスク州への逆侵攻よりも規模は小さく、「バトル・グループ」サイズである。
しかし、米国供与のブラドリー装甲車が数十両、中核になっている。
高地と、枢要な町村が、点々と占領されている。露軍はいたるところ、防戦にいとまがない。
宇軍はこのたび、「威力偵察」をそのまま、浸透戦術につなげているように、思われる。敵の弱点を捜索しつつ前進し、それがみつかったなら、イニシアチブを発揮して、敵のはるか後方まで突出してしまうのだ。
高度なISR能力と機動力が両立しているブラドリーが、役に立っている。
記者(英SASの元将校で、イラクでの指揮経験あり)が前線を取材して確かめられたこと。露軍は、人海突撃の第一波に、独歩負傷兵を立てて来る。松葉杖をついた奴らが、ゾンビのように向かってくるのだ。
これは政治の縮図である。ゼレンスキーもプー之介も、今、戦争が「ミュージカル・チェアー」(椅子取りゲーム)の段階に至っていることを認識している。アメリカが音楽を止めたとき、その位置が、停戦ラインになるのだ。だから、死力を尽くして、暫定停戦線を少しでも押し上げようとしている。宇軍はそれに虎の児のブラドリーを投入している。露軍には機械化装備はもはや無いので、役立たずで無価値だとプー之介が考える負傷兵たちを突撃の第一波に仮借なく投入して費消させているところ。
プー之介にとって、弾薬は、使用すればコストがかかってしまう。しかし兵隊は、タダの資源だとみなされているようだ。