Taras Safronov 記者による2025-4-2記事「Porsche SE Aims to Return to the Defense Industry」。
ドイツメディアの『Esut』が報じた。
同系列資本のフォルクスワーゲンがひどい不振に陥っているので、軍用車両部門に本腰を入れるのだという。
2024年に「Porsche Automobil Holding SE」は200億ユーロのネット・ロスを記録している。
同社はVWの親会社であり、且つ、ポルシェの25%の株式を保有。
同社には「ポルシェ 597 ヤークトヴァーゲン SUV」の試作あり。
次。
2025-4-1記事「Francis Fukuyama warns Trump is not a realist」。
フランシス・フクヤマへのインタビュー記事。
ポスト冷戦初期の彼の有名な著述、ヘーゲル式の歴史進化は自由民主主義の勝利で終わったとの見立ては、近年の中共とロシアの暴慢によって反証されているが、ご本人は間違いを認めぬ。ジョン・ミアシャイマーのリアリズムこそが誤謬だそうである。この記事は、インタビューである。聞き手は Charlie Barnett。
まず時代の遷移を確認しましょう。あれを書いたときは民主主義が世界に急拡散中だった。そしてその後、退潮が始まった。2008年からですよ。
この退潮はトランプの第一次政権とともに加速しています。わたしもまさか米国政治がデマゴーグに支配されるとは予見しませんでした。
《歴史の終わり》は、わたしの発明じゃないです。ヘーゲルが最初に言ったこと。それをマルクスが流行らせました。
2人とも、こう信じた。歴史は一方通行に前進する。社会は進化し、時にともない、変化すると。
しからば、進歩する社会とは何の謂いぞ?
ヘーゲルは、フランス革命の延長線上にリベラルな社会が到来すると空想してました。マルクスの空想は、共産主義ユートピアです。
わたしが1989の著書で主張したことは、マルクスが予言したような形では歴史の終わりは到来しなかったよね、という確認です。
フランス革命以降、人々はこう信じているはず。近代社会の基礎とは、まず「平等」を認め合うことだと。
人類の中の特定の集団が他の集団より優るという考えとは、それは相容れぬはずです。
また、富み栄える社会は、自由な経済がもたらす。中共は政体として不自由ですが、この原理に逆らわなかったので、社会は金満化しました。
わたしの問題意識は、自由な経済に基礎を置いた民主主義――の上を行けそうな社会の組織など、ありえるのだろうかということで、それは未だに発見できません。
バーネット: あなたは『フィナンシャルタイムズ』の記事中で今回のトランプ当選を評して、米国の有権者は、トランプの正体を分かっていて、あえてリベラリズムを排撃する道を選んだと分析している。大衆がリベラリズムを排撃したなら、リベラリズムは今後、守られるのか?
わたしゃね、米国人が原理原則としての自由主義を斥けたとは思わない。ハンガリーのオルバンみたいな統治者の下で暮らしたいと思っている米国人はいませんよ。
バーネット: 議会乱入騒擾のあった1月6日事件、あの突入者たちの過半が、じつは中産階級であり、失業もしてない、満ち足りた人々だった、と、あなたは指摘した。
要素を分別しないと真相がわからなくなるものです。過去半世紀、米国経済には複数の主張路線があった。そこを腑分けしませんとね。
ひとつは、ネオリベラリズムです。市場経済至上主義だ。サッチャーとレーガンが80年代に推進しました。金融市場は規制が緩和された。必然、貧富差は拡がり、世界の金融システムに攪乱を波及させた。じつはこれは古典的な「リベラリズム」とは違うのです。古典的なリベラリズム運動は、所有権や商業活動の自由について争った。リバータリアンは、そんな背景とは関係がないんです。
最近のトランプ支持者たちの「反リベラリズム」も、経済になど関心は無いのです。反「woke」が彼らの主たる情念です。人種、民族、性別には特徴が認められ、それは、いわれのあるものである。そのいわれのある差異の実態を直視しないことを上から強制してくる問答無用の同調誘導に、彼らは、危険と、いかがわしい不正を感じて、不信任をつきつけたいのです。
バーネット: あなたは国際関係については、「リアリスト」に反対する立場ですよね?
目的に関するリアリズムと、手段に関するリアリズムを分けましょう。わたしは、手段に関してはリスリストですよ。
すなわち、わたしたちは非現実的な外交ゴールを追求しても可い。しかし、そのためには軍事力が必要なんですよ。
ミアシャイマーは、目的に対するリアリストなので、わたしは同意ができないのです。ミアシャイマーは、あらゆる国体は、その権力を最大化しようとするのだ、と強調します。わたしに言わせると、それは経験的に間違いであって、規範的にも間違っている。
※「政治」と「権力」の関係定義がきちんとなされていないから、不毛な論議が始まってしまう。みなさんは『世界の終末に読む軍事学』を予約することで、こうした愚劣な議論を卒業できるでしょう。
バーネット: 世界は帝国主義と「影響圏」ブロック割拠、孤立主義の時代に向かっている?
プーチンは19世紀式の思考をする人で、物理的な領土面積を増やすことだけがロシアのミッションだと信じています。
中共が南シナ海の軍事力プレゼンスを強化しているのは孤立主義ではありません。領土を拡張したいのです。
露支は、米国のパワーが相対的に弱くなっていると見、そのバランスの変わり目に乗ずることができるぞと思っているのです。
バーネット: トランプが欧州の安全保障から手を引いたら、ヨーロッパはどうなるのでしょう?
フランス中心になんとかするしかないでしょうが、EUもNATOもその意思決定の仕組みに欠陥がありすぎです。そこを早く改めませんと、ゼロ秒で何でも決心&実行できてしまう、敵勢力に押しまくられるのみでしょう。
次。
Erin McLaughlin 記者による2025-4-2記事「Want to Bring Factories Back? This Is What It Takes」。
海外に出てしまった工場を米国内に呼び戻そうとしても、稼働開始までには最低3年、長くて10年かかるもの。
いちばん時間がかかるのはバイオ薬品工場。それは5年未満ではぜったいに建ちはせぬ。
水、電気のインフラも必要。通信には冗長性も確保されていないと安心できない。
資材の搬入、製品の搬出のための交通輸送幹線は、近くにあるのか? 政権が公共投資を削ると言っているのに、道がつながるか?
排水処理は? 環境アセスメントに何年かかる?
予測では、スキルを有する労働力の需給ギャップは、2033年には190万人あるはず。今はこれを外国の労働市場で埋めているのだが、それを米国内でどうやって埋められる? 米国労働者も高齢化して減って行くのに?
金利は上がるし、建設工期は計画より延び延びになるはず。建設計画そのものが、立たない。
関税で鉄鋼の価格が上がる。建設資材すべてのコストが増えるのだから。
※いま進行中の、中共軍による台湾包囲演習でも、エネルギー・インフラへの空襲破壊が演練されているようだね。
次。
ストラテジーペイジの2025-4-2記事。
MSC=ミリタリー・シーリフト・コマンド。困っている。人手が足らなくて。
2025年までにフネを390杯、揃えるというのだが、配乗させる人がいねえ。
現状でも17隻が、水夫がいないために、戦列外になって係留されている。
人は4500人必要だ。定数の95%ないと、動かせない。
MSCの水夫は、連続4ヵ月外洋に出て、連続1ヵ月陸で休暇を貰える。そのくりかえしだが、これでは職場として魅力がない。陸の休暇を連続2ヵ月にしないと、人は集まるまい。
次。
Defense Express の2025-4-2記事「Valuable Pros and Unexpected Cons of Ukraine’s First Fiber-Optic UGVs」。
宇軍は、無人地上ロボット(4×4)の操縦にも光ファイバー・ケーブルを使い始めた。その戦場知見が蓄積され始めている。
現状、長さ10kmの光ファイバー・ケーブルは重さが2.1kgある。
これは簡単にひきちぎられたりはしない。30kg~40kg以上の力で引っぱらないと、切れない。
しかしUGVの場合、敵の砲撃の爆裂でケーブルが切れることもあるだろう。そこで、バックアップのリモコン手段として、無線チャンネルも持たせないといけないのだ。
※ウクライナ軍はこのほど、女子だけからなるドローン操縦部隊を創設したそうだ。
次。
Defense Express の2025-4-2記事「Tungsten Balls in GMLRS for HIMARS Prove Just as Effective as ATACMS Cluster Munitions」。
露側から公表された、霰弾でやられた地上のヘリの写真から、HIMARSから炭化タングステンの小球を18万個飛び散らせる弾頭がめっちゃ優秀であることが確認された。これならATACMSのクラスターと同じくらいの威力じゃないかという。ただしレンジは150km以内だ。
次。
Defense Express の2025-4-2記事「NATO Has Identified Effective Countermeasures Against russian Glide Bombs, With Strong Support From Ukraine, and Launched a New Innovation Challenge」。
有翼滑空爆弾には独特の「軌跡」がある。それを利用した判別AIをフランスの「アルタ・アレス」が宇軍に提供しているという。
リアルタイムで、着弾予定地の友軍に警報できる。
これを知らさせた地上軍は、すぐにEWを作動させ、タコツボに飛び込めばいい。
次。
Boyko Nikolov 記者による2025-4-2記事「F-16 price tag nears F-35 levels in $5.58B Philippine deal」。
米国はフィリピン軍に20機の「F-16 Block 70/72」を売ることにした。オファーは50機だったともいう。
国務省が1日に公表したところでは、55億8000万ドルらしい。
増槽ありの型だと1機は2億7900万ドル。ほとんどF-35並に高額になるわけだ。
これにはAMRAAMとかいろいろなものもついているから。
機体だけなら、6000万ドルから8000万ドルで買えた。

世界の終末に読む軍事学