米軍の、欧州コマンドの司令官、クリストファ・カヴォリ大将は数字を出した。2022-2いらい、露軍は戦車を4000両以上、喪失したそうである。

 Volodymyr B. 記者による2025-4-6記事「Russian Study of Captured M2A2 Bradley Finds It Superior to BMP-3」。
   ロシア人は鹵獲した「M2A2 Bradley」を仔細に調査し、それは「BMP-3」より優秀であると認めた。

 M2A2 ODS-SA の底板は、スチールとアルミ合金の二重張り。耐地雷のポリマー層がライナーになっている。座席はショック吸収設計。

 ブラドリーの側面装甲は、30 mm 3UBR6 弾には耐弾する。しかし、3UBR8 弾なら、貫徹される。
 正面装甲は、 30 mm 3UBR8 に耐弾する。 BMP-3 は、これに耐弾できない。

 さらにブラドリーは、成形炸薬にも耐える。正面は、PG-9VS および PG-7VL の弾頭炸裂に耐える。
 側面は、リアクティヴ装甲により、 PG-9VS には耐えるが、PG-7VL だと、貫徹される。

 ブラドリーの25mm機関砲は、その有効射程が、 BMP-3 の 30 mm 2A42/2A72 機関砲よりも、2倍長い。
 その25mmのAP弾の貫徹力は、 30 mm 3UBR8 弾の2倍である。

 エンジン、発電機、砲塔、主火器へのアクセスが良い。整備しやすい。
 車内は、ガナーとコマンダーの間に邪魔物がなく、互いに直ちに行き来できる。ブラドリーは。

 BMP-3 は浮航性が利点である。ブラドリーは浮かばない。

 提言。対戦車ミサイルを発射しようとするときにそのラーンチャーの前に対ATGMスクリーンが何もないのはよくない。改善すべきだ。
 また走行中に車長が砲塔から頭を出しやすいように防弾ガラスの仕切りを増設するとよい。

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 2025-4-6記事「Germany may look to withdraw its gold from US」。
  ドイツは世界第二の純金保有国で、その量は3350トン。一位の米国は8100トン。

 ドイツは保有Goldの多くをNYC、ロンドン、パリに置いている。本国有事のさいに、決済はそれらの都市ですることになるからだ。

 このほど『Bild』が報じているところでは、ドイツ中央銀行はNYCから純金1200トン以上を、フランクフルト市に引き揚げるつもりだという。

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 Boyko Nikolov 記者による2025-4-6記事「U.S. billion-dollar campaign struggles against Houthi missiles」。
   3月なかばから、米軍は、フーシを相手に3週間、作戦した。そのコストは、10億ドルかかったと試算されている。
 これはCNNが米軍要路から聞き出した。

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 Gabe Whisnant and Sonam Sheth 記者による2025-4-4記事「Donald Trump Personally Decided His New Tariff Rates: Report」。
  『ワシントン・ポスト』の金曜日のすっぱ抜き。トランプの各国別タリフ率は、その発表の3時間前に、彼が即興で決めたらしい。185ヵ国について。

 ※雑報によると、クルスク州の北隣のブリャンスク州にある国境の村では、たったひとつの商店が焼失。バスは走っておらず、タクシー料金は高すぎて足に使えず、人々は、家屋の地下室で耐乏しながら、当局に救済を叫んでいるという。

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 Defense Express の2025-4-6記事「Smart Plywood Drone Helsing HF-1 Makes Difference in Ukraine: Quantities and Operational Details Revealed」。
   ドイツの企業「Helsing」が、ウクライナに1万機の、ベニヤ製FPVドローン「HF-1」を供給する。
 このUAVは、滞空1時間可能。
 レンジは45kmという。
 目標にロックオンしたあとは、無線が遮断されても、ミッションを完遂する。

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 Alex Horton 記者による2025-4-6記事「Army cites glaring failures in drone attack in Jordan that killed US troops」。
   シリアやイラクに近い、ヨルダン国内の哨所に、ドローン攻撃があり、米兵3人が死んだ。昨年のこと。
 これは、ちゃんと警戒していれば、防げたという。

 2024-1-28の事件。哨所には350人もいた。ほとんど、寝ていた。
 奇襲の90分前に警報は行っていたが、哨所では、備えていなかった。誰も壕にも入らず。

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 ストラテジーペイジの2025-4-6記事。
  イラン軍准将の Behrouz Esbati は、2024後半、シリアで手痛い目に遭い、帰国後に、経験談をしている。
 彼はアサド大統領に「シリア領からイスラエルを攻撃させてくれ」と求めたが、アサドはそれを断ったという。
 また彼によると、現地のロシア軍は、無為そのものであったという。
 アサド政権が崩壊すると、シリア政府軍兵士たちは淡々と便衣に着替え、武器もその場に置き、一斉に立ち去ったという。

 エスバティ准将は、イラン製の武器をシリア領内に空輸する仕事を監督していた。
 ダマスカス近郊には兵器工場があり、シリア人がそこで働いていたという。警備はシリア政府軍がしており、その総監督をIRGC(イラン革命防衛隊)がしていたという。

 エスバティはIRGC(イラン革命防衛隊)の高級幹部。アサド政権が崩壊したとき、イラン行の飛行機でシリアを最後に脱出した。

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 Karen Braun 記者による2025-4-3記事「By the numbers: The erosion of US grain export dominance」。
   過去5年を均すと、米国は、世界のトウモロコシ輸出の31%を支配した。しかし1970年代はこれが80%だったのだ。
 2000年代後半から210年代前半にかけて、米国産トウモロコシの世界シェアは59%から35%に急落した。これは世界的な金融危機と連動していた。

 ぎゃくにブラジルのトウモロコシは、20年前は世界シェア5%だったのが、今は22%に増やしてきた。

 大豆の輸出統計は、さらにドラマチック。
 1970年代には米国産大豆が世界の輸出市場の80%を占めていたが、今は27%に落ちた。
 代わってブラジル産の大豆が、今は世界の輸出市場の55%を席捲。10年前は39%だったのだが。

 小麦。米国は今では、世界第四位の輸出国であるにすぎない。
 米国産小麦は1979時点で世界の輸出市場の44%を占めていた。しかし1980-1にカーターが対ソ穀物禁輸を打ち出してから退潮が始まり、今は11パーセントである。この対ソ禁輸は、ソ連軍によるアフガン侵略が理由であった。

 このときからソ連は、小麦の輸入先を多角化した。
 そして現状、世界の輸出市場の20%を得ている。ロシアは小麦輸入国から逆に輸出国へ転じているのだ。

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 Gavin Maguire 記者による2025-4-5記事「Coal traders could be rare winners from Trump’s tariff turmoil」。
   全アジアの工業国は、石炭火力発電で大量の石炭を燃やす以外に、これからしばらくの苦境を緩和することはできないだろう。

 アジアでは、石炭が、最も安価な、火発の燃料である。
 2024年では、アジアの地域電力の56%は、石炭火発から得られている。

 トランプ・タリフの打撃を吸収して凌ぐためには、アジア諸国内で、工場の電気代をどこまで下げられるかが、生死を分ける問題となる。エミッションなど、もはや問題にはならない。それよりも経済主体の生存が優先される。よって、石炭が専ら、燃やされるようになるだろう。

 トランプ・タリフ前の2024年、すでに、中共は10%、ベトナムは28%、カンボジアは26%、比島は5%、マレーシアは3%、それぞれ前年より、石炭を多く燃やすようになっていた。ならばこれからもっと増大するにきまっている。

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 Linus Holler 記者による2025-4-4記事「Europe’s defense puts a fresh twist on steel, growth engine of old」。
    高炉を操業する製鉄工業は、世界の二酸化炭素排出総量の十分の一に責任があるといわれる。
 この指摘は、ルール、シュレージェン、ロレーヌの工業地帯にとって、逆風だった。

 しかし砲弾やAFVを大量生産しなくちゃならないこの時期に、そんなこと言ってらんない。

 EUの統計だと、EU内の鉄鋼生産量は、EU内需要の90%を満たせる状態だという。しかしアルミは46%、ニッケルは25%しか域内では自給できず、これは寒い数値だ。

 最新鋭の自走砲システムには、高性能スチールが100トンも必要だという。1両あたり。※本当か? これは砲弾まで含めている?

 戦闘機の場合、アルミニウムは1機につき3トン必要だという。

 大問題なのは、欧州の軍需工業が消費するエネルギーの比較コスト。ガス代は米国工場の5倍、電気代は米国工場の3倍だという。

 現状、EUが使うスチールの三分の一は、アジアなどからの輸入だ。

 高炉をアーク炉にすれば、こんどは電気代が大問題になる。同じ量のスチールを生産するのに、高炉の倍の電気を消費するから。

 というわけでポーランドは原発を新設するつもり。