フーシは1ヵ月半のうちに「MQ-9 リーパー」を6機、撃墜した。3月3日からの累積で。

 Stephen Bryen 記者による2025-3記事「New Thinking Needed on National Defense」。
   WWIにさいして米国は480万人の将兵を動員し、一部を欧州で戦わせた。米国内から欧州へ送り届けた馬/騾馬は132万5000頭である。
 米国は戦車ゼロで参戦し、休戦時まで1両も国内では製造していない。輸送船は45隻が軍用登録されていたが、その他に民間から80隻を傭船した。

 WWIIにさいして米国は1680万人を動員した。リバティー船は2751隻、量産した(造船所×18箇所を動員)。だいたい2日ごとに3隻というペースで戦時標準輸送船を建造したのだ。

 今は、これができない。貨物船を1隻つくるのにも2年がかりだ。必要な鋼材は、輸入品である。

 中共の造船所だと、原油タンカー1隻は2年8ヵ月で引き渡している。LNGタンカーだと、もっと工期がかかる。

 ドライのばら積み貨物船の場合、中共の造船所は、2024年の受注分を、3年6ヵ月で、引き渡せる。

 WWII中に米国は、飛行機を30万機、製造した。今、米軍の戦闘機を全部あつめても、2531機。

 GPSは米空軍が運営している。その運営費用は、年間20億ドルだ。

 ウクライナ戦争で、新現実があきらかになった。ミサイルの量産は、急にはできない。なんと、それを欲するならば、工場をゼロから建て直さなくてはいけないのだ。最初の1発の納品は、早くて数年後だろう。

 ウクライナ人は、ドローンをアセンブルしてミサイル代わりにするしかなかった。それができたのは、中共製のドローン用パーツが市場でいくらでも調達できたからだった。そのパーツは米国内では大量には製造されていなかった。
 これはとんでもない危機ではないかという認識が、やっと、普及しつつあるのである。

 40年前、私は、インテルの共同設立者の Bob Noyes から、こう提案された。急速に古くなってしまって、メーカーからは顧みられない「サンセット」な電子部品。それらはしかし戦略ミサイルの急速生産には不可欠なものだから、国営の工場で製造ラインを維持しておくような枠組みが、必要だろう、と。同じ課題が、今もあるはず。

 米国軍需業界は三層になっている。
 最上層はビッグ4。すなわち、ロックマート、RTX(旧レイセオン)、ボーイング、ジェネラルダイナミクス。ペンタゴンと巨大事業を契約する。
 第二層が、多数の発明的企業。ビッグ4はこれらの企業の提案を買う。
 第三層が、サプライヤー。工場への投資は、サプライヤーがしている。

 なぜスティンガー等が急にたくさん必要となったときにその急速増産は不可能であるかというと、最上層が契約をとった数量をペンタゴンへ納品しおえると、下請けの第三層ではその製造ラインを畳んでしまうしかないからである。いったん、そこで、製造ラインが更地にされてしまうのだ。

 解決法として、イーロン・マスクのギガファクトリー方式がある。ひとつの工場の中に、いろいろな製品の製造に対応できる「核」の職工たちを温存しておくのだ。つまり1製品のプロではない、あらゆるハイテク兵器の製造に至短時間で対応ができるジェネラリスト工員を多数、受注がまったくない時期にも、捨て扶持を与えて工場内につなぎとめておけばよい。

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 Dina Titus 記者による2025-4-18記事「Tourism is the next casualty in Trump’s trade war. Our economy might not recover」。
  トランプ政策は、インバウンド観光客に関連する米国内の産業雇用・数百万人を、危険に晒すはずだ。
 ツーリズムは、観光地の地元に雇用を生み、税収をもたらし、地域開発に貢献する。

 いま、米国を訪れる外国人観光客数は、ようやく、新コロ前の水準を取り戻している。2024年には7200万人以上が海外からやってきた。

 2026には「建国250周年」行事と、サッカーのワールドカップ。その次には2028五輪が、次々と控えており、トランプが邪魔しなければ、米国観光業界の先行きは薔薇色だったのだ。

 トランプは隣国のカナダとメキシコを激しく圧迫中だ。この2国はしかし、米国観光業者にとっては、インバウンド収入の主柱なのである。2024年、カナダからは2000万人以上が、そしてメキシコからは1700万人以上が、米国に観光しにやってきていた。

 カナダ人とメキシコ人は、これから急に景気が悪くなるはずだ。長期休暇を利用して米国旅行にでも行こうという人も、ガックリと減るだろう。そんな懐の余裕は、なくなってしまうのだ。

 タリフは、航空切符の値段も高くしてしまう。外国人にとり、何かを食べるにも、泊まるにも、すべてが、昨年よりも高くなってしまうのだ。

 インバウンド観光客が、サービスや商品の購入のために米国内に落としてくれるカネが、これまで米国の貿易赤字を緩和していたのに、トランプ政策がそのカネの流れを止めようとしている。

 旅行ヴィザを所持している観光客に対する入国審査も、トランプの方針で、厳しくなっている。
 米国市民ではないが、ヴィザによって永住資格を得ている人々。この人々も、それで、従来のように、安心して米国外へ旅行することができなくなっている。出国したが最後、再入国は拒止されるかも知れないからだ。

 このごろでは、空港にて入国審査官が、米国にやってきた旅行者のスマホの中味を調べて、反米思想や反イスラエル思想を持っている者でないかどうか、吟味することもアリ。

 それで、ベルギー、カナダ、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、アイルランド、オランダ、ポルトガル、英国の諸政府は、自国から米国へ旅行しようとする人に対して、公式に警告している。

 そんなこんなで、外国人からみた米国の好感度が急落しつつつある。「YouGov」の統計では、たとえば今ではドイツ人の32%しか米国を好感していない。34%の仏人よりも低いのである。英国人ですら37%が米国を好感するのみ。カナダ人だと24%、デンマーク人は20%だ。

 米国務省の人員削減は、査証発給事務を停滞させるはずで、それで果たしてワールドカップを乗り切れるかどうか、危ぶまれる。すでに、コロムビア人の場合、米国大使館からはビザの発給を700日間、待たされてしまう。トルコ人は560日。モロッコ人は332日だという。

 国立公園管理官の人員削減も、観光業務に悪い影響があるはずだ。国立博物館の予算カットと同様に。

 ことし3月のインバウンド客数は、前年3月と比べて、9.7%少ない。これは National Travel and Tourism Office の公式データ。

 昨年まで、米国にやってくる外国人は、年に9%近く、増え続けていた。しかしこれからは、1年でマイナス9.4%となるだろう。逆転はもう始まっている。

 ラスヴェガスは、市ぜんたいが、大打撃を受けるだろう。
 ネバダ州は、その全雇用の28%が観光関係。州のGDPの37%が、ベガスなどの観光に由来している。
 トランプは、この州の税収を殺そうとしている。狙い撃ちだ。

 全米で、観光産業に携わる労働者は1500万人。観光は、米国GDPの2.5%を産み出している。

 昨年の大統領選挙期間中、トランプはネバダに遊説して、もし彼が当選したら「チップ」収入には課税をしませんよ、と公約したものだ。しかしトランプは、ネヴァダに観光客がやってこない世界を導入してくれた。「チップ」をあてにしていた人々は、その前に、仕事を失ってしまう。

 ※記者は、ネヴァダ州のラスベガスを地盤とする連邦下院議員。民主党員である。

 記者は「Visit America Act」を成立させた。この法律にもとづいて大統領は、旅行と観光に専任する「長官」を指名できるようになったのだが、トランプはそれをしようとしない。G20の中で、観光大臣を置いていないのは米国だけである。

 記者は「Department of Homeland Security Special Events Program and Support Act」も成立させた。ワールドカップのような、短期間におびただしい外国人が米国にやってくる国際イベントのさいの警備を万全化させるための法律だ。連邦に、開催地の州を、支援させる。

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 Sarah Kuta 記者による2025-4-18記事「These Large, Snake-Like Fish Are Invading the United States—and Authorities Want You to Kill Them」。
  ノーザン・スネークヘッド(=カムルチー、日本型ライギョ)は、北米では2002年に初めて目撃された。メリーランド州。放流した犯人は、食用魚として殖えることを期待したのだろう。入手は、鑑賞魚類商から、可能であった。

 全長1m近くあり、空気呼吸が可能。陸上でも3日間くらいは生存できる。
 米国では、侵略的外来生物に認定されている。

 当局は、もし釣り人がこの雷魚を捕獲したならば、頭部を切断して、ポリ袋に入れて捨ててくれと要請している。

 ミズーリ州では2019年に南東部で棲息が確認されている。

 泥地や、低酸素な水の中でも生きられるということは、そこではライバルが少なく、気候が激変しても、生き延びて繁栄し続けるということである。

 メリーランド州では、釣って食べてしまうことが推奨されている。それで数が減るから、というのだが、こいつはいちどに5万個の卵を産卵し、それはたった2日で孵化し、日頃は臆病な雷魚も、この期間に近寄る者に対しては果敢に攻撃してくる。

 連邦法により、州境を越えて移動させることは禁じられている。売り買いも違法。

 まぎらわしいのが、もとからいる淡水魚の「Bowfin」(アミア・カルヴァ)。見分け方は、アナルひれの長さ。スネークヘッドは短く、バウフィンは長い。また、スネークヘッドにはニシキヘビ(パイソン)のようなまだら模様がある。また、バウフィンを横から見ると、尾びれの付け根付近に、目玉のように錯覚される黒い1個の黒斑がある。

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 ロイターの2025-4-18記事「Four dead in ‘unimaginable’ Italian cable car crash near Naples」。
   ナポリの45km南東で、観光用ロープウェーの墜落事故。木曜日。
 カステラマレディスタビア村と、モンテ・ファイトの間を結んでいる線。

 この山から見下ろすと、ナポリ湾やベスビウス火山がよく見渡せる。
 このローブウェイは昨年は11万3000人を運んだ。

 支持索が、切断したという。
 搬器に乗っていたうちの4人が死亡。1人は乗務員。他に、2人の英国人と、1人のイスラエル人旅行客。もうひとりのイスラエル人は重傷。

 春のシーズン前に業者が支索を点検するのは法令で決まっており、常識なので、このような事故は予想外。

 交走式だったらしい。つまり搬器はもう1つあった。そっちは山の麓付近に位置していたが、自動ブレーキが作動して、乗っていた9人は無事だった。ハーネスで吊り下ろして救助。

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 Mike Schuler 記者による2025-4-18記事「USTR Proposes 100% Tariffs on Chinese Ship-to-Shore Cranes and Cargo Handling Equipment」。
   貨物船から岸壁に、積み荷を移す「SТSクレーン」。これがほとんど中共製だというので、トランプ政権は、これから100%の関税をかけたいと思っている。
 他の、港湾用の、荷捌き用の重機についても、同様。

 USTR は、次の事実も問題だと思っている。
 世界の舶用コンテナの95%は、中共製である。
 「インターモーダル」コンテナを陸送するスケルトントレーラー(インターモーダルシャーシ)の86%も、中共製である。

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 Malte Humpert 記者による2025-4-18記事「US Coast Guard Negotiating With Finland’s Rauma Marine For Construction of Up to Five Icebreakers, Helsinki Press Reports」。
    米コーストガードは、複数の砕氷船を、フィンランドの「Rauma Marine Constructions (RMC) 」に発注せんとしている。
 もし、中型が5隻であれば、総額は27億ドルと見積もられる。

 また、3隻の大型の砕氷船をRMCが受注するのではないかという噂もある。その場合、金額はもっと大きくなる。

 RMCがすでに建造したことのある型でよければ、受注から36ヵ月で納品は可能。
 米コーストガードとしては、今のトランプ政権の任期が果ててしまう前に、その最初の1隻を就役させたい。これが絶対条件だ。

 米国内で、砕氷船を建造できるのは、ミシシッピ州にある Bollinger Shipyards だが、事業予定がたてこんでおり、新規受注しても完工は2030年代のなかばになってしまう。

 それに現在、新造船のコストは、ロケットのように上昇中。2019年の契約であったなら7億4600万ドルで大型砕氷船の最初の1隻を引き渡すことができた。今だと19億ドルするはずだ。

 フィンランドは世界の砕氷船の6割を建造している。

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 2025-4-17記事「Russia ramps up oil products supplies to Indonesia」。
    インドネシアは、石油の輸入国である。これまではサウジ、マレーシア、シンガポール、UAE、カタールから輸入してきた。

 そこに最近は、ロシアが加わろうとしている。経済制裁のために売り先のなくなった石油を、ロシアは、インドネシアへ売ろうとしている。

 統計値がすでに出ている。ことしの1月から3月。バルト海の「Ust-Luga」港からインドネシアへ向けて、50万トンの重油が輸出されている。

 北極海のアルハンゲリスク港からは、2隻のタンカーが、5万トンのナフサを、インドネシアまで運んでいる。

 2024年にインドネシアは、ナフサを58200トン、重油を10万トン、ロシアから輸入していた。

 ことし3月、『Savitri』号は、33,000 トンの軽油を、黒海のロシアの港 Tuapse から、インドネシアの Karimun 港に運んだ。
 別の『Lunar Tide』号は、今月、6万トン弱の軽油を、同様に、届けている。

 Karimun は東南アジアの軽油売買のハブ基地になっている。ここで軽油がいろいろブレンドされて、地域の末端ユーザーに売られる。

 ことしはすでに、Karimun から、東チモール、ミャンマー、シンガポール等に向けて、105,000 トンの軽油が搬出されている。